11月12日、Zepp Osaka Baysideであった「鈴木愛理 LIVE PARTY No Live,No Life??」夜公演に行ってきました。東京の初日に行けなかったので、この日の大阪が初見でした。


20周年を振り返る今回のライブを行うにあたって「どのタイミングで見つけてくれたファンも取り残さない」との愛理ちゃんの考えから、事前にセットリストが一部解禁されていましたが、このレポは全てを書いてしまいましたので、以下、ネタバレ注意です。

今回、諸事情により少し遅れて入場すると、ステージのセンターでピンクの衣装を着た愛理ちゃんが、愛理バンドの演奏で「桜チラリ」を歌っていました。ステージ後方のスクリーンにはMVが流れ、メジャーデビュー当時のまだ幼い℃-uteメンバーが映っています。「ロッタラ ロッタラ」(Buono!)、「涙の色」(℃-ute)と曲が展開し、徐々に気持ちが上がっていきました。
「MY BOY」では「オイ!オイ!」の掛け声が音源に入っていました。「ライブ空間で聞く楽曲にはいつもみなさんの声が入っていて、それで完成していた」と言う愛理ちゃん、℃-uteとBuono!のラストライブから観客の声を抽出して使っているとの紹介がありました。この後の曲でも、これが随所で効果的に使われていました。
この20周年メドレーが今回のライブツアー最大の特徴になっており、メドレー(1)が2002年〜2009年、メドレー(2)が2010年~2014年、メドレー(3)が2015年~2022年の3パートに分けて披露されます。「他にもやりたい曲がいっぱいあったのを省いて省いて、厳選した」選曲とのことです。

メドレー(2)は2010年の「SHOCK!」から。MCで愛理ちゃんが「転換期になった」と言い、℃-uteのメンバーが5人になり、サプライズでメンバーカラーが変更になり、「SHOCK!」がリリースされた話に。当時のファンの戸惑いや愛理ちゃん自身の葛藤が語られたうえで「解散する頃には、それも乗り越えて、最後にはSSAで歌うことが出来た」と言っていました。
自分的には℃-uteを見つけて、愛理ちゃんのファンになったのがこの時期。むしろ、よみうりランドEASTのイベント動画や「SHOCK!」のMVを見て愛理ちゃんに惹かれたので、初期からのファンのみなさんからすると、少し変わり種かもしれません。
途中の「初恋サイダー」では、イッフィーさんがギターでコードを鳴らすのに続いて「ここで来るの、何の曲かわかる?」と観客に声をかける愛理ちゃんらしい演出。

メドレー(3)になると、完成したカッコいい℃-uteが見られます。そして、徐々に解散に向かっていくように見えて、切なくなってきます。Buono!も知る人ぞ知る存在になって、久しぶりにリリースした「ソラシド〜ねえねえ〜」が入っています。快調に歌っていた愛理ちゃんですが、「忘れないで」のハイトーンで声が裏返ってしまい、「やっちゃった」という感じの照れ笑いが見られたので、ファンとしては妙に得をした気分でした。
℃-uteの解散以来封印していた「ファイナルスコール」や「To Tomorrow」も入っていて、その後、この5年間のソロの楽曲に入っていきます。ソロデビューアルバムのリード曲「DISTANCE」から始まり、メドレーの締めくくりは「DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理」でした。
音楽は記憶と結びついていることが多く、特にこういう振り返りの演出だと、さらに当時の記憶や感情を思い出すきっかけになります。ボリュームたっぷりのメドレーは、何か高速のタイムマシーンに乗った感じでした(ちょうど、この会場はUSJの近くです)。
アレンジのカッコ良さも含めた愛理バンド安定の上手さ(Keyのクラーキーさんはコロナ感染で欠席)、MVをセンス良く繋いだ動画から伝わってくるスタッフの愛情と意気込み、そして、一人でこれを歌い切る愛理ちゃん、どれもが凄い20周年メドレーでした。

メドレー以外のソロ曲もいずれも充実したパフォーマンスでした。「Pink Shadow」はメロウに、「見る目ないなぁ」はエモーショナルに歌い上げます。
ハロプロ時代は「毎回、同じパフォーマンスをしなければ」という完璧主義のようなものがあったところ、「見る目ないなぁ」のように「その日の自分の感情のままに歌うことを覚えたのがソロになってからなので、歌える曲のジャンルが増えてきたと感じます。歌うことの楽しさは奥が深くて、知らないことの方が多いなぁと思います。いろんな曲を受け取ってもらえてたらいいなと思いました」と言う愛理ちゃん。
その後も、「ハートはお手上げ」はキュートに、「空は二度燃える」はドラマチックに、どんな曲でも自在に表現する歌声はさすがです。

