雲南TRIP 2010 日記編⑨LAST
昆明のホテルで目覚める。
夜の飛行機で出発するので、今日が雲南省最後の日だ。
とりあえず最上階の展望レストランに朝食のビュッフェを食べに行く。
が、朝食の味はいまひとつ。
あぁ、大理のカフェの朝食は美味しかったなぁと思いながら、シリアルを食べる。
食事の後、部屋に戻り二度寝。
チェックアウト時間の12時にようやく部屋を出た。
今日は18時30分に空港に向けて出発しようと思っていたので、
それまでどうやってこの埃だらけの街で時間をつぶそうか昨日から考えていた。
そして、昆明の5つ星ホテルのラウンジを回り、お茶をして過ごすことに決定。
まずは翠湖賓館向かう。
湖の近くに立つ豪華な佇まいのホテルで、
1階のロビーと2階の回廊がラウンジになっている。
2階に上がり、ソファーに腰掛けコーヒーと和菓子を注文。
予想通り、高級ホテルのラウンジは居心地がいい。
1時間ほど読書をして過ごす。
次に君楽酒店という5つ星ホテルへ移動。
5つ星にしては随分と敷居が低い感じだが、
ラフな服装で入れるのでそれはそれでよかったりもする。
こちらは1階にカフェがあるので、ここで食事をすることに。
約900円のパスタのセットを注文。
想像通り麺は茹ですぎて太かったが、ソースはまあまあおいしかった。
しかし、改めて日本のイタリアンはレベルが高いのではないかと思ってしまう。
次に行ったのは佳華広場酒店。
こちらも5つ星となっているが、わりと敷居が低い。
もはや昆明の5つ星の基準が分からなくなるが、
ラウンジに座り心地のよさそうなソファーがあるので、
ここでお茶をしながら読書する。
そうこうしているうちに夕方になったので、
錦江大酒店にリュックをピックアップしに戻り、
タクシーで昆明国際空港へと向かった。
チェックインを済ませ、出国し、ボディチェックを受け、飛行機に搭乗する。
飛行機は離陸すると、あっという間に昆明を離れ、空の世界へと吸い込まれていった。
そして10日間の旅行は終わった。
★ ★ ★ ★ ★
シャングリラ、麗江束河古鎮、大理古城。
本当にいい場所だった。
世界には居心地のいい場所がたくさんあるということを再確認した。
世界にはやさしい人たちがたくさんいるということも再確認できた。
人生が一度しかないと思うと、改めて、もっと旅行に行かねばもったいないなと思った。
終。
雲南TRIP 2010 日記編⑧
大理最後の朝。
昨日の夜パッキングを終えたリュックを背負い、ホテルを出た。
まだ人通りの少ない朝の洋人街のカフェで、大理古城での最後のご飯を食べる。
これが昨日の朝食に引き続き大当たり!
タマネギとトマトの炒め物をオムライスのように玉子焼きで包んだ料理がうまかった。
ドリンク付きで約300円!いい街だ…。
もう思い残すこともなく、昆明へと向かうツーリストバスに乗り込む。
大理下関から昆明までは高速道路が延びており、
快適なスピードでバスは進んでいく。
午後2時、昆明に到着。
埃と騒音に驚かされながらも、どうにかホテルに到着。
初日に泊まった4つ星の錦江大酒店である。
部屋に着き、少し休憩をした後、昆明会堂という劇場に行った。
この劇場で毎晩8時から行われている舞踊ショー『雲南映像』の当日券を購入する。
この『雲南映像』とは、世界的に有名な舞踏家ヤンリーピン(楊麗萍)が監修した、
雲南省の少数民族の若者たちによる壮大なダンスパフォーマンスショーである。
ちなみにヤンリーピン自身も大理の白族出身だ。
今年の3月に渋谷・BUNKAMURAでこのショーの日本公演『シャングリラ』を見て、
感激してしまい、昆明では絶対に見ようと思っていた。
残席はわずかだったが、前から5列目の席がとれた。
約3800円と、この地域の物価から考えるとけっこうな金額である。
その後、昆明の中心にある繁華街まで歩いて行った。
大きなショッピングセンターが立ち並び、街は多くの人であふれかえっていた。
マクドナルドや、KFCや、ハーゲンダッツなどの馴染みのあるファストフード店もある。
スタバなどのコーヒーチェーンはない。
しかし、少し歩いただけで疲れてしまい、
ショッピングセンターのレストランで食事を済ませると私はタクシーでホテルへ戻った。
埃っぽい空気のせいで、外にいるだけで目が痛くなった。
ホテルの静かな部屋に帰りほっとする。
1時間ほど休憩した後、再びタクシーで昆明会堂へ向かう。
開演30分前に到着した。ロビーにある売店で、
『雲南映像』のメイキングDVDを購入。
席に着き、待望のショーが始まる。
ステージに吊るされた銅鑼が反転し、銅鑼の裏側から男が現れ、
おもむろに銅鑼をたたくところからショーが始まる。
次々とエモーショナルなダンスパフォーマンスが繰り広げられていく。
が、東京公演の時のような全身に鳥肌が立つような感動がない。
いくつか東京公演と異なる点に気づいた。
まずは音響設備が違った。
BUNKAMURAでは巨大なスピーカーから非常にダイナミックな音が出ていたが、
それに比べると音の質も大きさもずいぶん弱々しく感じた。
