高中正義さんの記事を懲りずに書いています。
書けば書くほど、この高中さんの何が自分の中で響いたのか、、どうしてここまで支持されたのか、、
そんなことがすごく明確になりますね。
あの「虹伝説」から40年、今年もう一度あの日本武道館でソロコンサートを実現。
今時、ギターインストで武道館って本当に凄いです。
なんか本当にギターヒーローって感じがするんですね。
思えばこの当時、’70年代後半から’80年代にかけて、、海外でのジャズ・フュージョンブームの影響で日本でも多くのギタリストがソロアルバムを出していたけれど、、
大村憲司、渡辺香津美、山岸潤史、、皆さん凄いと思いますが、高中さんは複雑な演奏技術や難解なコードよりも、どちらかと言えばポップスのメロディをシンガーの替わりにギタリストがやっている、そんな感じで普段、ジャズやインストの音楽に関心がないリスナーの心にも響く音楽を創った、、。
そこがやっぱり違うんですね。きっと。
その背景にはキティレコードの多賀英典氏の影響もあったと思いますが。
何と言ってもあの井上陽水の「心もよう」、「氷の世界」をプロデュースした人なので。
だからあの日本武道館でもコンサートが実現。
「Super Takanaka Live」1980
これもオリジナルレコードが実家の屋根裏部屋にありました。
CDだと分かりにくいけど、レコードサイズでこのアルバムジャケットを見ると本当にカッコいいです。
今時の若い世代の人からしたら、なんだこのヒゲのおっさん、、と思うかも知れないけど 笑 個人的にはなんかジャケットからして凄いなって感心してました。
この当時、すっかり定番になったYAMAHA SGを高めの位置に構えて、コンプレッサーのオレンジスクイーザーをジャックに差し、オールバックの髪型にブルーのスーツ、、さすが武道館で気合が入っていますね。
先日お話しした高中さんプロデュース、井上陽水「スニーカーダンサー」のコンサートツアーとジョイント。
ダブルヘッドライナーでのコンサートだった訳ですが。
演奏曲は主に前作「Jolly Jive」からが中心でした。
演奏内容はかなり激しめかな。非常に熱量を感じるグルーブです。
正直なところ、ちょっと全体的に前のめりになり過ぎかな、、とか微妙にパートごとの演奏がズレているんじゃ、、とか思うところはありました。
でも本当にそれぞれのプレイヤーが白熱して演奏している様子が伝わってきます。
だって見た目はオッサンみたいって思ったけど、この時で高中さんもまだ25〜6歳くらいでバンドのメンバーもほとんどが20代の若い世代な訳です。
今の高中さんの落ち着いた、良い意味で貫禄ある演奏も好きですが、この時の勢いって今は無いなぁ、、って寂しい気持ちにもなりますね。
そして、一曲目はおなじみ「Blue Lagoon」からスタートするんですがイントロがなんか変な感じ、、。
ラテンのアレンジではなく、シンセサイザーのコードが音は外れてないけどオリジナルと違う感じのコード感!
このことをずっと不思議に思っていました。初めて聴いた高校生の頃から。
それで、、2014年に発売された「Studio Takanaka Live」のインタビューで高中さんがおっしゃっていたのですが、シンセサイザー、キーボードの小林和泉さんがコードを間違えてたそうです。
長年の謎が解けた!
