2009年7月のとある土曜日のこと
私は、和歌山に向かって出発していた。
朝の7時には車に乗り込み、五條市から橋本市まで繋がっている、京奈和道を使って、R24経由でJR和歌山駅に到着。
ちょっと本題の前に野暮用で立寄り、その後、私は単身、湯浅警察の刑事課へ向かったのだった。
実は、ある事件について、任意で出頭を求められていたのだ。
予想通り、阪和自動車道は途中から渋滞となり、10時には出頭しないといけなかった事から、手前の海南ICで下りる事を選択し、国道をひた走った。
そして、何とかジャスト10時に到着出来たのだ。
湯浅警察署は移転間もなく、こじんまりとした建物だった。
中に入り、受付で場所を尋ね、目的の刑事課に向かう。
そこには、土曜日のせいか皆ラフな出で立ちが多く見受けられたが、それぞれ慌ただしい様相だった。
その中から彼は「すーっと」私の前に現れたのだ。
それが、担当の刑事Kだ!
(ロボットではない。わからんだろな!?)
<img src="https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/2c6f93b3e742527907d9d911103ea3590c52405d.39.2.9.2.jpeg" alt="rblog-20170720100352-00.jpg" border="0" />
(参考画像)
歳の頃は30代半ばだろうか、背はあまり高くはないが、ガタイのしっかりした、 いかにも柔道で「鍛え上げた」という感じと、「やんちゃ」してました、という顔付きをしている。
そんな彼に誘導され、個室に連れて行かれた。
まだ、新築の建物だからか、いかにも尋問を受ける、少し薄暗く、西陽が眩しい、それとは違い、明るく綺麗な場所だった。
部屋には、机とその上にノートパソコンが置いてあり、聞くと昔の刑事ドラマ(別の誰かが黙々と書いている)とは違って調書はそれで作成するらしい。
私は、対峙するように刑事Kと向き合い、2脚の椅子の奥側に座らされた。
私の逃げ道を極力遮断するのが狙いだろうか!?
刑事K
「少しバタバタしてるんで、また後日来てもらわなあかんかもよ、がんばるけど…」
「えーっ、車で3時間近くかけて来てんのに、勘弁してや!、何とか頑張ってもらわな」と懇願するように言い放つ。
別の事件が重なり、人手が足らないとか、なんとか…
そんな押し問答がありながら、事情聴取が続いて行く。
証拠押収品が持ち込まれ、これから私に対しての本格的な尋問が始まるのだ。
一気にかしこまり、緊張感が高まる。
刑事K
「これらの押収品について質問していきます。 先ずこのAについてやけど確実な特長はありますか?」
「ああっ、これについてはもう10年近く前の物で、先端を改造してる。元々の物とは付け替えていて、赤色だった物を黒く染めてるし、あと、これは全ての物に共通して言える事で、手元に黒のリングを装着してるわ。」
黒光りする、重厚で、口径の揃った証拠の品々は、改造を加えられ、能力を高めている。
どれも、ゴルゴが手入れをするが如く、相手を仕留めるために馴染むよう工夫が施されているのだ!
<img src="https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/15fa03126576305bbe70d811fb083e20733b61b8.39.2.9.2.jpeg" alt="rblog-20170720100352-01.jpg" border="0" />
(イメージ画像)
こんなやり取りが、1時間の昼休憩をはさんで、証拠品の全て7点分、午後2時まで続いた。
しかし、昼の休憩はあっさりと流されたもので…
刑事K
「え〜っと、1時からまた始めるんで、すぐ近くに食べるとこがあるから適当に行って来て。」
私のイメージでは
事情聴取=カツ丼
<img src="https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/8d84c01f7075b35ff7a69b28a608e43f3cab2b0e.39.2.9.2.jpeg" alt="rblog-20170720100352-02.jpg" border="0" />
(イメージ画像)
なのだが…
その思惑もガラガラと崩れていく。
“カツ丼食べたい!”
これも時代の流れなのか、情に訴えるやり方は通用しなくなって来たからなのか?
はたまたテレビの見すぎか?
でも、何故か寂しい…。
それはさておき、その後、証拠押収品の特長を表す部分を私が指差し、慎重に撮影が行われた。
その撮影には、未だにフィルム式のカメラを使っている。
デジカメでは、データを改ざん出来る可能性があるから、ダメなのだとか…。
こんな所は古臭いのだ。
一通り撮影も終わり、次は調書に目を通す。
刑事に文才は必要ないようで、小学生の作文と大して変わらない。
私はニヤニヤしながら読み終えた。
まあ、そんな事はさておき、一応、事実は抑えてあるのでOKを出した。
話は少し前に戻る…
とある日に
私と釣友M氏が和歌山県の有田川上流にある、山中の“二川ダム“へ釣りに行った事が始まりであった。
その日は天候が悪く、朝から雨模様。
釣り場へは、車を止めた場所からは程遠く、一旦離れれば昼食の時間まで戻らない。
車の往来も少なく、勿論、人通りなどこの天候では皆無の場所だった。
そんな状況で午前の釣りを終え、車へと戻った時の事。
朝より雨足が激しくなっていた。
急な登り坂をやっとの思いで登り切り、道路へ出た所、道を挟んだ車を見て、少し違和感を覚えた。
その違和感を明確にするため、車に近付くと、外へ出した覚えのないクーラーBOXが、車の脇に置かれていたのだ。
「誰や?クーラー出したままにしたんわ!、M氏出したか?」
