アニメ映画において現時点でも最高峰といってもよい作品であることは間違いない作品であり、
ディズニーアニメにおいてもクオリティーは一位、二位を争うものである。
莫大な時間と予算と人数をかけて作られたこの作品は1940年であり、
この当時の人々にとってはすごく新鮮な映像体験として受け止められたのではないでしょうか。
今見るとコンピューターを使用したCGアニメや3Dアニメもあるので、やはり見劣りしてしまう部分は
ある。例えば、鮮やかさが足りなかったり、エフェクトが劣っている点などである。
しかしながら、現在のアニメよりも優れている点や素晴らしい点も観賞していて感じられる部分もあった。
まず、動きの部分が繊細でよく作られていることがあり、動物、植物などのキャラクターが現実の特徴を
考慮し、さらに生き生きとした動きで表現されている。
アニメーションの魅力は絵が動くことであるが、本当に手で書かれたものがここまで細かくそして美しく
見えるのは驚くばかりである。
これは巨額の予算があってこそ出来たことであろうが、それ以前にディズニーのアニメーションへのこだわりがあったからこそであり、このことがこの素晴らしい動きの表現を実現できた一番の要素だと考える。
もうひとつは絵そのものの美しさである。やはりコンピューターで作られたものと、手で直接作られたものでは
違いがあり、手書きのものは独特の温かみというか、生々しさというか少し言葉で表現するのは難しいが、
人が書いたというものはやはり映像を通して伝わってくるものである。
一枚の絵を描く事でも難しいものだが、アニメの場合はそれを動きに合わせて、その分絵を用意する必要があり
少しでも出来の悪い絵があれば、映像として明らかに見られてしまう。
それを一度も感じさせず美しい絵を見せ続けることが出来ているのも素晴らしい。
またこの作品の特徴として、音楽と映像の融合がある。
クラシック音楽から得られるイマジネーションを映像として表現するというコンセプトは過去の映画においてなく、また現在もない。一部分でクラシック音楽を使用している映画はあるものの、すべてクラシック音楽で作られた映画はないであろう。まして作られた時代を考えると間違いなく今までにないことをやろうとして作られたものであり、実験的な映画としても価値がある。
音楽に合わせての映像も丁寧に作られており、音の鳴るタイミングと合わせて動きが作られていたり、カットが変わったりなど工夫や、音楽の曲調に合わせて、リズミカルな動きや重々しい動きにするなどの工夫もされており、音楽を映像として表現することにチャレンジしたことがわかる。
絵にも妥協せず、動きにも妥協せず、素晴らしい映像をアニメで作ろうとしたディスニーの気持ちが込められた
この映画は今でも見ていて素晴らしいと思わせてくれる。また、同時にアニメの可能性、アニメそのものが持つ素晴らしさを考えさせてれる映画でもあると思う。
これからもこの作品はアニメの歴史として語られる永久に不変的な価値を持つ作品であることに違いないであろう。
ここから少し余談であるが、この映画にはディズニーランドに繋がる構想が垣間見られる点があり、動物、植物が踊る描写はアニマトロニクスやパレードの部分に見られるし、恐竜時代の描写はアトラクションの一部で見られ、悪霊の世界はホーンテッドマンションのコンセプトに近いものがある。
ディズニーの想像を映像化した映画なのだから、これがのちにディズニーランドを作る上での構想に繋がるのは当然のことであろう。