「20年間、お仕事といろんなことを両立するのは大変だったでしょうと言われるけれど、8歳から始めたので、もはやお仕事というより生活の一部」と言う愛理ちゃん。「いろんなお仕事をさせてもらって、全部が好きだけど、応援してくれる方の顔を見られるのが歌なので、20年目を迎えて歌が好きだなと思えている自分や、そう思わせてくれているのがみなさんだということが、うれしい。私の歌を聴いて、明日から頑張ってみよう、もう一日生きてみようって、そういうコメントをもらった時に、自分がステージに立つ意味はこれだなと思いました」と語りました。
「20周年で終わりじゃなく通過点として、これからも歌を通してみなさんと一緒の時間を過ごしていきたい。歌を通して背中を押しているよという、この歌を届けます」と「IDENTITY」を、「これからも一緒に歴史を作っていこう!」の言葉とともに「STORY」を歌い、そして最後は「BABY!WE CAN DO IT!」で盛り上げて、本編を締めくくりました。

「Be Brave」から始まったアンコール、「20周年の感謝の気持ち、受け取ってもらえてるでしょうか?」の問いかけに、客席から拍手が起こります。
「記念日を重めに大切にする」という愛理ちゃん、20周年記念に誰より熱量があって、最初に「こういうことをやりたい」と言ったら、打ち合わせでスタッフさんの「白目が大きくなった」とのこと。「このセットリストこそ、声が出せる環境でやりたいと思わない?」という問いかけに、さらに拍手が起こります。
「これからも、あいりまにあに対しては重めの愛を送っていくので、明日からもよろしくお願いします。この広い世界の中で私のことを見つけてくれて、ありがとうの思いを込めて、みなさんに送りたいと思います」と述べて、ラストナンバーとなる「光」を披露。
エンディングで、クラーキーさんを含めてバンドメンバーを紹介し、最後は笑顔で客席に手を振ってライブを締めくくりました。
中身がギッシリ詰まっているのにあっという間の、とても幸せな感動に満たされるライブでした。

セットリスト
オープニングVTR
1.噂のホクロ
MC
*20周年メドレー(1)
2.がんばっちゃえ!(モーニング娘。とハロー!プロジェクト・キッズ+後藤真希)
3.げんき印の大盛りソング(ミニモニ。と高橋愛+4KIDS)
4.FIRST KISS(あぁ!)
5.好きになっちゃいけない人(田中れいな・村上愛・鈴木愛理)
6.わっきゃない(Z)(℃-ute)
7.まっさらブルージーンズ(℃-ute)
8.大きな愛でもてなして(℃-ute)
9.ホントのじぶん(Buono!)
10.桜チラリ(℃-ute)
11.ロッタラ ロッタラ(Buono!)
12.涙の色(℃-ute)
 13.Bye Bye Bye!(℃-ute)
 14.MY BOY(Buono!)
MC
15.Pink Shadow
16.見る目ないなぁ
MC
*20周年メドレー(2)
17.SHOCK! (℃-ute)
18.キャンパスライフ〜生まれて来てよかった〜(℃-ute)
19.Danceでバコーン! (℃-ute)
20.JUICY HE@RT(Buono!)
21.Kiss me 愛してる(℃-ute)
22.夏ダカラ! (Buono!)
23.君は自転車 私は電車で帰宅(℃-ute)
24.初恋サイダー(Buono!)
25.超HAPPY SONG(Berryz工房×℃-ute)
26.悲しき雨降り(℃-ute)
27.レディーマーメイド(ダイヤレディー)
28.愛ってもっと斬新(℃-ute)
29.Love take it all(℃-ute)
30.心の叫びを歌にしてみた(℃-ute)
31.ハートはお手上げ
MC
32.空は二度燃える
MC
*20周年メドレー(2)
 33.嵐を起こすんだ Exciting Fight! (℃-ute)
 34.我武者LIFE(℃-ute)
 35.ソラシド〜ねえねえ〜(Buono!)
 36.人生はSTEP! (℃-ute)
 37.Summer Wind(℃-ute)
 38.夢幻クライマックス(℃-ute)
 39.ファイナルスコール(℃-ute)
 40.To Tomorrow(℃-ute)
 41.DISTANCE
 42.Escape
 43.Let The Show Begin
44.No Live, No Life
 45.DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理
MC
46.IDENTITY
47.STORY
48.BABY!WE CAN DO IT!
ENC
1.Be Brave
MC
2.光
エンディング