建物の造りの問題だと思うが、音の反響も少なく、発生した音は余韻を残すことなく、
すぐに消えていった。
それから、ダンサーが違った。
東京公演で踊っていたリードダンサーがいなかった。
そしてヤンリーピンが踊っていたソロダンスの『月光』と『孔雀之精』は、
ヤンウーという別のダンサーが踊っていた。
そしてもう一つ、客のマナーが悪かった。
撮影禁止だと再三事前に注意が出ているのにも関わらず、フラッシュをたいて撮影する客が多く、極めつけは携帯電話ででかい声で話し始める輩まででてくる始末。
そんなわけで感動のレベルは東京公演の『シャングリラ』には到底及ばなかったのだが、
雲南を旅行した後に見たため、
雲南の要素がダンスに凝縮されているのを感じることができた気がした。
つづく。
雲南TRIP 2010 日記編⑦
大理3日目の朝がきた。
おいしくないホテルのビュッフェには行かず、
昨日の夜にお茶をした『Clare’s cafe』でアメリカンブレックファストを注文する。
愛想のいい店の女の子が、プレートに乗った朝食を運んできた。
うまそう!と思って食べたらこれが本当にうまい!
おいしい朝食のおかげで、やる気が出てきた。
食べ物の味が人間のモチベーションに大きな影響を与えることを再確認。
古城を出てバスで19km北にある喜州という街に出かけることにした。
バスを下りると3輪バイクタクシーのおじさんが声をかけてきたので、
街の中心まで乗せてもらう。
ニコニコ顔のおじさんの名前は老楊さん。
頂いた名刺におじさんのブログのURLがあったので載せておきます。
大理・喜州に行かれたら、ぜひ楊おじさんをご指名ください。
http://
楊おじさんが街の中をいろいろ案内してくれるようなので、ついていくことにする。
まずは市場へ。
楊おじさんが馴染みの人たちに和やかに話かけたり、話しかけられたりするので、
一緒に歩いていると、まるでNHKの『世界ふれあい街歩き』の気分だ。
市場を過ぎて通りを歩いて行くと、湖南文理学院の女の子たちに会い、
今度は私が話しかけられた。
リアル『世界ふれあい街歩き』を体感。
楊おじさんは、馴染みの家なのか、民家のなかに入っていく。
お婆さんがほほ笑んでいる。子どもたちが軒先で算数の勉強をしている。
門から一度街の外に出て、街の外周を歩き、再び街の中へと入る。
その後屋台が集まっている場所に出たので、そこで名物の喜州[米巴][米巴]を頂く。
隣の椅子に腰かけた楊おじさんは地元の麺料理を食べている。
近くで自転車整備をしているおじさんもいい笑顔だ。
おやつタイムを終え、地元の大きな屋敷へと入る。
ここでは入場料50元(約600円)を払って
白族の舞踊ショーを見るのが定番の楽しみ方らしい。
特に面白いショーではなかったが、踊り子の中に綾瀬はるか似の女の子を発見。
この後、楊おじさんに、近くの桃源という村に3輪バイクで連れて行ってもらう。
ここから洱海を眺め、遊覧船で湖をクルーズすることもできるが、湖だけ眺めることにした。
路上ではお婆さんたちが果物を売っている。
楊おじさんが梨を買って、ナイフで剥いてくれたので頂いた。
その後周城という村に行き、市場などを見て回る。
一通り散策をした後、楊おじさんにガイド料を払い、
バスで大理古城に帰ることにした。
終始笑顔のいいおじさんだった。謝謝。
古城に帰り、洋人街の『Kaiyi’s kitchen』の通りに面した席で食事をしていたら、
湖南文理学院のワンファンとマーニンが歩いてきたので声をかける。
彼女たちもただ散策をしていただけで暇をしていたようで、
一緒に席に着きコーヒーを注文する。
食事の後に、一緒に古城のメインストリートである復興路を散策したり、
五華楼という塔に登って街を眺めたりした。
その後、みんなで洋人街のバーに飲みに行ったりしてたら、
気がつけばいい時間になっていた。
ワンファンたちと別れ、宿へと帰る。
ぼんやり過ごしていた大理も明日の朝には出発かと思うと、
少し寂しい気もしてくる。
旅行ももう終盤に入っている。来週からはまた仕事が始まってしまう。
少しアンニュイな気持ちになりつつも、快適な気候のせいか深い眠りについた。
雲南TRIP 2010 日記編⑥
大理2日目の朝。
たっぷり寝たはずだが、気だるい気分で起きる。
日本から昆明に来て、そこからシャングリラ、麗江という魅力的な街に滞在した後に、大理に到着した。
もう色々なことに満足してしまったせいか、行動欲が出ない。
ホテルの朝食のおいしくもないビュッフェを少しだけ食べた後、
古城から3kmほど離れたところにある三塔寺に行った。
3つの塔が並ぶ大理の詩的風景である。
2時間ほど滞在した後に、大理古城へ戻り早めのランチをとることに。
洋人街の中心にある『Kaiyi’s kitchen』の2階席でポークステーキを食べる。
この店は、昨日の夜、斜向かいの『Ice Island』というカフェで食事をしながら眺めていたら、
欧米人の客でたいへん賑わっていたので美味しいに違いないと思っていた。
予感は的中した。
このスパイシーなステーキがなかなかおいしい。
付け合わせのポテトと野菜のソテーも美味!
