西城秀樹の回 で、キング・クリムゾンの話が出たので、今回はそのつづき。


ヒデキが件のアルバムで歌っていたのは、「エピタフ」。
衝撃のファースト・アルバム収録曲ですね。


基本的に、クリムゾンのアルバムは、どれも名盤だということに、疑う余地がないと思っています(70年代の作品ね)。
なかでも人気があるのは、『クリムゾン・キングの宮殿』、『太陽と戦慄』、『レッド』あたりでしょうか。


当時、緊張感みなぎる楽曲と、超絶的なテクニックで人気を博したグループですが、メンバーの変遷が激しく、デビュー時(1969年)~70年代中期までの間でも、ガラリと変わっていて、ファミリー・トゥリー(系譜図)も複雑に絡み合っています。


そんな中、唯一人中心に居続けた人物、ロバート・フリップ(g)。
クリムゾンは、もはや彼の音楽的構想を実現するためのグループだった、と表現しても過言ではないでしょう。


今でもクリムゾンを信奉するファンは根強く、度重なるオリジナル・アルバムや発掘ライヴの再発、現在も続くロバート・フリップのプロジェクト人気などにも、その盛況ぶりが伺えます。



さてさて、今回はクリムゾンの4作目『アイランド』(1971年発表)。

アイランド(紙ジャケット仕様)
¥2,450
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試聴はこちら で出来ます。


なぜか人気作ではなく、このアルバムが一番好きニコニコ

一般的には、どちらかというと、ジャケットも含め、地味な印象の作品かも。
でも、このアルバム、聴けば聴くほど味が出てくるんです。
全体を包み込む雰囲気は、暗く、重苦しいのですが、曲が進行するにつれ、何か解き放たれたような、一種の安堵感のようなものを感じさせてくれます。


このアルバムでのラインアップは、御大ロバート・フリップ(g)、ボズ(b・vo、後のボズ・バレル)、イアン・ウォレス(ds)、メル・コリンズ(sax、fl)、ピート・シンフィールド (words)。


ここで注目されるべきは、ピート・シンフィールド。

彼は、実質演奏には参加しない、歌詞担当者なんです(ライヴ時には照明・音響も兼任)。

初期クリムゾンの美麗かつ難解な歌詞は、クリムゾンのイメージを形作る上での重要なファクターであり、優れた作詞家、ピート・シンフィールドの存在は大きかったと考えられます(『アイランド』発表時脱退を表明)。



曲に関しては、一度聴いてみてください(←なんちゅうレヴューじゃDASH!)。


すべての楽曲は、相互に干渉し合いながらも、個々に独立した輝きを放っています。


ラストの2曲⑤「プレリュード:かもめの歌」~⑥「アイランズ」にかけての流れは、もう筆舌に尽くしがたいほど、美しい。



とっつきにくい作品で、最高傑作とも言い難い。

それゆえか、未だに自分の心を掴んで離さない、狂おしいほどの愛聴盤です。



ジャケットの宇宙にきらめく数多の星々は、広大な海に浮かぶ孤独な島々を意味しているのでしょうか・・・。