2013.04.23
08.59
「誕生日に家族が子を毒殺」そんな記事を目にした9月27日。僕は母の実家にいた。
こちらには双子の弟が住んでいる。
9月28日。
家族が執拗に食べ物に拘っている。
「あなたはこれを食べなさい。これ以外は食べちゃダメ」
昨日のあの記事が頭を過る。
危ない。。。このままでは危ない。
親戚のおばあちゃんが来ていたので、スマホで記事を出し、見せてみたのだが反応が薄い…
家族が近寄ってくる。
危ない…危ない…殺される…
僕は開けっ放しの窓から脱出し、逃げた。
先回りしていた父が刃物を持っていたがどうにか振り切った。手と腕を少し切られたがもうそんなこと気にしていられない。
殺されてしまうのだから…
ここでなぜか僕が女の子になる。
美山加恋風の女の子。
必死で逃げていく。
いつもの道ではバレるから違う道を敢えて選んで。
マンションを抜け、細道を駆け抜ける。
この時から、身体が浮くようになる。浮いた方が走りやすくなる。
駅に着いた。でもこの駅じゃダメだ。すぐに追っ手がつく。人混み掻き分けるのが面倒で、ちょこちょこ飛んで移動した。
信号待ちも、飛んで通過すればいい。階数の違いや複雑に入れ込んだ所は、吹き抜けを飛んでスムースに逃げて行った。
空港に到着した。
良かった、これで助か…
チケットを持っていない…
チケットがないと空港内に入れない入口に来てしまったのか、10ヶ所程ある入口には各二人して、チケットをチェックしている。
どうしよう、マズい。
ここで大学のゼミ員達と会う。どうやら複数の大学の学生が集い、現地集合でこの地で何かをするらしい。
「おおっ!お前も来たのかー」
「とりあえず自己紹介初めようぜー」
まだ5人しか居ないのに自己紹介を始めた。しかし、俺は逃げなければならない。
自己紹介している中、抜け出す。
「おい、どこいくんだよー」
逃げなければ。。。チケットを手にしなければ。。。
どうするどうする…どうすればいい!どうす…
目の前に、もう一人の自分が現れた。夏の終わり、蝉も泣き止まぬ時期に十二単に身を包み、一歩一歩を着実に進めていた。
来た…
来てしまった…
追いつかれた…
「きれーい」
「スゴーイ」
歓声が上がる中、人を掻き分けて必死に逃げる。
しかし、とうとう足がダメになってしまった。
動けなくなった。
目の前にもう一人の自分が来た
ふっ!
刃物を振りかざしたーーー!!
…あれっ?
もう一人の自分は刃物を腹のギリギリの所で止めていた。
なんで、思い留まったの…?
二人は空港の入口付近で話をした。
「あなたが居なければ私は…そうだ!入れ替わればいいのよ!あなたと私。そうして私は自由になるの!」
もう一人の自分は着物を脱ぎ、普通のTシャツ姿になってからシャツを捲った。
大きな傷。背中から腰にかけて、大きな傷が。
「先天性のものなの。生まれた時から」
それが、生まれた時からある傷なのか、生まれた時から持っている病気のせいで切らざるを得なかったのか。
私にはわからなかった。
でも、入れ替われば容姿は同じ私でも、私じゃない。
この子からも逃げなければ…!!
ってところで起きた。