『理由もわからずに押しつけられたものをおとなしく受け取って、理由もわからずに生きてゆくのが、我々生き物のさだめだ。』
当然、意味を実感できず、考えるのをやめた一節。
今改めてみると、無意識にため息が滲む。
あぁ、先生その通りですな。という。
『己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。かといって、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかった。』
今ごろ、なかなか核心を突く小説です。
小生の境遇と無理無理重ね合わせて考えれば、今こそいわゆる、「俗物の間に伍することを潔し」としようとしているのかもしれません。
そうです。さもなくば虎になってしまうのです。
「臆病な自尊心」からか、
「尊大な羞恥心」からか。
しかしどうでしょう、小説家の思慮深さ、というか理屈っぽさには驚かされます。
結局最初の節から読み取れるのは、『考えても無駄で、全てはなるようになる』という結論ですから。
つまり、万事の理由なんて後付けである。って事なのね。
それにしても、真理だなぁ。