ドリンクと合わせて500円くらいだったが、リーズナブルでよい食事だった。
その後近くのカフェでお茶。
お茶をしていたら、眠くなってきたのでホテルに帰って昼寝した。
目が覚めると夕方で、寝ていただけなのに腹が減ってきた。
外に出ると、洋人街の入口で湖南文理学院の学生の女の子たちに会った。
シャングリラでも麗江でも話していなかったが、お互い顔は覚えていたので、
立ち止まって、通じない会話をする。
言葉によるコミュニケーションが成り立っていないのに、
いいコミュニケーションがとれた気がするから不思議だ。
『Yunnan Cafe』というレストランに入る。
ポテトクリームスープと、ステーキ&フライドライスを注文。
ここはポテトクリームスープがとても濃厚でおいしかった。
スープというよりはクリームシチューそのもので、パンにつけながら食べたらさらにおいしそうだった。
その後、昼間食事をした『Kaiyi’s kitchen』の真向かいにある『Clare’s cafe』の2階でお茶をする。
わりと大理のカフェはお店のひとの愛想がないことが多いことが分かってきたが、
この店は店員の愛想もよく、なにがおすすめかをきちんと教えてくれたりもする温かい店だ。
その後、夜の古城をふらふらと散策していたが、
特にすることも思いつかないので宿に戻り早々にシャワーを浴びて寝た。
食事とお茶と散歩しかしていない、だるだるの1日が終わった。
雲南TRIP 2010 日記編⑤
朝起きて出発のためにパッキングを済ませた。
昨日の夜、Shingさんにリノベーション中のゲストハウスを見せてもらう約束をしていたので、
8時に宿の中庭で落ち合って、歩いて10分ほどの現場へと向かった。
現場は束河古鎮のなかでも、特に山に近い場所にあった。
「ここの建物を広げて客室にして、裏には庭を造るんだ。で、こっち側にはガラス張りのカフェを造る。ここは豚小屋だった場所だけど、ラウンジのような場所にするつもりで、裏側にある建物は私たちの家にするんだ。」
Shingさんがリノベーション中の建物のあちこちを指差しながら、説明をしてくれる。
宿の名前は『雲風客桟』にするのだという。
旅行者が風に流れる雲のように訪れては去っていくことをイメージしているとのこと。
宿に戻りShing夫妻と一緒に写真を撮った後、奥さんが作ってくれたオーツ麦のミルク粥を頂いた。
昨日の朝食べた米麺よりもうまい!
いろいろとお世話になったShing夫妻と、宿のおばさんにさよならを言い、私は束河古鎮を後にした。
麗江新市街にあるバスターミナルまでタクシーで行き、そこからバスで次の目的地・大理古城へと出発した。
大理古城近くのバス降り場で下車し、そこからワゴン型のタクシーをカナダ人の老夫婦に
シェアさせてもらってホテルへと向かった。
15時にホテルに着き、荷物を置いて、私は『菊屋』という日本食レストランに向かった。
旅行前、大理について調べていると、よくこの『菊屋』の情報が出てきた。
日本人バックパッカーに人気の日本料理店で、日本人の溜まり場になっている場所らしい。
「かつ丼がうまい」という情報を聞いていたので、楽しみだった。
また、読み終わった『悪人』上下巻を寄贈しようと思った。
『菊屋』はすぐに見つかり、さっそくかつ丼を注文。
待つこと10分。待望のかつ丼を頂きます!
