正直、日本酒を集中的に飲んでいた時期の本数とその分類は正直えぐかった。

 

なにせ年間300種類以上のデータを自分の舌できちんと比べてたわけだ。そりゃ一口でその日本酒の米と麹、磨き位は見分けがつくわさ。

 

その傾向だけで言うと、実は上司と飲んでたのは瓶入りの銘入り。で、自分ではパック酒を横に流してた。

値段、純米、そのほかで飲み比べていくとその傾向も見える。

 

瓶入りは基本「淡麗辛口」。ただ淡麗を極めたら味がしないので、日本人が好きな酒って実はおいしいものはあんまりないんですよね。

これ逆の言い方をすると(つまり、スコッチ的な視点で見ると)味わいで楽しむ感じではない、熟成の少ないアルコール感の強い酒にしかならないわけで。

つまり、食事と合わせること+難度が高い(高級って話さ)ということで、淡麗辛口の酒は日本人としてほとんど遺伝子的に「良い」と感じるわけだ。

 

実際パック酒でうまい端麗辛口なんぞ、沢の鶴位しかない。

通常パック酒は「芳醇甘口」系。ウイスキーのテイスティングで言えば「オイリー」なイメージが近い?かな。

口に含んで麹や米の甘味をぐっと味わう感じの酒が多い。黒松白鹿なんか代表的。くさい感じをぎりぎり回避するような膨らむ柔らかい感じ。

沢の鶴の純米酒だと瓶の酒と同じがつんと強く感じるうまみの後に切れのいい引きが来るのに対し、いつまでも舌の上で麹の感じが残る。

燗つけするとべったりと甘く、まさにオイリー。まあ、辛口を飲んだことはないので試すが(黒松白鹿パックには辛口と銘打ったものも存在する)。

 

で、ウイスキーではあるが。

 

そんな感じでウイスキー歴は非常に浅いが。

ジャパニーズウイスキーというところでは特徴が出てるなあと思うのは角。

サントリー系列は特にそうだが、かの台湾のカバランしかりろロッホローモンドしかり、ウイスキーは基本的に香りと口に含んだ際の強い麦の風味を楽しむために甘くじっとりと残る後味が特徴である。

この辺はストレートでわずかに舌にのせて上あごを叩くようにして香りを楽しみ、じんわり残るアルコールの刺激や味わいの余韻に浸る。

ところが角は、切れよく後味がなくなり、アルコールの刺激だけが残る。

この当たり、非常に特徴が出てる気がする。白角はさらにその特徴が出てる感じ。

基本温度帯で味わいが変わるという意味ではストレートとロックではかなり変わる場合もあるし、リザーブのように全く変わらないというのもある。

 

ティーチャーズは素人ながら味わいの変化がありうまいのでお勧めしたいのですが、ストレートやロックとハイボールで全く異なる色が出るので楽しみ方を覚えるだけでなくとてもおいしい。

ロッホローモンドはおいしいんだけれど……難しい。

 

ちなみにティーチャーズで一番おいしいのはロックだと思う。

無茶苦茶甘い。ストレートだと若干きつめ、ハイボールにすると今度は煙たく辛口なので、フライや空揚げ、てんぷらにも合う点で、最悪飲めなくてもハイボール化すれば日本人なら誰でも飲めるんじゃないかと。

 

ただ、ロックやストレートの強烈な甘味は他のウイスキーにないので、これがピーテッドとノンピーテッドの混合モルトの効果なのかとただただ感心する。

ブレンデッドウイスキーの中でもモルトの割合が極端に高いといわれるティーチャーズが、正直すさまじく安い価格で手に入りますからね、コスパという意味ではこれ以上はないと思ってます。

 

ニッカに目を移すと、こっちは本格的なスコッチの造りなので、サントリーのように日本人向けというような味わいではないんですよね。

唯一、ノンピートのクリアだけはどこでも飲めますがね、私はスペシャルを飲んでほしいと思っています。