釣友M氏にも確認したが、やはりおかしい。
鬱蒼とした山中!
心霊現象も疑ったが!?
更に近付き、運転席に目を向けると激しい雨水が車内に吹き込んでいる。
一瞬、状況を飲み込めなかった私は、この雨の中、窓を開け放ったまま車を後にした事を酷く後悔した。
しかし、朝から雨が降る中、どう考えても窓など開けるはずもなく…。
そう思った瞬間、状況が一気に飲み込めた。
ドアを開けると窓ガラスが割れ、車内中に散乱している。
車内が荒らされ、使わず残していた竿がケースごと、その他の道具、車検証も含めた私物がなくなっており、グチャグチャに貪(むさぼ)られていたのだ。
二人は現実を認識し状況を確認すると、釣り場の道具も引き上げ、帰り支度を急いだ。
その後、かなり離れた、最も近隣の交番へ駆け込み、被害届を出したのだった。
そして、山裾まで降りて見つけたホームセンター“コメリ”で、窓ガラスをカバーする半透明の樹脂シートや仮止めするテープを購入し、突貫工事を施し、降りしきる雨と視界の悪さと戦いながら、慎重にゆっくりと、複雑な思いで帰宅したのだ。
そして、それから凡そ一月後…
当時、大阪市西区に勤務していた私は、盗難にあった釣竿の代わりを探しに、会社に程近い“タックルベリー”という小規模ではあるが、50店舗以上系列店を全国に持つ、中古の釣具店に足を運んだ。
少し釣りについてうんちくん。
私のする釣りは、状況に応じて様々な長さの竿を使い分けないといけない。
長さも尺刻み(尺=約30cm)で短いもので1.8m~長くなると9mと約20種類程度あり、本格的に揃えると数10万円以上かかってしまう。
それだけに、泣け無しの小遣いを切り詰め、貯金をしては一本購入し、また貯まれば一本と、揃えるまでに10年以上もかけ、やっとの思いでこれまでに至った、それぞれに思い入れのある品々だった。
だから、それに代わる似たものを探し出せたとしても、また、新たに思い出を刻み込んで行かねばならない。
しかし、再び釣りを再開するには、最低限の種類を揃えねばならないのだ。
そんな思いを重ねて、私は幾らかの竿に目を向けていった。
何本かを見ている内に、気になる竿に目が止まる。
その竿は、22尺(6.6m)の長竿で、私の持っていた、最長寸の物と同じだった。
布製の竿袋に入れてあり、銘(めい)も書かれていた。
その名は『六華仙』
竿の名前まで同じである。
新品当時の定価が138,000円もする、高級釣竿だ。
なんと言う偶然なのかと、心を踊らせた私は、竿の程度を品定めしていく。
口栓も揃い、本体には、これと言った傷もなく、なかなか良好な品だった。
私の竿達と同じく握りの手前には、滑り止めのリングも付けられており、好感が持てた。
更に見ていくと、竿の先端の道糸を繋ぐ穂先の部分も、オリジナルから回転リリアンに変更されている。
これも同じだ!
更にリリアン部分が明るい赤で、あまりに目立つのが嫌な事から、黒に染め直している所まで同じだったのだ。
更に数カ所、見覚えのある特徴的な近似箇所が見つかり、私は、益々不思議に思い、頭が混乱し始めていた。
あまりに似ていたので、他の展示された竿にも目を向けてみると、盗難にあった竿達と同じ種類、同じ長さの物が何本も見つかったのである。
あまりの偶然に「もしや?」と思い、店員に事情を話し立会いの上で、私の盗難品との特徴を照らし合わせてもらった。
すると、店内にあった7種全てが盗難品と一致し、店側から警察へ通報してもらったのだ。
しかし、残念ながら何本かは既に販売されており、それらに関しては追跡不能で、戻る事はなかった。
盗られたのは、和歌山県の山奥。
しかし、見つかったのが大阪のそれも私の勤める、最も近隣の釣具店とは、こんな偶然があるだろうか?
こんなドラマな展開が待っていようとは、予想不可能な展開だった…
その後、捜査が進み犯人も逮捕され、今回の事象聴取となった訳なのだ!
そして話は戻り、再び湯浅署にて…。
次に被害届に移る。
その内容は、5月5日の事件当初に届を出した頃とは、別の特徴の証拠品が出てきたからに外ならない。
私も全てを記憶していた訳でもなく、多少の気の動転もあった。
後に帰宅して調べた時には、わかってはいたが…
当時検証してくれた親切な交番勤務のお巡りさんが「もし届に違いがあれば奈良までいこらないといけないこらなんで、きっちりと確認していこらいこら」というような事を呟いていたのと、まあ、出て来る事は100%ないものと思っていたので、多少の誤差はいいだろうと考えていたのだ。
時間はどんどん経過して行く。
それでも、仕方なく刑事Kと問答を繰り返した。
やっと、全ての調べと確認も終えると、自筆のサインと捺印を指示される。
しかし、印鑑などは持っていなく、人差し指で拇印を押す。
この行為は何度経験しても、特に刑事の前では、自身が犯罪者になった気分にさせられる。
とにかく、嫌なものだ。
その後、今後の説明を受ける。
刑事K
「今日はこれで帰ってもらって結構ずら、押収品に関してはまだ預からんといけんので、また連絡をいれるずんずらだけんど」と…。
「と言うことばってん、また受け取りにいかんといこらなあかんのんいこらいこらか?…」
時間の経過と共に襲って来る疲労と、色んな方言とが交錯し、錯乱していく。
まあ考えれば、捜査も終わってないのにそれは無理な事か?
ここで今返せと粘っても埒(らち)があかないので、仕方なく諦めた。
そして、竿達を残し、後ろ髪を引かれながら、湯浅警察を後にする。
帰路へと向かう道中、様々な事を考えた。
今回はまだ、近隣の県内で起こった事件だったが、被害に遭う場所も選ばねばと痛感したのだ。
被害にあっても、そこの所轄へ自費で足を運ばねばならない。
それも複数回である。
これが北海道や沖縄だったらと思うと。
その時は、全てを諦めたであろうが…
これだけの思いをしたのに
なんで?
せめて“カツ丼食べたい!”
食べさせろよ~!!。