オリジナルと比較すると、確かに違和感はあるけど別に不協和音ってわけでもなく、いいもんですよ^ ^
だからこの後から、このアレンジで「Blue Lagoon」やる時はシンセサイザーのコードは大体このオリジナルと違う雰囲気のもので演奏されてます。
本当にいい意味で勢いがあって、聴いていてワクワクしてくるし高中さんのコンプレッサーがかかったドライブサウンドが最高な1枚です。
「T-Wave」 1980
オリジナル作品だと「Jolly Jive」に続くオリジナル6枚目。
このアルバムは、「Jolly jive」と比べてみたら更に完成度が高まった感じがします。
「Jolly Jive」で当時の新しく集まったバンドメンバーで結束が固まり、更には「Blue Lagoon」のヒットによる手答えもあり、演奏面、バンドのグルーヴ、アンサンブル、そして楽曲の方向性で結構イメージが湧いてきていたから出来た作品って印象があります。
「Jolly Jive」と比べて色んな楽器のソロパートが長くなり、遊び心も感じられ小慣れた雰囲気が伝わりますね。
Jeff Beckの作品でいうと「Bolw By Blow」が「Jolly Jive」、本作がさらに発展した「Wired」みたいな印象を受けるんですが。
どれも捨て曲がなくさらには夏の海、リゾートの雰囲気も感じさせてくれる名盤だと思います。
世間一般の「日本の夏=高中正義」というイメージが一番わかりやすく伝わるアルバムなのでは。
山下達郎と並んで、当時の日本人にラジカセを海に持ち出しさせた存在、、などと言われてますが、本当にそうだと思います。
但し先日、「40年目の渚伝説」コンサート時のインタビューでご本人がこのアルバムを振り返っていてこのアルバムに関しては
「音はいいけど、ジャケットが最悪!」
って仰っていましたね。実はこの写真は都内で撮影されたらしいですが、オープンカーの外車に金髪のおねぇちゃんって何やねん、、ってことらしく 笑
確かに僕もこの音のイメージなら前作「Jolly Jive」か同じ時期の作品なら山下達郎の「For You」みたいな感じが良いよなぁ、、ってそしたらもっとシティポップの名盤になってたかもね。
「Finger Dancin' 」1980
この時期の高中さんは「Jolly Jive」から続けてこのシングル版まで約1年間で4枚もの作品を発表されています!
凄いよなぁ、、それもインストアーティストでそこまで需要があるって。
いつも思うのですが、ベンチャーズみたいな’60年代のインストものをさらに進化させて、この時代のCasiopeaや渡辺香津美よりも分かりやすさせて、、
多くの人がこんなインスト音楽あったらなぁ、、って思っていたものを形にしている感じがしますね。
このアルバムではギタープレイもバンドのグルーヴもさらにタイトになった感じが。
サウンド面でもストリングスがどの曲も入っていて、ゴージャスですね。
そしてこの作品はこれまでのものと違い、海の香りが全然しない異色なものになりました。
僕が高中正義さん初体験になったのは中学生の時に父親が何処かから買ってきた「Go-On」というベスト盤のCD。
主にキティレコード時代の作品が収録されてますが、そのアルバムはこの「Finger Dancin'」の楽曲が全てCDに収録された初の作品、というセールスポイントもあったのだとか。
当時、この「Finger Dancin'」の存在を知った時、例の如くこれも屋根裏部屋にあった 笑
確かに当時「Go-On」を聴いてみてこのアルバムの曲は全部収録されてるなって思ってました。
コンプレッサーのかかったギターのカッティングサウンド、ディレイのかかった伸びやかなディストーションサウンドこれは個人的に今でもギターを弾くとくに指標としている音なんですね。
このミニアルバム収録曲の中でも特に好きなのが、M4の「Hart Ache」です。
今、聴いていてもどうやってこの曲が出来たんだろうっていう不思議な雰囲気の曲なんです。
この後の「Ocean Breeze」っていうライブ盤にも収録されていてそれもめちゃ聴いてた。
この曲とタイトルナンバーの「Finger Dncin'」はギターでめちゃコピーしていた思い出の曲です。
これは有名なエピソードなんですが、この当時の高中さんは人気過ぎてスケジュール的にも多忙を極めTV出演、など仕事のあまりの多さにストレスを感じて、仕事をすっぽかしグアムに逃避行、、ってなるそうですね 笑
その経由もあって名作「虹伝説」が誕生するのですが、、。
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