もぐもぐ。もぐもぐ。
うん。別においしくないじゃないか(怒)
バックパッカーのグルメ情報はあてにならないらしい…。
とはいえお店の人は優しい笑顔のおばさんで、おばさんの笑顔に癒されました。
ただ、もう一工夫すれば絶対おいしいかつ丼になるので、だれか技術指導というか、
ちゃんとしたレシピを渡してやってくれるといいのだが、と思った。
大理はヒッピーに人気の街と言われているが、たしかに他の街とは違う居心地のよさが感じられた。
なぜかものすごい脱力感を感じる。これは旅の疲れだけではなさそうだ。
人を脱力的な気分にさせる力がこの城壁に囲まれた街にはあるようだ。
大理古城は都市的な観点から見ても面白い街だった。
南北に長いm1海と呼ばれる湖と、蒼山と呼ばれる南北に長い山脈の間に位置し、
街は緩やかなスロープのなかに造られている。
そのすべてが残っているわけではないが、正方形の城壁が街を囲っている。
東西南北に城門を持ち、そこから城壁の外へ出ると、完全に古城内とは別の空気が流れていることを感じる。
再び古城内に戻ってくると、まるで家の中に帰ってきたかのような安心感に包まれる。
蒼山は大理の人々の精神的な支えにもなっている山でもあるらしく、
清らかな水が蒼山から流れてきて、古城内を通り、洱海へとつながっていく。
山から海への気流が吹く場所は龍の道であり、風水的に縁起がいいと聞いたことがある。
香港がまさにそのような地形なのだが、この大理古城もまた風水的によい気が流れる街なのかもしれない。
洋人街と呼ばれる大理の中心にある細い通りには、外国人向けのカフェ・レストランが並んでいる。
雲南TRIP 2010 日記編④
束河古鎮の外れの宿にて目覚める。
窓を開け、ひんやりと冷たい空気を取り入れる。
どこか懐かしいにおいがする。そう、この村のにおいは山形のそれに似ている。
身支度を整え散歩に出る。
まだ開いている店が少ないので、地元の米麺のお店で朝食を食べることに。
[米+巴][ 米+巴]という焼き菓子と、土鍋で作った米麺を注文。
どちらもこの地方の名物のようだ。
店のお婆さんが土鍋で熱いスープに入った麺を作ってくれている。
決してまずくはないのだが、大量には食べられない味だ。
量が多く半分程度食べて残してしまった。
今回の旅行は悲しすぎるくらいこのパターンが多い。
麺を作ってくれたお婆さんが「あら?もういいの?」という顔をしてくる。
これはまさにうちの婆さんと同じ表情だ。
婆さんごめんよ。これしか食べられなくて…。
せっかく作ってくれた料理を食べ残すのが申し訳なくなり、
私はだんだん地元フードに挑戦しなくなっていくのであった。
この後、乗り合いタクシーで白沙古鎮へと向かった。
この村も麗江世界遺産のひとつであるが、束河古鎮以上に観光化されていない村だ。
天気が悪く、ちょっと陰気な雰囲気さえ漂っている。
麗江古城はさすがに規模が大きい。いかにも観光名所へ来たという感がいなめない。
そういえば麗江に行った人からはあまりいい話を聞かなかった。
みんな声を揃えて「テーマパークみたいだ」という。
たしかに「テーマパーク」みたいだ。
だけど、いやなテーマパークではない。いいテーマパークだ。
街のあちこちには水路が流れており、
水路沿いに立つ店は、橋を渡って店の入口へ入る仕組みになっていたりして面白い。
特にカフェから眺める外の景色がいい。
まずは水路沿いのカフェから外を眺める。
次に中心広場である四方街に面したカフェで休憩。
坂の途中のカフェでまた休憩。
そしてまた、水路沿いのカフェで休憩。
麗江古城の楽しみ方は、いいロケーションのカフェでくつろぐことにあると思った。
雨に濡れる柳を眺めながら飲むコーヒーも、なかなか侘び寂びがあってよい。
束河古鎮に帰り、『MAMMAMIA』で夕食を食べる。
この店も水辺に面していていいロケーションだ。ステーキがおいしかった。
オーナーはイタリア人のディエゴさんというお兄さん。
3年前からここ束河古鎮で店を出しているとのこと。
昆明でもバーを経営してるから、昆明に帰ったらぜひ寄ってみてと、お店のカードをくれた。
その後、宿の近くのカフェで龍井茶を飲みながらまったりする。
ここも木造のいい感じの建物だ。
背の高い欧米人のモデルを座らせて、
ここで写真を撮ったらかなりカッコイイ画になりそうだ。
こうしてお茶ばかりをし続けた世界遺産でのゆるい1日が終わった。
つづく。
雲南TRIP 2010 日記編③
私は朝しゃきっと起き、朝食を食べ、荷物をまとめてシャングリラから麗江へと出発した。
標高3300mから2400mまで、バスは山道を下りながら進んでいく。
途中、雪を湛えた大きな山が見えた。
隣の席でコンパクトデジカメで写真を撮りまくっている中国人のおじさんが、
「(あれが)玉龍雪山(ユーロンシーシャン)(だよ)」と教えてくれた。
14時30分。
麗江の新市街のバスターミナルに到着し、
