あるひととの関係も、すこしずつ落ち着きをとりもどしはじめました。
やっぱりパリにいけたのがよかったようで、ずいぶん、自分自身が開放的な性格になることがわかりましたし、
それまではずっと日本で、あるひとを想っては泣き暮らしていたところがありました。
(これではいけないとは思っていたのですが)
パリの美しい街並みや芸術文化の香りに触れられたことで、「あるひと」の面影や、そこに憧れていた自分の甘えを
置いてくることができ、なにか、ひとつ、ふっきれたような気がしています。やっとすこしだけ大人になれた、ということでしょうか。
あるひとについては、周辺からいろいろ人となりをきくことが出来ました。
わたしなどは、全然足元にも及ぶようなひとではありませんでした。
年は17歳違いますが、実際はもっともっと違うような気がしています。
あるひとは、わたしのことを、きっと「ばかな子だなぁ」と思っているにちがいありません(^-^)
ある朝、あるひとが、ふと机の上に本を載せていて、
びっくりしました。__高橋和己の「わが解体」という本を読んでいたのです。
私は「悲の器」を読んだことがあるくらいで、高橋和己という人はほとんど知りません。
でも高橋和己の世界観は、ほんのりとですが、理解しているつもりです。
あるひとは、ときどき、とても複雑な心理のもち主なのではないか、と思えるときがあるのですが、
その一端が、「わが解体」という本にひそんでいるように思えます。
とても、とても、大きな山が目の前にそびえ立っているような気がします。
恋愛感情を切り抜けて、こんどは、どんな感情を、あるひとに対して思っていったらいいのだろう、と
思案しているところです。