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あの頃は若かった

50代半ばの生活や仕事、人間関係について書いています。老化や性のこと、心や精神世界のことなど、現在の課題について考察しています。

「婚外恋愛」という名の本質について考えた。

実は既婚者用の出会い系サイトに登録していたのだけど、ずっと非表示のままにしており、何も活動をしていなかった。

このたびとにかくPさんのことを忘れたくて分散できるのならしようと思って、改めて非表示を解除してみた。ついでにプロフィール写真も、ぼかした状態で全体がわかるような写真を初めて追加した。写真も自己アピールコメントもあまり吸引力がなかったのか、メッセージ付きのいいねが来たのが数通だけ。その中でひとりだけ条件に合いそうな人がいたので、その人以外はすべて〈ごめんなさいメッセージ〉を返した。

 

私の条件は同世代で県内住み。おっさんもPさんも60代なので、それ以上の年齢の人には全く関心が持てなかった。あとは血液型は結構重要視した。夫と同じ血液型はNG。水と油で全く交じり合わないから。

男性のプロフィールしか読めないようになっているが、こちらからはコワいので足あとやいいねはつけないようにし、とにかくメッセージをもらった人だけチェックした。

 

ひとりだけマッチして、メッセージのやりとりを何度かしたが、そのメッセージにもなんだかグッとくるものがなく、早々にお返事を書く気力がなくなってしまった。向こうも「サクラ」と思っているのか追いかけてくることもない。女性のページは見えないのだけど、男性を夢中にさせるような女性が結構たくさんいるのかもしれない。掲示板を見ると20代、30代の人も多そうだし。

 

なーんだ、つまらない世界。

どの人もたいしたことない人に見えるし、自己アピールの強い人ほど胡散臭さを感じてしまう。この中で私を好きになってくれる人なんて皆無だと思うし、逆に好きになれる人もいないような気もする。

 

それにこのサイトは掲示板が秀逸で、老若男女匿名で賑わっている。それを読んでいると、「どうせ不倫なのだから」という意見が圧倒的に多く、沼ったり重くなったりせず、いかに楽しく過ごすかということが肝になっている。うまくいっていると言う人は掲示板ではまれで、ほとんどが「連絡が少ない」「熱量が下がった」「お誘いがない」などのお悩みが多い。リスク管理のために付き合っても本名も住所も教えないという人も多いことに驚いた。ひどい男性は会社のスマホで連絡を取っていて、会社が休みの日には全く連絡がない、とか。そこまでバレることを恐れているのならしなきゃいいのに、って思ってしまった。

 

所詮不倫だから、先のない、ずっと一緒にいることのできない、今だけの関係なのだから。そして多くは自分の欲を満たすためだけの、都合のいい、責任のない関係なのだから。お互いに配偶者がいて安心できる居場所があるからこその、ひとの物だからこそよく見えたり、ひとの物だから絶対に独占できないからこその、嫉妬であったり感情だったり。全部全部「そういう類の関係」だからこそ必然で、誰しもが陥る当たり前の感情。非日常だから飽きないし、嫉妬も距離も何もかもがスパイスになって刺激になっているだけ。不安や不満がいつまでも心を占領するから、感情を揺さぶられ、安心を得たくて心は不安定になる。その不安を「好き」や「愛してる」と勘違いしてしまう。

 

みんな苦しんでいるのに(特に女性は)、どうしてやめられないのだろうね。

でもお互いにやりたいからやる、みたいなフリーセックスのような関係はこの世にはないと思っていて(宗教以外は)、女性は自分の自己肯定感を上げてくれて、愛を感じてこそ「したい」と思うし、男性はそんな女性の心が離れていかないように努力してこそ愛情だと思うし、それが人間らしいセックスと言えるんじゃないかな。人間は、心のないセックスなんて気持ちよくないんだよ。

 

どうして結婚しても、男女は出会いをあきらめられないんだろう。

でも私はもう新たな出会いはいいかな、と思っている。どうせ同じ苦しみを味わうのなら、もう同じ人でいい。そしてこの苦しみから逃れられるのなら、もうこの世界から足を洗って違うことに没頭するほうがよい。ようやく、ようやく、出口が見えてきた。