身体を合わせた時のことを良く覚えてない。
そんな余裕はなくいつも言うけど必死で。
覚えているのは気持ちいいだけ。
そう言うと、sanaはちょっと睨むような顔をする。
「全然覚えてない?真っ白?いきなりガバッと記憶が抜け落ちるってこと?」
「・・・そういうこと、でもない」
「じゃどういうこと?覚えてないって何を覚えてないの?」
「全部」
「・・・また。やってきた経験値というか、私に前回こうしたらこういう反応が返ってきたから、ああ気持ちいいんだろうな、じゃ次回もとか」
「ああ、それは覚えてる」
「ホラ!覚えてるじゃない。じゃ、どの感覚で覚えてるの?」
「どの感覚?・・・例えば」
「視覚、聴覚、触覚・・・どの感覚で覚えてる?どこで一番私を感じてる?二番目は?」
「うん!?」
そもそも
SEXを五感で分解し、どの感覚で一番二番・・・を考えるのも、おかしなことじゃないかと思うけれど。
sanaとのSEX談義はイッた良かったではなく、そういう分析めいたところにひっぱられていく。
sanaの考えそうな視点というか、僕は考えたこともない不可思議な疑問に苦笑するけれど、sana的には「僕がその時のことを覚えてない」のは理解に苦しむようで。「覚えていない」を分析したい、と言うところだろう
「まず一番は視覚・・・聴覚もそうかな、sanaの声や身体・・・。五感の中でいくと、視覚優位で記憶に残るのかもしれないね。・・・だから言ってるのに、時々写真とか動画を送って、って」
「もうっ、またそっちへ話を持っていく!。じゃあ・・・それなら、私を見て私を気持ちよくしてる時のことは覚えてるってこと?逆に雅治が気持ち良くなり始めたあたりから覚えてないとか??」