そこから乗り合いタクシーにて束河古鎮へと向かう。
麗江は麗江古城とそこから4km離れた束河古鎮、12km離れた白沙古鎮の3カ所を合わせて世界遺産に登録されている。
いずれも古い街並みが残る場所だが、規模が大きく観光地化されすぎてしまった麗江古城と、寂れた雰囲気の白沙古鎮のちょうど中間のバランスが取れた束河古鎮が最も居心地のよい場所ではないかと想像していた。
予想は的中。
適度な規模のおみやげ屋や、カフェ・レストランが並び、
路上で野菜や果物を売る人などもいて、地元の雰囲気もしっかりと残っている。
平和な雰囲気が漂っており、ちょうどいい規模の村に思えた。
宿へ向かう途中、シャングリラで会った学生たちのグループにすれ違った。
特にあまり会話を交わしていないグループの子たちだったが、笑顔で手をふってくれている。
初めて来た土地で、一度会っただけとはいえ、知っている顔に会えるのはなんだか嬉しい。
予約していた宿『江湖客桟』に到着。
宿のおばさんに「予約していた鈴木です」と伝えるが、まったく英語が通じない。
ちょっと待っててとジェスチャー交じりで伝えながら、別の英語を話せる女性を連れてきて、彼女に通訳をしてもらうことになり、ようやくチェックイン手続きが進む。
ちなみにその通訳をしてくれた女性は、
シンガポールから旦那さんと旅行に来ているご夫人で、とても親切な方であった。
無事に部屋に入ることができた。
小ぢんまりとした宿で、私が泊まる2階の部屋からは中庭が見下ろせる。
外の景色も伝統建築の屋根瓦などが見えていい雰囲気だ。
休憩した後、村を散策することにした。
村には観光用の馬車などがあり、古い街の雰囲気に溶け込んでいる。
この村には泉があり、そこから流れてくる水が水路を伝って、村のあちこちに流れている。
きれいな水で、人々はそこで野菜を洗ったり、洗濯をしたりしている。
とりあえず遅めの昼食を食べることに。
イタリア人が経営する『MAMMAMIA』というカフェのテラス席に座る。
ピザを注文。この店は間違いないだろうと思ったが、予想的中!うまい!
シャングリラではおいしいものにほとんど出会えなかったので、感動してしまった。
学生時代はアジアの田舎でピザを食べる欧米人の感覚が理解できなかったが、今はわかる。
その土地の料理でなく、ピザやステーキやスープなどが異様においしく感じたりする。
食後も村のあちこちを歩き回る。
ナシ族のトンパ文字を取り入れたかわいいデザインの小物入れ。
銀細工のアクセサリーが格安で売られている。
いい感じのカフェが並ぶ。
夜になり宿に帰ると、昼間通訳をしてくれた夫人が中庭の椅子に座っていた。
夫人に「さっきは助かりました」と話しかけると、
ちょうど旦那さんが出てきて晩御飯に誘ってくれた。
もちろん、ありがたく着いていくことに。
近くのレストランに入り、炒め物などをつまみながら、
旦那さんが持参してきた高そうなブランデーを頂く。
旦那さん(Shingさん)はもともと銀行で働いており、
ロンドンやシカゴなどに住んでいたこともあったらしい。
そして12年前にリタイアし、
シンガポールのチャイナタウンでアンティークショップを開いたのだそう。
そして今度は、この束河古鎮にゲストハウスを造っているところで、
来年の中ごろに完成するらしく、来年からはゲストハウスを経営しながら
のんびり暮らすということだった。
御歳61歳。カッコイイ人生である。
Shingさん夫妻に食事もごちそうになってしまい、ありがたい限りである。
お礼を言って別れた後、私は夜の散歩に出かけた。
昼間も雰囲気がよかったが、夜はさらにいい感じだ。
村のほとんどの建物が伝統様式を守っており、そこに柳などの自然が織り交ぜられている。
シャングリラの素朴な雰囲気もよかったが、
こちらはシャングリラよりおいしいものが出てくるのがうれしい。
散歩に満足し、私は電気毛布で温められた布団に入り眠った。
つづく。
雲南TRIP 2010 日記編②
シャングリラの宿にて朝を迎えた。
さすがは標高3300mだ。寒い。
電気毛布で温められたベッドからなかなか抜け出せない。
どうにか気合で起き上がり、身支度を整えた後、宿の朝食を食べに部屋を出る。
私以外の宿泊客はいないようで、食堂ではなくロビー的な空間で食べることに。
建物の造りが開放的なため、火鉢の木炭を燃やして暖をとるようになっている。
テーブルには円い穴が開けられ、
火鉢となる金属の皿がはめ込まれているという、面白い仕組みだ。
燃える木炭が発する遠赤外線効果でじんわりと体が温められる。
チベット名物のバター茶と、蒸しケーキのようなものが出てきた。
蒸しケーキを頂く。もぐもぐ。…うん。おいしくない。
続いてバター茶を頂く。
脂っこさと、しょっぱさと、独特の臭みがあり、こちらはさらにおいしくない。
1杯飲み干すのがやっとだった。
