車の中。車内にはバイトのメンバー。
僕はそれまでものすごく忙しく、車であちこち移動しまくった。
疲れ果ててる。
外の景色は今まで一度もみたこともない場所。
テレビでも、インターネットでも、本で見たことすらない。
例えるなら、白亜紀のような光景が一番近いと思う。
ところが何故か、日本であるという確信だけがある。
時刻はおそらく午後7時だと思う。
でも空は昼間の様に明るい。
変な天気だぁ、と思いながら、助手席にいた光恵に話してる。
あまりにも忙しかったから、その流れを確認がてら。
僕は今の状況を、ほとんど理解していなかった。
ここは一体どこなのか。
何故、ここに来ることになったのか。
これから、どうするのか。
そうこうしているうちに、遠くの方の空から、
影のようなどす黒い雲が押し寄せてくる。
こいつはまずい、一雨くるぞ。といい、僕は後部座席のサワちゃんに
窓を閉めるように言った。
見る見るうちに空は雲が占拠していく。
でも、よく見るとおかしい。
動物に見えるのだ。
鳥はもちろん、猿とか、サイ、カバ、シマウマ、さらにはバッファローみたいなのも。
猛烈な勢いで、空を突き進んでる。
ものすごい大群だ。
それらはとうとう僕らの周りにまで達した。
僕はとにかく車が壊れるのが心配だった。
ところが、一匹たりとも車にぶつかる者はない。
どうやら自分の力で走っている訳ではなさそうだ。
そう思った次の瞬間、僕らは車ごと宙に浮いた。
そう、ものすごい突風なのだ。
竜巻に巻き込まれるような感覚。
短い人生だったな。
と、思った瞬間、頭がぐるぐるしてきた。
訳が分からなくなる。
そしてふと目が覚めると、バイトの子たちが何人か周りに。
怪我はなさそうだ。もちろん僕も。
小さな和室のよう。
それを考えるより先に、また頭がぐるぐるしてくる。
走馬灯みたいだな。と思いながら、また訳が分からなくなる。
まだ竜巻に飛ばされてるのかな。
どこにいくんだろう。
死ぬのかな。なんでこんなことに。
僕はまだバンドをしたいのに。色んな経験を積みたいのに。
音楽をしたいのに。家族を驚かして、楽にさせたいのに。
まだぐるぐるする。
どうやら死んでないみたいだ。
色んな物がフラッシュし、チラついて見えている。
叫び声が聞こえる。
何故。
さっきと同じ部屋のよう。
でもバイトの子はいない。
何故か洗濯物。
血まみれだ。
そこには多分4人いる。
いや、いた。
父さんと母さんと勇太と沙織。
そして僕は一言つぶやく。
悪いのは俺。
この瞬間目が覚めた。最悪な夢だ。