via shiba_wanko Ownd
Your own website,
Ameba Ownd
“笑いは人を惑わす武器?“

episode その6

“5W1H“とは?

When いつ
Where どこで
Who 誰が
What 何を
Why なぜ
How どのように

この6つの要素をまとめた情報伝達のポイントの事を言う。

5W1Hにあたる内容を相手に伝えるようにすると、情報をわかりやすく、もれなく伝達することができる。
もとは新聞記事を書く際の原則だったとか…。

普通に、仕事でもプライベートでも、相手に何かを伝える場合に、この要素を踏まえれば、スムーズに情報を伝達する事が出来るのだ。

彼女もこの事を知っていたらしいのだが、結果的にはまるで反映されてはいない。

そこを踏まえて、こんなエピソードをご紹介しよう。


私達のグループに限らず、店内では出勤メンバーに対し、なにがしかの伝達手段を講じて引き継ぎをしている。

スタンダードな所だと、連絡ノートがある。
グループ単位で用意され、グループ内はもちろん、万が一メンバーが全て休暇を取ることになっても、従業員なら誰もが閲覧、書込みする事が出来、マクロ的には有効な手段である。

次に有効なのが、LINEなどのオンライン通信だろう。
グループLINEなどを使えば、いつでもどこからでも、メンバーに連絡を配信する事が出来る。

しかし、これらの有効な手段も、使い手次第では、限りなく無効になり、更に相手にストレスを与える事にもなりかねないのだ。

そして、ある日の休日。

私は1日の家事を卒無くこなし、ゆったりと寛いでいた。

そこに、LINEの着信を知らせるサウンドが鳴ったのである。
確認すると“まるこちゃん“からのものだった。

私はLINEの文面を読み解いていった。

内容はこうだ。

「不具合の件は大丈夫で、売り場に出してオーケイです!!今日、売り場に出せれなかったんで、あしたお願いします!!」

この文面だけを見れば、私がこの内容について

When いつ
Where どこで
Who 誰が
What 何を
Why なぜ
How どのように
した不具合の件なのかを理解した上で送られて来た物であると思うだろう。

しかし、私は様々な不具合事項(大小様々な)を抱える立場にあり、彼女とは直接不具合については、直近でやり取りがあった訳ではない。

彼女は、私がこの内容をどう理解するのかを試しているのか?
それとも、私を混乱させ喜んでいるのか?

しかし、そのどちらでもない事は、彼女を知る人ならば直ぐに理解出来る。

ある意味、自己中心的で、体も心も先へ行き、振り返らない。
自分が理解したものは他人も理解したものだと思ってしまう。
だから、話も文面も主語がなく、経緯もない。

彼女とのLINEの続きはこうだった。

「不具合ってなんですか?」

まるこちゃん
「通達のやつです」
「蛍光管です!!」
「ノズルの不具合だったんで、ノズルを正常なやつに交換してます!!」

「蛍光管です!!は
“携行缶“の間違いでは?」

「言っているのが“ガソリン携行缶“の事で正常なやつに交換した とはどう言う事かな?
何処かから送って来たの?」

まるこちゃん
「メーカーさんきて、交換してくれたんですよー!!あっ文字間違えました笑」

「最初から逆の立場で、この文章を送られて、あなたなら理解出来るかを考えてから送りなさいよ!
意味不明ですよ!」

まるこちゃん
「すみません(汗) 気をつけますT^T」

いつもこうなのだ!