改めてテーブルの上を眺め、「こりゃ無理だな」と思った。
心の中で「ごめんなさい」といい、私は外に出てカフェで朝食をとることにした。
古城内を少し歩いたところに、外国人旅行者を意識したカフェを見つけた。
『ROSE'S CAFE』に入ることに。
30人程度が入れるかわいいカフェだ。
ソファとテーブルのBOX席が並び、奥はカウンターになっている。
ローシーズンのせいか客は1人もいない。
チベット人のお姉さんがひとりでやっているようだ。
バナナパンケーキとラテを頂く。が、正直あまりおいしくはない。
おみやげ屋を眺め、
路地を歩く。
他のカフェとは違い、こちらは民家をベースにしているようで、
しっかりとした壁に囲まれた閉鎖空間だ。
階段を上がったテラスにテーブルが並べられ、
静かな場所で日向ぼっこをしながらお茶が楽しめる。
また、テラスからは古城の中心の丘にあるチベット寺が眺められる。
ロケーション、建築ともに素敵である。
プーアル茶を頂く。サービスでつけてもらったクッキーもおいしい。
この店のオーナーは世話好きそうな台湾人の女性だったので、
明日向かう麗江へのバスチケットの買い方を聞いていたら、
隣の席に座っていたパキスタン人の男性も昆明行きの深夜バスのチケットを買うというので、カフェのスタッフの女の子にバスターミナルまで連れて行ってもらえることになった。
ちなみにこのカフェは1室だけ部屋を開放しており、彼はここの宿泊客だった。
パキスタン人のエクボ氏はいろいろな商品のバイヤーをしているらしく、
香港と深センに家を持っているらしい。
香港では携帯電話の販売をしており、店は尖沙咀の重慶マンションの1階にあるという。
自動車部品の売買もやっているらしく、日本にも時々来るらしい。
シャングリラにはカーペットの買い付けに来ているのだという。
たしかに商売人らしい強かさと、人懐こさを持っており、営業力が高そうなおじさんだ。
バスチケットを購入した後、エクボおじさんと別れ、カフェの女の子と別れた。
そして、私はシャングリラからロープウェイで簡単に登ることができる
標高4500mの石卡雪山に行くことにした。
郊外への観光地へと向かうワゴン車のドライバーに、
往復30元(375円)で連れて行ってもらえることになった。
助手席に乗り込みおじさんと山を目指す。
おじさんは私が山の上に行って戻ってくるまで、下で待っててくれるらしい。
なんとものんびりした商売だ。
ローシーズンだから古城に戻っても客が捕まらないのかもしれない。
もしくは、そもそもあくせく働く気概がないのかもしれない。
世の中にはいろいろなおじさんがいるのである。
だらだらと上がっていくロープウェイを2本乗り継ぎ、40分ほどかけて山頂駅に到着。
さすがは標高4500m。日差しがさらに強く、青空がさらに青くなった。
そして軽い高山病になったらしい。頭が痛い。若干だが、意識も少し遠のいている。
山頂付近からは梅里雪山や哈巴雪山、玉龍雪山など、
雲南のそうそうたるピークが見渡せる。
30分ほど山頂付近を散策した後、頭が痛いのでロープウェイで山を下りることにした。
ちなみに山頂はチベット仏教の聖域のようで、一般の観光客は入れないようになっている。
駐車場で笑顔で手を振りながら待っているおじさんの車に乗り込み古城へ帰った。
再び古城を散策し、今朝通りすがって気になっていたカフェへ入る。
『TARA GALLERY CAFÉ&BAR』
展示・販売しているギャラリーカフェで、とってもおしゃれ!
ラテとパンケーキを注文。うまそう!
しかし、残念ながらおいしくないのであった。
(パンケーキがなぜかクサイ!なぜ?なぜ?)
その後再びKARMA CAFÉに行き、ヤクのステーキを頂く。
こちらはなかなかおいしい!
しかし、カフェの猫親子が絶え間なく肉を狙ってくるので
皿を持って逃げまどいながら食べるのであった…。
夜行バスに乗るために出発するエクボおじさんを見送り、私も店を出る。
日が暮れたが、その後もカフェ巡りを続ける。
ライトアップされたマニ車を眺められるカフェでプーアル茶を飲み、
旦那さんはアメリカ人で弁護士だという上海の大学出の
美人なお姉さんがやっているカフェでココアとケーキを頂く。
『Black Pottery Coffee』
http://
その後、古城内唯一?のクラブ(というかディスコ)に出かける。
超アウェイだけどどうしようと思っていたが、みんなフレンドリーで馴染みやすい。
宿のスタッフの女の子(英語まったく通じない)も友達と遊びに来てたりする。
端っこの席でちびちびとビールを飲む白人男性の隣で飲む。
彼(クリストファーさん)はギリシャ出身で、北京にもう8年も住んでおり、
旅行添乗員の仕事をしているらしい。
北京語を話せるので、チベット人の若者たちとも笑い話をしたりしていてカッコイイ。
ビールを箱で注文して、みんなに奢ってくれる男気もカッコイイ!
