窯元(メーカー)であるカネ定製陶には、地元の商社さん(産地問屋)さんが


毎日来社される。先日もある新しいお客様が


「出荷はどのようにしているのですか?」と問われた。


「地元のお客さんが毎日、来社されて欲しいものを買っていかれますよ」と


伝えると「へぇ~、面白い仕組みですね」と言われた。


確かに自分自身、別の業界から実家の家業に戻ってびっくりしたことの一つだった。


今では当たり前になってしまったが、よく考えてみるとおかしい。


通常、お客様の手元に納品するのが出荷する側である。


他の産地はどのようなシステムか知らないが、


美濃では当たり前である。考えてみると、


1.その昔は、窯を焼くのが仕事であり、その作業に追われ納品までできなかった。


2.製品の特性上、割れやすい。そのため、消費地へ運ぶ際には梱包を厳重にするが

  産地内で移動させる際には、簡易の梱包で済ませてしまう。産地問屋さんまでの

  移動で割れるというロスが多かった。そこで、引渡しの位置をお客様の手元でなく、

  「土間渡し」と呼ばれる窯元での引き渡しに変えてしまった。


3.2の理由に関連するが、昔は窯元の立場の方が問屋より強かった。そこで、

  不利な先方での引渡しではなく、都合のよい窯元側での引き渡しにしてしまった。


4.支払い等、取引条件により窯元での引渡しを問屋側は受け入れざるを得なかった。

  (現金による買い付けではなく、今で言う手形の決済が多かった など)


このような理由であろうか?事実はどうだろう、聞いてみることにする。


メーカーとしては、ありがたいシステムだが旧来の体制である。


そんなことが沢山ある。紹介や意見を求めて今後も書いていこうと思う。