“まるこちゃん“とは、そう言う素材なのである。(諦)

この記述はフィクションです。

via shiba_wanko Ownd
Your own website,
Ameba Ownd
“笑いは人を惑わす武器?“

episode その5

こんな話も耳にはさんだ。

まるこちゃんは中部地方の出身で、親元を離れ、今はひとり暮らしをしている。
なかなか自炊もままならず、コンビニが彼女の食生活を支えているらしい。
仕事の日の昼食も、ほとんどコンビニ任せなのだ。

その日も出勤前に、お気に入り?のコンビニに寄ってお弁当をチョイス。
お店の休憩室にある冷蔵庫に保管して、気合を入れ仕事に邁進すること4時間、幾多の撒き散らかしと、この後、事件を巻き起こす重要書類の置き去りを残し、腹を空かせてランチタイムに突入したのである。

まるこちゃん
「腹減った〜、さあ、食べるけん!」

と言いながら、冷蔵庫からコンビニ弁当を取り出し、レンジでチンして食べ出した。

彼女と同じ様にコンビニ頼りな、従業員は数しれず…

夏場の冷蔵庫は満員御礼だが、11月にもなると空いてくる。
そんな状況にも関わらず事件は起こったのだ!

まるこちゃん独り言
「あっれーっ、私の弁当こんなだったっけー、鶏肉とか、入ってなかったはず、おっかしーなーっ、まっいっか!」
と、ツブヤキながらその弁当を平らげたのだ。

しかし、流石の彼女も少しは気になったのだろう、冷蔵庫に忍び寄り、改めて他の弁当を調べてみた。

すると衝撃の事実が明らかになったのである。

そして、考えた!

まるこちゃんの独り言
「あっれー、私の弁当がここにあるけん!どう言う事?、だれか間違っちょる!、バッカだねー、えっ?、なんかおかしいけん?んー?、まてよ~、じゃああ~、あたしが食べたのはだれのん?、まさかー、やっちまった?」

以前、この休憩室でこんな事件が起こった事がある。

それは、歯に衣着せぬ、インカムトークで歯に衣着せようにも、無しなお口は既にじいさん状態のオールバックジャンク(現在は出家中だが…)、何でも造る器用貧乏ガーイ!
「EZ Whoくん」の『冷蔵庫肉まん消失事件』だった。

彼が食べようと冷蔵庫に保管していた『肉まん』が誰かの手に寄って、奪われた可能性があったとかなかったとか…

その後彼は、“歯に衣着せぬトーク“の通り、この事件後、とことん犯人を探し続け、冷蔵庫に貼紙をし、追求し続けた。
周りの従業員を疑い、ひとりひとり聴取し、監視カメラまでも駆使して確認する、蛇の様な執念深さが語り継がれている。

結局、この冷蔵庫にはスペースと衛生管理の観点から、保管期間が定められており、それを3日も過ぎた事からここを管理する事務員さんに処分されただけだったのだが…

しかしまるこちゃんは、この時この印象的な事象が頭をよぎったのだろう。
急に顔の血の気が引き、青ざめ、混乱したと言う。

そして、それからの彼女の行動が物語っている。

先ずは内線を使って関係各位に確認を取り、もちろん「EZ Whoくん」には真っ先に連絡を入れたのは言うまでもないが…

その後もいたる所、インカム(従業員同士の連絡ツール)、冷蔵庫への貼紙などなど、彼女の考えられる(たかが知れてるが)あらゆる手段を駆使したらしい。

ここで、少し話を戻そう。

大体、自分の買ってきた、それも普段絶対買わない素材の入った物を、間違って食べるだろうか?

恐らく、彼女は再び同じ様な事を繰り返すだろう。
何故なら彼女には“振り返る“と言う言葉がないのだから。

だから何時も邁進し続け、巻き散らかし、置き去りにし、また次へと進んで行く“幼児“なのだから。

そう理解すれば納得が行く。

ちなみに、彼女が食べてしまった弁当の主は、“人畜無害な木偶の坊(でくのぼう)“一本調子な店内放送が心に届かない「キョウシー  オクさん」の物だったとか…


この記述はフィクションです。


via shiba_wanko Ownd
 Your own website,
Ameba Ownd
“笑いは人を惑わす武器?“

episode その4

ある日の店内。

10月に入り、模様替えの季節がやって来た。
私の担当するカー用品も、夏物の日除け関係からタイヤチェーンやウインドウガラスの解氷剤などの冬物商材に売場を模様替えする事になったのだ。

