【力みの話・続き】
スポーツにおいて「力み」は禁物。
改めてですが、バドミントンでも同じことが言えますよね。
「力み」はほとんどの場合、パフォーマンスを下げるため、もし試合でやたら力んでしまったら今までの練習の成果が十分発揮出来なくなります。
「実力を十分発揮出来なかった」
試合でそのような苦い経験は、多くの選手にあると思います。
その「力み」は
バドミントンの試合中や練習中、なぜ生まれるのでしょうか?
選手の皆さんはそこまで考えてみたことはありますか?
◯緊張
◯スキル不足
◯体調不良時
◯体力低下時
◯疲労時
◯緊張以外の心理面(怒りや自信のなさ)
などが具体的な原因として挙がってくると思います。(これらも「程よい」状態なら、逆に力みはなくなりやすいです)
そして、その中でも「力み」の一番の発生源は「緊張」のことが多いですよね。
ここでは
なぜ緊張するのか?
ではなく、
緊張すると
なぜパフォーマンスが下がるのか?
を考えてみましょう。
※前回も似たような題目でしたが少し深掘りしていきます。以下、色々述べますが力みの一因として捉えてください。たった1つや2つの要素で全てを決定するのは誤解を招きますので。
また、緊張についてですが「緊張=悪いもの」という考えになってしまうのは良くないかもしれません。かなり緊張してても、それをプラスに作用させようという思考も大切だと思います。これはメンタルコントロールの分野になってきますね。それが「力み」を抜くことに繋がる場面も多いと思います。
緊張すると、人体のメカニズムから鳩尾(みぞおち)が一瞬で固くなります。
そして、鳩尾のエリアには横隔膜があるので、主に横隔膜が硬くなってしまいます。
横隔膜は、緊張による交感神経の過活動から動きが損なわれてくるのです。息が吸いづらい、吐きづらいと自覚する時はすでに相当の緊張時のはずです。
そして、横隔膜は腹部のインナーマッスルである大腰筋と連結しているので、お互いに関連が強いです。
そして、大腰筋は腰椎と骨盤に張りつきながら大腿骨の付け根近く(小転子)に停止する筋肉。
そのような構造から、横隔膜の動きの低下=大腰筋の機能低下となってしまいます。
(ここで言う機能低下とは、筋力が下がったりスイッチが入りにくくなるという意味です)
スポーツにおいて大腰筋の重要性は周知の事実。
そして、横隔膜と大腰筋は両方とも腰椎に張り付いているような構造になるので、その2つの機能が低下することは、
バドミントン選手の動きにとって重要なファクターの1つである「骨盤・大腿骨・脊柱」の連動する動きを制限することになります。
※実際には肩や鎖骨や腕の方にも影響がでますが今回は割愛
これらの順番で緊張はパフォーマンスを下げます。
それは、力みがパフォーマンスを下げるとも言い換えられます。
また、認識しておいた方が良いのは、
特訓しなければ「力み」は
自分で気づけない場合が多いということ。
めちゃくちゃガチガチになっていればさすがに気づけますが、
気づけないレベルの「力み」だと、気づけないためにその対策すらすることができません。
次に、
動きを制限するとはどういうことか?
◯「脊柱・骨盤・大腿骨」の関節可動域の低下
→背骨と股関節関節可動域低下ということ。
◯筋力が楽に発揮できなくなるということ。
→省エネの動きができなくなるということ。
(主に大腰筋、腸骨筋、大臀筋、ハムストリングス上部、大内転筋がそうなってしまうことがパフォーマンス低下に繋がる)
◯「脊柱・骨盤・大腿骨」間の分節運動の質の低下。分節運動とは、簡単に言うと複数の骨を適切にバラバラに動かすことです。
→このエリアがまるで四角い箱のように一体化した動きになってしまうということ。本当はバラバラに動かせるものなのに。。。
◯その他
→重要だと思われる内容は他にあるが今回は割愛。上記3つレベルを上げ改善することが、自分と思われる内容を良くする前提条件となるからです。
ここまでの話で、体の動きが悪くなっていそうなイメージが湧いてきませんか?
前回も書きましたが、
このような内容にフォーカスするトレーニングは、感性に訴えるトレーニングとも言えるので最初は分かりづらいです。
今まで関わってきた選手達も、
最初は
これで合っているのかな?
よく分からないな?
効果もよく分からないな?
という感じです。
ですが、繰り返しトレーニングしていって
腹に落ちた瞬間、
ああ!そういうことか!
気持ち良い〜!!
って感じになります。
そして、実践でも身体が動くようになっていることを実感してきます。ゆえにパフォーマンスも上がりやすくなります。
そのような内容だからこそ
それをスポーツパフォーマンスに繋げられると
大きなアドバンテージを得ることになると思います。
近い将来、このような考えがスタンダードになるかもしれません。実際広まってきています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
追伸
「力み」のメカニズムの科学的根拠をもっと詳しく載せようとしましたが、さらに長くなってしまうのでまた機会があれば記載致します。
今の時代、選手自身もその知識はあった方が良いかもしれません。
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