(ケーキ屋の主人みたいに…始まってすぐに終わる物語)
例えば、朝が来ない日が年に一度くらいあったらいいのに。
その日は二十四時間夜の働かなくていい休日で、まるで昔の一月一日みたいに街は静まりかえり、野良猫さえ見掛けない日なんだ。
そしたら月を眺めながら昔の事を思い出したり、流さなかった涙を思い返して流したり、ゆっくりと何かを想い、そこから得た教訓を考えたり、消えてしまった淡い幻想のお葬式をしたりして一日を過ごすのだ。
きっと、その日の自殺者の数は年の内で一番多くて、お寺と葬儀屋はクリスマスにケーキを大量に売ろうとしているケーキ屋の主人のように微笑んでいるんだ。