売場構成や棚割などのレイアウトは私が担当し、メーカーPOP以外のキャッチデコレーションは新参者の“まるこちゃん”が担当する手筈となり、取り掛かっていった。

商品陳列も大方終わりかけた頃、大きな発泡スチロールのボードで形どられた造形物をずるずる引きずりながらまるこちゃんがやって来たのである。

まるこちゃん
「これー、なんに見えますぅ、きいたらー、ひょうたんとかー、いわれたんですよぉ、じゃけぇー、うちはよおできとるおもおとるけん」


「まあ、雪だるまと違うの?、まるこちゃんが作ったん?、でも、色もつけんとこのままなら、瓢箪にも見えるよ、これで完成?」

まるこちゃん
「ホントですかー、みえますぅ?、てんさいですかねぇ、じゃろ、じゃろ、あっくんこえましたかねぇ、あと、めぇとかはればかんせいじゃけ、うえからつるすんで、あとでおねがいしまっすねっ!(敬礼)」

まあ、瓢箪の方が近いが、そう言う事にしておくかな。

そして、サイクルカウンターにて…


「まるこちゃんはおもろいよねー」

ウォーリーくん
「そうそう、ネタに困らんでしょ、少し前まで ここで、発泡ボードと暴れてましたよ、全身真っ白けで、おもろ過ぎですよ!」

そうこう言ってると、またまた大きな例の発泡ボードを引き摺りながら、まるこちゃんがチョコチョコこっちへやって来た。

まるこちゃん
「仕上げにきましたー、これ切って貼り付ければー、完成ッス」

と言うなり地べたに寝転んで?、いや這いつくばって?、作業をし始めた。
ハサミでプリントしたパーツを無造作に切り取り始める。

まるこちゃん
「あーっ、そこにおいとるのお願い出来ますかー?私、貼っていきますんで…」

と言いながら、サイクルの修理作業をするゴムシートの貼られたゾーンに這いつくばって、どこからか持ってきた期限切れらしい発泡スチロール用のボンドをこれも無造作に、切り取ったプリントパーツの裏面をぐるぐる“不器用なお子ちゃま“そのままに、“ぶちゅぶちゅ“と塗りたくっていた。
それも何の計算もなく、ただ無駄に…

やはり、予想通りボンドが足らなくなる。

彼女を観察していると、まるで幼児だ。
幼稚園児と仕事をしているようで、調子が狂う。
ついそのペースで見守ってしまうのである。

まるこちゃん
「どっか、ボンドありませんかねー、ホッチキスで止めますかー?、それとも縫いますー、ヤッパどっかで外行って買って来ますけん!」

こやつ、本気で言ってやがる。
ここは、ホームセンターなのだが…


この記述は所々フィクションです。


via shiba_wanko Ownd
 Your own website,
Ameba Ownd
“笑いは人を惑わす武器?“

episode その3

ある日の職場での出来事。

いつものように彼女はただひたすら走り回っていた。

一見、フットワークも軽く、フレッシュウーマンのように仕事をこなしている様にも見える。
まあ、それはいいのだが彼女の足跡を辿って行くと色々と明らかになって行く。

先ずサービスカウンターでは
カウンター内のラッピング等に使われる比較的大き目の作業台があるのだが、その上に、彼女が使ったカタログが散乱している。
直ぐに片付ければ良いのだが、既に30分は経過しているだろうか。
誰かさんの逆鱗に触れなければ良いのだが…

同じ頃、ある売場の通路には、売場作りで使ったのだろう、ハサミ、テープカッター台、商品POP、ドライバー、穴をあけるのに使う錐(きり)やお客様が使用するカゴ、什器の棚板などが、やはり散乱している。

はたまた、コー徹さんのいるサイクルカウンターでは、バンク修理の練習で使用したらしいタイヤチューブが、無残にも継ぎ接ぎだらけで完璧な仕事の証明として飾られていた。

コー徹さんの彼女への評価は益々ガタ落ちである。

それらの残骸を、私は最低限邪魔にならないように片付けて回っている事は彼女の知らぬ所だが…

いや、私が片付けたお陰で、戻った時にこんな事を言ってたか。

まるこちゃん
「あっれー、ここにあった錐〜(きり)なくなりました〜?、来られますー、じゃけん、じゃけん」

「訳わからんぞ!、売場の通路に撒き散らかして、それも鋭利な錐(きり)の先をむき出しにしたままで、“なくなりました〜?”違うやろ、こう言うものはいちいち片付けなさい!、危ないでしょ。」

まるこちゃん
「はーい!了解しましたー(敬礼)、さっ、売場作りやっちゃいましょうかー(嬉)」

まるでわかっとらん!
こんな感じで調子狂うのだ。

あの娘は、自身でも気付かない魔性の気があるのかも…

危険だ!