しかし、途中からDJが音を止め、なぜかカラオケ大会みたいになってしまったので、
クリストファーさんにビールのお礼を言い、宿に帰ってシャワーを浴びて寝た。
就寝後1時間くらい経っただろうか。
深夜強烈な吐き気とともに目覚め、トイレに駆け込む。
オッ。オロオロオロ。Olooloolololo….。
旅行前にチベットに行ったことがある会社の上司に言われたことをふと思い出した。
「高地では予想以上に悪酔いするから気をつけてね」
時、すでに遅し。
嘔吐後も、鼻やのどに詰まった汚物を取り除ききれず、
気持ちの悪い呼吸をしたまま私は眠った。
つづく。
雲南TRIP 2010 日記編①
★ ★ ★ ★ ★
今回行ったメインの街は下記3カ所
●シャングリラ
標高3300mの高地にある、雲南省最大のチベット民族の街。
●麗江・束河古鎮
世界遺産の麗江古城から4km離れたナシ族の村。標高2400m。
●大理古城
標高2100m。かつてペー族の王国だった囲郭都市。
★ ★ ★ ★ ★
10月29日(金) 東京→昆明(ハノイ経由)
10月30日(土) 昆明→シャングリラ(飛行機1時間)
10月31日(日) シャングリラ
11月1日(月) シャングリラ→麗江・束河古鎮(バス4時間)
11月2日(火) 麗江・束河古鎮
11月3日(水) 麗江・束河古鎮→大理古城(バス4時間)
11月4日(木) 大理古城
11月5日(金) 大理古城
11月6日(土) 大理古城→昆明(バス5時間)
11月7日(日) 昆明→東京(ハノイ経由)
11月8日(月) 東京到着
★ ★ ★ ★ ★
◆1日目 (10/29 Fri)
昼に東京を出発し、ベトナム航空でハノイ経由で昆明へ向かった。
東京-ハノイ間も、ハノイ-昆明間もかなり空いていた。
成田で買った『悪人』上下巻をひたすら機内で読みふける。
昆明に到着したのは夜の19時頃。
薄暗い空港は外国人の数は少なく、ほとんどが中国人のように思われた。
4万円を人民元に両替し、タクシーに乗り、予約していた錦江大酒店に到着。
このホテルは1泊6000円程度でとれたが、
4つ星クラスだけあり、部屋の清潔さも設備も申し分ない。
部屋にはアクオスならぬ、アクロスという大型液晶テレビが置かれている。
荷物を置いて少し休んだ後、軽くゴハンでも食べようと思い外に出た。
ホテルは昆明駅の近くにあるが、このエリアは繁華街ではなく、
大通りがあるものの薄暗くて気持ちの悪い雰囲気が漂っている。
街灯の少ない大通りの歩道では、屋台ともいえないような、
ただ小さなBBQコンロのようなもので何かを焼いたり、
揚げたりしているものを売る人々が並んでいた。
排気ガスと埃が舞うなかで売られるその食べ物は、
得体のしれない不気味なものに思えた。
薄暗い通りでは、ひどい怪我を負った人や、皮膚病に侵されている人が、
座りながら、自分の目の前に置かれた洗面器にお金を入れてもらえるのを待っている。
中には顔が大きく変形している人もいる。
鼻周辺の皮膚がえぐれ、目は見えているのかいないのかわからない。
思わず顔をそむけたくなる光景だった。
かわいそう、などと思う余裕もなかった。
顔をそむけ、その場を早く通り過ぎたいと思うだけだった。
バンコクや香港などでも目にする風景だったが、
今まで見た中でも一番見ていられない不幸な風景だった。
なぜそうなってしまったのか?
そうなってしまった人をフォローする仕組みはないのか?
