※ 「オフコース」 の続編です
姉ちゃんが俺達に自分の子を押し付けて
姿を消してから、14年が過ぎた
俺達は、双子の娘達と姉ちゃんの子を
分け隔てなく育ててきた
それなのに、今頃になって
姉ちゃんからの接触があり
俺はかなり動揺している
仕事帰りの俺を待ちぶせしていた
姉ちゃんの第一声は
「 宝くじ、高額当選しちゃった 」 だった
相変わらず、能天気な女だ
「 だから? 」 と、冷たく答える
「 だから、私の産んだ子返して! 」 と、姉ちゃん
「 は? 何言ってるの?
犬猫の子じゃあるまいし
14年間育ててきた娘、 『はい
そうですか 』 って渡せるかよ 」 と、俺
この日は物別れに終わったが
姉ちゃんのことだから簡単に諦めるとは思えない
妻に隠さず、このことを話すと
「 お義姉さん、今どこに誰と住んでるの? 」 と妻
「 14年前、俺達に娘を押し付けて
結婚した男とは、一年で離婚したらしい
その後のことはよくわからないが
三ヶ月前まで同棲していた資産家の男には
浪費癖が原因で捨てられたとか
今は宝くじの当選金で都内にマンションを買い
そこで一人暮らしをしていると言っていた
もう金さえあれば、男なんていらないんだと
あとは娘さえいれば、それでいいと
そう言っていた 」 と、俺が答えると
「 娘が知る前に、お義姉さんと決着をつけましょ 」
と妻が言うので、姉ちゃんを喫茶店に呼び出した
派手な格好をした姉ちゃんのテーブルの前に
妻は、三人の娘達が写った写真を置き
「 どの子が自分の産んだ子かわかりますか? 」
と、姉ちゃんに尋ねた
双子は二卵性なので顔が違う
三人を並べると、誰と誰が双子なのか
全くわからない 姉ちゃんが黙っていると
「 今、娘がどんなことを考え、どんなことで悩み
どんな夢をもっているか、わかりますか? 」 と妻
無言の姉ちゃんを前に、妻は話を続ける
「 幾ら宝くじで当たったのか知りませんが
お義姉さんのように働かず浪費を続けていたら
あっという間にお金はなくなりますよ
お金がなくなったら、また娘を捨てるんですか?
14年間ほったらかしで、どの子が
自分の産んだ子かもわからないような
無責任なお義姉さんに、大切な娘を託すなんて
そんなこと絶対にできません! 」
凄い迫力だ 女は弱し、されど母は強し!
( 姉ちゃん、アンタの負けだよ… )
だめだ、こんな時なのに頬が緩む
※ 趣味で超短編小説を書いています
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