しかし、彼女にはそんな懸念は無用だった。

それが、わかるEpisodeはまた次の機会に…


この記述は所々フィクションです。

via shiba_wanko Ownd
Your own website,
Ameba Ownd
episode その2

中でも特にウォーリーくんは、嫌悪感を抱くほどに彼女を歓迎してはいなかった。

その理由は、これから本格的にチーム一丸となってやるぞ!と意気込んでいた“あっくん”が衝撃的瞬間部門移動になった事と、突発的に移動してきた彼女の経歴からは、彼の持ち場で全く役に立つあろう筈もなく、戦力外だと判定したからなのだ。

それに以前の部門で勃発した、失敗に次ぐ失態の情報が輪をかけて、私達のグループは失意の底に伏していた。

だが、その不安も意外にあっさり吹き飛んでしまう事になる。

それは、彼女と共に仕事をしなければ、わからない秘密が隠されていたからだった。

その秘密とは、外見のキュートさ(可愛さ)と言うよりは、内面のキュートさ(幼稚さ)が彼女の本質的な問題であり、直接関わらないと判明しない彼女独特のキャラ設定がなせる技が潜んでいる事にある。

そして、これから本当の恐怖がヒタヒタと近付いてくるのだった。

幼児は何事も色々と大目に見てもらえる生き物だ。

そして、その要素を兼ね備えた彼女は立派に20代半ばの社会人なのが厄介なのである。

それが故に、許されざるEpisode満載であるにも関わらず、笑って許してしまう魔法にかけられたかのように何故かもろもろ見過ごしてしまうのだ。

長い前フリが続いてしまったが、このフリがないと、恐らく理解し難いこれからの彼女のEpisodeは、楽しんではいただけないだろう。

まだたった、ひと月だけの付き合いだが、一年以上は経過した錯覚に陥る私の、いや、私達の本当のEpisodeが始まるのである。

先ずは彼女とは、どのような種類の生き物なのかをご紹介しよう。

ここからは、フィクション満載なのでご注意いただきたい。
一部ノンフィクションでの記述もあるが、個人情報保護の観点から、明確にはしない事をお許しいただこう。

彼女の名前は 
姓は「じゃけん」  
名は「まるこ」
年齢は20代半ば
中国地方の出身である。
海外への留学経験があり、日常会話程度の英会話はお手のものらしい。
社会人3年生。
只今、恋人募集中! は強調してくれとの本人談である。
うさぎと一緒に暮らし、寂しさを紛らわしている。
休みの日はほとんど、日柄一日家から出ることもなく、布団と戯れている。
普段のアシはバイク。
見てくれは

ある時、マスクをして出勤していた彼女に「風邪かな?」と問うたのだが、「ノンメイクなんで!」と返された時と、普段ノンマスクの時との違いがまるでわからない。
私だけなのか?…
という普段のナリである。

ちょっと語り過ぎたので続きはまた!


via shiba_wanko Ownd
 Your own website,
Ameba Ownd
緊急発刊!

人間観察学と言う学問が存在する。

それは、人間側からではなく人間以外の側から人間を観察すると言う視点の学問である。

その中でも取り分け、人間行動学に重きを置き、地道に調査、検証に勤(いそ)しむある研究員がいた。

彼は、姓を ‘’柴‘’ 名は ‘’わんこ‘’という少し風変わりな名前を名乗る。

皆より、ちょっと低い視線と、どの研究員とも違うアプローチで、ヒューマンウオッチングを切り取り、編纂(へんさん)したものが ‘’人間観察図鑑‘’である。

しかし、この優れた?研究成果も世間には受け入れられないちょっとした理由があった。

その理由とは、彼が人間の感性を持ち合わせながらも、人間にはなれなかった‘’柴わんこ‘’つまり、日本犬の代表として名高い「柴犬」だからなのである。

そんな柴犬研究員の心の中をエッセイ仕立てで紹介する研究記。

しかし今回は、ボクのご主人様から聞いたお話をご主人様視点でご紹介。

では、そのエピソードを少し…

“笑いは人を惑わす武器?“

世の中にはそのキャラクター故に、世間では絶対に許されない事も、何故か許されてしまう人種が存在する。

概ねベイビー~幼児がその対象に該当し、大部分を占めている。
それは、社会経験値の低さと世間知らずだと言う事から、大人は“子供なんだから“と寛大な目で見るからだろう。

子供達の世界でどう見られているのかは、知る由もないが...

誰もが経験者であり、要素を持ち合わせている事から、振り返れば理解も出来る。

しかし、その子供も成長するにつれ、様々な経験を積み、見てくれも大人化していくと、社会人の一員と見なされ、社会に埋もれて行く。
その埋もれた目立たない存在が、社会人の行動から逸脱すると“許されざる者“となり、ペナルティーを課せられる事になるのである。

だが稀に企業社会人にも関わらず、逸脱した行動をしていてもペナルティーを課せられない、いや、課そうにも、何故か許される大人?が存在するのだ。

人間観察を研究する私にとっては非常に興味のある対象である。

老若男女、様々な人間観察をしてきたが、そんな希少な人種が“大人”に混ざっている事はある種、発見であった。

その発見の研究対象との、日々の関わりを書き記したエピソードを少し...。



episode その1

彼女との出会いは至極普通だった。

私の働く店舗に赴任して来る新しい社員は女性であり、見てくれはとてもキュートだと言う。

この店の誰々に似ているだとか、似てないだとか、先走った噂話がウロウロしていた。
とにかくおばちゃん達の多いこのフィールドでは、曲がりくねって着地する、ガセなネタなんだ?かどうなんだか?な噂がゴロゴロなので、自身で確認する迄は信用出来ないのであるが...。