さまざまな疑問が湧いてくる。
私は結局なにも食べずにホテルに戻って、早々に寝た。
★ ★ ★ ★ ★
◆2日目 (10/30 Sat)
早朝5時。
私は7時20分のシャングリラ行きの飛行機に乗るために起きた。
まだ真っ暗な中チェックアウトを済ませ、これからNYに帰るという
シーメンスの営業マンにタクシーをシェアさせてもらって空港に着いた。
祥鵬航空という雲南省の格安航空会社の古い機材に乗り込み、
わずか1時間でシャングリラに到着。
東京の冬と同じくらい寒い。
タクシーに乗り、予約していた宿がある古城エリア(旧市街)へ向かう。
古い街並みが広がる古城内に宿はあった。
伝統的な建物の中へ入り、フロントでチェックインの手続きをする。
部屋の準備が整うまで、フロント横の長椅子に座りながら火鉢の前で暖をとる。
壁にはヤクの頭蓋骨が飾られていて、チベット文化圏に来たことを感じさせる。
緑あふれる中庭を囲むように部屋が配されており、ひとつの大きな家のようだ。
宿の中庭
中庭に面して置かれたソファ
街-宿-部屋。
この3要素がすべてひとつのテーマに基づいている一体感がいい。
古城の中の宿をとってよかったと思った。
宿を出て、近くのカフェで朝食を食べる。
古城内の建物はすべて伝統建築のため、カフェの雰囲気もとてもいい。
ットサンドとコーヒー。400円くらい。
カフェを出て、古城内を散策。
広場にはチベット仏教の仏塔が置かれている。
古城の中心にあるチベット寺院へと向かう。
この寺院は丘の上に立っており、ここから旧市街を見渡すことができる。
寺院の横には巨大なマニ車があり、古城のシンボルとなっている。
ちなみにマニ車とは、なかに経典が入った筒で、それを回すことで、経典を読んだことと同じ功徳が得られるという都合のいいシステムだ。
巨大マニ車
寺から見下ろす古城の風景
お寺の周りを歩いていると中国人の女の子たちが声をかけてきたので、
一緒に写真を撮ることに。
学校の旅行で2週間くらいで雲南の街を回っているとのこと。
麗江と大理に滞在する予定で、偶然にも私の日程と重なっていた。
彼女たちと別れ、四方街と呼ばれる広場に出た。
広場周辺にはお店が立ち並び楽しい雰囲気。
その後バスに乗り、松賛林寺という雲南省最大のチベット寺院へ。
チベットのラサにあるポタラ宮に似ていることから、小ポタラ宮とも称されている。
街のはずれにあり、この寺院を囲む形で僧侶たちの住む僧房がぎっしりとひしめいており、
この風景はなかなか圧巻である。
ローシーズンなのか、観光客がほとんどいないのもいい。
午後からは、先ほどの学生たちの他のグループと仲良くなり、
大型バスでナパ海に行くのに同行させてもらうことになった。
ちなみにナパ海とは、シャングリラ郊外に広がる草原で、
雨季には一帯が冠水するらしい。
ここでは草原のなかで乗馬をして遊べる。
その後、学生たちが、近くの村でBBQをやることになっており、
一緒に参加しないかというので、好意に甘えて混ぜてもらうことにした。
のどかな一本道を歩いていく。
50人くらいで近くの村の農家の家へ行った。
そしてそこの農家の親父がBBQの準備をしてくれるのだが、
なんとこのBBQ、羊を殺して、縄でぶら下げ、
さばいていくところから始まるのであった。
広い前庭で薪で火を起こし、大きな鍋に肉をぶち込んでいく。
そして一度茹でたものを、香辛料をふりながら焼いていくのであった。
仲良くなったワンファンとマーニンが骨付きの肉を持ってきてくれたが、
特にナイフやフォークや皿が用意されているわけではなく、
手で肉を剥ぎとって食べるようだった。
私が茫然と体育座りをしながら見ていると、
2人が肉を一口分にとっては私の口に入れてくれるので、
私はただただ体育座りをしたまま、
雛鳥のごとく運ばれてくる羊肉を食べていた。
ちなみに、素朴な味つけながらも、うまい羊肉だった。
こちらは脂がきつく、臭いもきつく飲み干すのに苦労した。
その後、白酒がふるまわれたり、
火を囲んでみんなで踊ったりと不思議楽しい夜が更けていった。
学生バスに揺られ、学生たちが泊まっている新市街のホテルの前で下車。
そこからタクシーを拾って私は旧市街を向かうのに、学生たちが笑顔で見送ってくれた。
私は今まで中国人はフレンドリーな人が少ないと思い込んでいたが、
そんなイメージが払拭された。
みんなとても親切で、日本人以上にやさしかった。
しかしながら、BBQではそれほど食指が伸びず、腹が減っていたので、
宿に帰る前に、宿の近くのカフェで軽く食事をすることにした。
隣のテーブルを見ると、仔犬がクッションを布団にして寝ている。
平和でいいカフェだ。
お店の人も東北地方のお年寄りのように温かい人たちである。
アップルパイを食べ、しばしまったりした後、宿へと帰った。
つづく。








































































































































