
おなじみLINE6から出ているPODの最新版です。
数年前にM13というLINE6のマルチを手に入れて以来基本的に私はLINE6のファンです。
宅録などでは結構長い間、PODX3を使用してきました。
このHDシリーズはアンプモデリングを一からやり直し、X3までに発表され膨大な数となったモデリングアンプをなんとたった16種まで少なくするという珍しい形で発表された製品です。
LINE6のサイトではこのHDモデリングについてなどの多数の動画がアップされていますが、開発スタッフなどの口ぶりからもかなりの自信が見て取れるものとなっています。
という事で簡単に使用してのレビューなどを書いていきます。
まず、このPODHDには300、400、500という三機種があります。おおまかな違いとしては同時使用エフェクトの数やフットスイッチの数の違いによるプリセットやルーパーの切り替えの動作手順の違いなどが上げられます。
私は今回、このPODHD一台で全ての音作りが完結して欲しいとの思いがあったため、最も多様性の高い500を選びました。
まず操作性ですが、PODシリーズをある程度知っている人ならばある程度簡単に使いこなせると思います。ただとにかく出来ることが多いので全ての操作を完璧に覚えるには時間がかかると思います。しかし操作性の素晴らしさとして、ボタン類(フットスイッチではなく手で押すボタン)の数が少ない事が良い結果を招いていると思います。
とりあえずこんな事がしたい、しかし操作がようわからん、となった場合、まずはどれかのボタンを長押ししてみる、これでほぼ機能は使いきれるというのが非常に大きな点だと思います、操作性は非常に良好です。
またこれは500の大きな利点として、各エフェクトのフットスイッチやフットペダルへのアサインの自由度の高さはかなり素晴らしいですね、今やだいたいの大型のペダル式マルチエフェクターにはこういったアサインは出来る様になっていますが、個人的にはあまり使用した事が無かったので感動物でした。
一つのスイッチに複数のエフェクトをアサインし、一気に劇的に音を変化させたり、フットペダルを使用し、踏み込んだ時にディストーションのゲインを少し上げ、アンプのボリュームを少し上げ、リバーブのエフェクト量を増やし、ディレイのタイムを少し長くする、なんて事がフットペダルの踏み込みだけで一気に変化できるのは最高に面白いです。
エフェクトも8個までの同時使用が可能ですが、あまりに凝った事をし始めると「CPUかなんかの容量限界ですよ、そんなに一辺に仕事できんちゅうねん」といった内容のメッセージが出ます。ステレオにし左右で別々のアンプを使うようなパッチを作るとこのメッセージはあっというまに出てくるので今回のHDモデリングではやはりアンプの処理にかなりの負荷がかかる様です。これは恐らく次回作でさらに自由度が広がるでしょうね、デジタル機器の進歩はドエライ早いですから。
さて肝心の音です、まずエフェクト。これはメーカーも言っている通りM13のエフェクト音とほぼ同じだと思います、個人的にはとても使いやすい音色だと思いますし、モデリングされた本家の特徴を良く掴んでいます、これはさすがLINE6って感じですね。ただやはりオリジナルのアナログエフェクターの音の旨みを知っている人間からすると少々物足りなさを感じる人がいるのもわかります。
私は個人的にお気に入りでよく使うエフェクトとしてコーラスがあるのですが、最高のコーラスはジャズコのコーラスと常に思っています、しかしジャズコばかりを使う訳にもいかず代替品として手に入れたのがBOSSのCE-2でした。CE-1を弾いた事が無いので比較は出来ませんがCE-2は素晴らしいエフェクトです。大好きな音なんですが、この素晴らしい音の旨みの様なものはやっぱりなんだかんだモデリングでは出ません。しかし割り切って使うには充分すぎる出音だと思います。
で最も重要なアンプ。
まず一つ、シンプルに。
他の追随を全く許さない素晴らしい出来だと思います。凄く良い音です。
モデリング数を16まで減らしたのは大正解、一つ一つのアンプの個性がとてもちゃんと出ているので選ぶのが非常に簡単です。手元のボリュームの変化、右手のアタックの変化などに対しての反応性も素晴らしいものがあります。これはローゲインのアンプだと特に顕著でまさに本物のアンプっぽい動き方をします。
個人的にとにかく気に入ったのがPARKのモデリング、私はマーシャルは好きなのですが、
普段ギターを弾く時はまず使いません、チューブアンプは個体差が大きく、その場で良い音が出ればいいのですが、出なかった時は一回のスタジオがずっと音に対しての対応で終わってしまうことがあるからです。しかしこのPARKの音はホント素晴らしいですね、軽めのクランチにして、弾く時の反応性の良さ、粘っこさ、とにかく好みです。
Bogner、Fender系も素晴らしいですね。
ハイゲイン系はまだスタジオで他の楽器と合わせてないのでわからないのですが、ヘッドフォンで聞くにはメサが好みでした。
とにかくアンプモデリングに関しては圧倒的に他メーカーより上だと思います。
しかしこれはエフェクトの項目でも触れましたが、本物のアナログチューブアンプとはやっぱり違います、モデリングというのは本物ではない、という事を頭に入れてそれを前提に使うべきだと思います。そのため、私はPODを使う時はアンプは使用せず全てラインで出してPAに放り込みます、PAのモニタースピーカーは通常のギターアンプとは違います。
しかし常にライブハウスでもどこでもほとんどの場合客席に聞こえるのはアンプからマイクを通り、それをPAで増幅しスピーカーから出す音だと思います。この一連を全てPODに任してしまう事でライブハウスごとのアンプの違い、マイクの違い、マイキングの違い、スピーカーキャビの違いなどを憂慮する必要が無くなります。このストレスの無さは非常に良いですね。いつもどこでもほぼ同じ音が出せるというのはストレスが無くて本当にありがたいものです。これはデジタル機器の圧倒的アドバンテージですね。
さて良い事ばっか書いててもあれなんで、ちょっと気になった事も書きます。
まずフットペダルの横のフットスイッチ、TAPテンポとルーパー切り替えの二つ、これがとにかく踏みにくいです、特にTAP。
下手にTAPを踏むとフットペダルが0方向に戻って来てしまいます。大体私はフットペダルをマスターボリュームにしているのでTAPを踏んだら音が小さくなるみたいな状態に何度かなりました。もう少し隙間を広げて欲しかったな。
あとフットペダルのスイッチ、ワウなどを使う場合のスイッチが固すぎます。これは誤作動が無くて良い部分でもあるんですが、このスイッチは座った状態ではほぼ踏めません、それくらい重さをかけないといけない。
ただ私はPODを使っていてもワウだけは単体のワウが欲しい人なのであまり困っていません。
後はやっぱ処理能力の限界が少し低いことかな、せっかくイロイロできるんだから馬鹿みたいにエフェクト掛けたりアンプ使ったりしたいです。
不満点についてはそれくらいですかね。
という事でPODHD500でした。個人的にはこれにワウ、ボリュームペダル、M13を同時に使うという事が出来れば最高の環境になりますね。
んー何故あんなにデカイんだM13!!(笑)