私とは、担当部門も違うので関わりはほとんど無い。
赴任してからの彼女の働きぶりは、とにかく動き回っている印象で、しかし、あくせくと言うより。どこか飄々としたイメージがある。

彼女とは、売場で通りすがりに挨拶を交わす程度であったが、噂に近い幼児的キュートさが特徴の普通の若者と言った感じに捉えていた。

しばらくして、色々な状況が明らかになったのだが、かなりの天然記念物的な行動習性があるらしく、噂ではしくじりも多く、何かとやらかす事もしばしばで、お店的にも笑えない失態もあったとか、なかったとか...

そんな彼女が私達の部門へ管理者としての配属が決まり、嵐の予感が吹き荒れたのだ。

中国地方の出身らしく、なまりも抜けない田舎者っぽさはご愛嬌だが、仕事はとにかく突っ走るのみ。
怖いもの知らずにも見える行動思考は、ちょっと危険な匂いがプンプンしている。

そんな彼女がこちらの部門へ来る事に、メンバー総意で不安を感じていた。

前任の“あっくん“がメンバーからの信頼も厚かった?ため、比較対象である彼女の前評判は下がる一方だった。


via shiba_wanko Ownd
 Your own website,
Ameba Ownd
人間観察学と言う学問が存在する。

それは、人間側からではなく人間以外の側から人間を観察すると言う視点の学問である。

その中でも取り分け、人間行動学に重きを置き、地道に調査、検証に勤(いそ)しむある研究員がいた。

彼は、姓を ‘’柴‘’ 名は ‘’わんこ‘’という少し風変わりな名前を名乗る。

皆より、ちょっと低い視線と、どの研究員とも違うアプローチで、ヒューマンウオッチングを切り取り、編纂(へんさん)したものが ‘’人間観察図鑑‘’である。

しかし、この優れた?研究成果も世間には受け入れられないちょっとした理由があった。

その理由とは、彼が人間の感性を持ち合わせながらも、人間にはなれなかった‘’柴わんこ‘’つまり、日本犬の代表として名高い「柴犬」だからなのである。

そんな柴犬研究員の心の中をエッセイ仕立てで紹介する研究記。

では、その研究成果の中からエピソードを少し…


ゲ・ン・ キ・ン
ジ・ド・ウ
ア・ズ・ケ
バ・ラ・イ・キ

essay No.1

ボクの名前は‘’柴わんこ‘’
ごく普通の赤毛の柴犬である。
首輪はしないが、唐草模様のスカーフがアクセントの、ちょっと昔気質な日本犬なのだ。

ご主人様はお出かけが大好きで、休みの度に何処かに出かける。
その時は必ずお供するのだ。

今日もご主人様と共にお車で出発!
と行きた所だが、出発前にはそれなりに先立つものが必要である。
用立てのため、ご主人様とBANKへ直行。
そこで見かけたちょっと気になる、Old Peopleの行動をご紹介。

平日のお昼前、ATMは意外にも込み合っていた。

そのATMは、Bank内で離れた2箇所に分かれており、どちらからも、もう1箇所の状況は分からない。

先ずは外から入り、1箇所目のATMのある扉を開けると、10人位の列が出来ていた。
もう1箇所の状況はわからないが、そちらに期待を込めて向かってみる。
しかし、こちらも同じ様な状況だった。

仕方なくご主人様は、諦めてその列に並ぶ事を選択した。

ボクは最初、ご主人様に抱っこされて並んでいたのだが、出金までにしばらく時間がかかりそうな事もあって、地上に置かれることになった。

普通なら人の多い、この様な場所に“わんこ“を連れて入るなど許されないのだが、ご近所の人気者であるボクに限っては、顔パスなのだ。

そんな柴犬人気も利用しながら、人間観察の研究をして行くのである。

前から7番目に並んだボク達は、次々に利用を終えて去って行く人々を見送り、4番目に至るまでは順調だった。
しかし、ここから一向に進む気配がなくなり、順調さは途切れてしまう。
目の前にあるATMは2台。
2台共に年の頃なら60歳は超えているだろう女性が立っていた。

少し前から様子を見ていたのだが、左側の女性は、ボク達が並び始めたころからずーっとそこで操作している。
そちらに耳を澄まして見ると、こんな音声が幾度となく流れてくる。

ATM
「お客様の入力された情報は正しくありません。もう一度最初から・・・」

操作の度にこの音声が繰り返し流れ続けている。

人間は、並んだ列が少しでも流れていると、まだ我慢出来るようだが、停滞が始まると“ストレス“が溜まる動物らしい。

途端に所々でざわめき出す。

ここで、ちょっとボクの後ろの声に耳を傾けて見た。

via shiba_wanko Ownd
Your own website,
Ameba Ownd
essay No.3

遠吠えをしている時の人間は、ボクらとは少し違う反応をする。

ボクらはこの行為に入ると、‘’おさんぽ‘’と言われようが、‘’おやつ‘’と言われようが、‘’仲間に遭遇‘’しようが、先ずやめようとはしない。

しかし、人間ならば、例え‘’わんこ‘’のボクであっても、目が合った瞬間から‘’今まで何をしていたの?‘’的に、遠吠えを即座に止めてしまい、違う行動に移るのだ。

目を反らしたり、頭を振ったり、あくびをしたりする。

「‘’遠吠え‘’なやんかしていないよ」の如く。

分析していくと人は、外部とは遮断された空間で誰を気にすることもなく、自分の得意とする発声法で、なにがしかの音に反応しながら‘’遠吠え‘’をしている。

この行動はボク達と似ている。

では、何に向かって?

この閉鎖された空間で。

わんこならば、出来る限り遠くへ、仲間に届くようにと吠える。

なのだが…

しかし、窓越しに見る限りでは、我を忘れ天に向かって、絶叫とも取れるほどに吠えている。

顔を赤らめて、血管を浮き彫りにしながらも、必死に…

もしかするとこれは本番ではなく、練習なのか?

わんこは、練習などしないが、野性をなくした人間ならではの行動ではないのか?とボクは推察した。

ならば、納得がいく。

閉鎖された空間で行い。
練習なので、誰にも知られず。
ひたすら、繰り返し。
練習している事など微塵も知られず、本番をサラッとやってのける。

そんなひた向きな人間だからこそ、わんこであっても練習を見られるのが気まづいのだ。

わんこと人間の違いが、こう言う事象を分析していくと良くわかる。

わんこは家畜としてではなく、人間のパートナーとして、長年、家族のように生活に入り込んできたが、まだ、何処かしこに野性を持って生きている。

しかし人間は、野性をほぼ無くし、理性を得た時から、羞恥心が芽生え出した。

その羞恥心が為に、本番を披露すると言う、形式に囚われる行動を取るようになる。

それを如何にカッコ良く見せれるかを補う行動が練習だとボクは考える。
非常に面倒くさい。
しかしこれも、全てに当てはまるとは限らないのだ。

人は色々な事をする。

ボク達にはそれを理解出来ないが、見守る事は出来るのだ。

それが、家畜ではなく、パートナーとして人々と長年やっていけたコツでもある。

しかし、今回の観察でどうしても腑に落ちない所が少し…

ご主人様も含めて、人間が‘’遠吠え‘’の本番をどのような発声で吠えているのかを、見たことがないのである。

もしかして、あれかな?

山での「ヤッホー」

それとも

海に向かって「うぉー」とか「好きだ!」とか「バカヤロー」なんかも…

しかし、直(じか)には見たことがない。

謎は残るが、ドライブしながらの人間観察は、普段見ることの出来ない本質と恥部が露出されて面白い。

次はもっと恥部分を観察しようか…。

via shiba_wanko Ownd
Your own website,
Ameba Ownd
essay No.2

車からの後ろ向きな世界は、運転中のドライバーなら、限られた鏡像しか見ることが出来ない。

後部座席に乗った人でも、ずっと後ろ向きのまま乗車し続けるなど、快適ではないし、後続車からすると、前から見続けられるのも、違和感や嫌悪感しかなく、現実的ではないだろう。

その点、わんこならば全く問題なし?なのだ。

問題なしと言う点では、後続乗車員に与える影響の少なさが最も大きく、それが故に色々と後ろ向きなパフォーマンスを見る事が出来るのだ。

それは、信号待ちに良く見受けられる。

僕らと同じく少し斜め上を向き、目を細めているか、瞑(つぶ)っている。
口はおおきく開け放ち、一見、苦しんでるのか?と見紛うほどに、何か振り絞っているだ。
周りなど気にする余地もないほどに、自分の世界に入っている様子が窺える。

この状況を検証するにあたり、小耳に挟んだちょっと気になる情報を少し…。

ある人物は決してカラオケに行っても人前では唄わない。
かと言ってカラオケが嫌いな訳ではなく、ひとりカラオケには行ったりするらしい。
唄う事は好きで、誰もいない一人の空間では唄うのだ。
音楽を聴く機会が良くあり、一人になれる車などは、絶好のシンガールームになり得る。

その様な輩が正に、後ろ向きなボクの目先にいるのだろうか?

あれはきっとボクらとおんなじなのだろう。
我を忘れて周りも気にせず、緊急自動車のサイレンや町内放送に反応するが如く、何かに取り憑かれたように吠えている。

おんなじだ!

人間も遠吠えをするのである。

研究は更に続く。

via shiba_wanko Ownd
Your own website,
Ameba Ownd