赤神諒のほめブロ

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ほめる、軽やかに、前のめりで。
自作の紹介や活動だけでは芸がないので、このブログでは、読者が前向きになれる題材を取り上げます。

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「サムさん!」
「Hi! Mr.ムラサキガミ、すっかりSNSが死んでるから、あんたが生きてるか心配だったんだけど、意外に元気そうじゃん?」
「すみません。2022年2月22日にSNSは復活しようと心に決めています。今度こそ」
「あんたのことだし全っ然深い意味なんてないと思うけど、ぞろ目が好きなんだね。ま、頑張りな。あちきも応援してる」
「ともかくサムさん! お元気そうで」
「おいらはいつだって元気一杯だい。おい、抱きつくなよ、ソーシャル・ディスタンスでござるぞ。ヒック」
「すみません。でも、あれ? もう酔っ払ってるんですか?」
「かっこつけて、マニャーナを指定してはみたもののさ。前回はフェラーリさんに身ぐるみごっそり剥がれちまったからな。今回ここではとことんケチろうと思って、安い居酒屋で、もう結構、飲んできたんよ」 
「オンライン飲み会もありえたのに、わざわざブログ用の収録のために来日くださって、ありがとうございます」
「ぼくちゃん、ワクチンを打った上に、2週間前に日本に入って自主隔離してたんだぞ。ご飯も全部、出前だい。偉いだろ?」
「さすがです。ご負担かけてすみません」
「いいってことよ。何しろあの『太陽の門』が出版されるって時に、人気者のあっしがいねえと富士山くらいまで盛り上がらんだろ」
「そりゃもう」
「で、噂によると全12巻になるそうだね」
「なるわけないっしょ。でも、新章も三つありますので、ボリュームはありますね」
「オリジナルの見せ場は知ってるんだけどよ。どんなところを加筆したんだい?」
 ――あ、私はビールを。
 ――おいらはひとまず要らねえ。burp。たっぷり飲んできたからさ。
「まずはバルセロナ編ですね。グアダラマ編とブルネテ編の間に、新章として『バルセロナの月』を挿入しました」
「おおおお、あああ!」
(サムがのけぞって椅子ごと後ろへ倒れる)
「だ、大丈夫ですか?」
「あいてて、たんこぶできちゃった」
「そこまで驚かなくても……」
「あっしの命がけのパフォーマンスだい。ところでウォール街で小耳に挟んだんだけど、ビセンテとペドロが絡んでくるらしいな」
「色々な伏線の回収も行なっていますので、満を持してブルネテ編に突入することになりますね」
「ホワイトハウスでちょっくら盗み聞きしたんだけどさ。スペシャル・ゲストがいるって聞いたぜ?」
「はい。実はある実在の有名人がちらっと姿を見せています。隠れキャラですね」
「へえー、ヒントおくれよ」
「そうですね。バルセロナ編のホテルでの1シーンに登場しています」
「あ、ぼくちゃん、わかったぜ。本当にその頃バルセロナにいた有名人だよな。で、他の見せ場は?」
「ブルネテ編の後に、その後の戦争の結末を短めに挿入しました。新章として『マドリードの夜』ですね。レマルクの『リスボンの夜』へのオマージュです。史実の中で登場人物がどのようにあの後を生きたのか、マニャーナで語らせています」
「ちょっと気になるんだけどさ。その加筆部分って、もしかしておいらが1インチも出てないんじゃないの?」
「ご心配なく。最終章『パリの空』では八面六臂の大活躍されますので」
「なら、いいんだけどさ。By the way, 表紙の方はどうなってるんだい?」
「あれ? やだなぁ。もうオープンになってますよ。ほら」


「おおおおおおお、映画のポスターみたいにかっこいいじゃんか!」
「108人のうち101.1人までは全く同じリアクションですね」
「だろうなぁ。でもおいら、扱いがちょっと小さくない?」
「だって、名脇役ですから」
「でも、おいら、ナレーションだよ。おいらが語るのやめたら、物語が成り立たないんだよ? みんな、そこをちゃんとわかってくれてんのかなぁ……」 
「お茶目で人気者のサムさんのお人柄がズバリ表れてるカットじゃないですか」
「それはもちろん、あの安藤画伯だし、そうなんだけどさ。たとえば、何でフェラーリさん2回も出てるわけ? この画像じゃわかんないけどさ」
「それは大物ですし、イタリア・マフィアのボスに笑顔で頼まれたら断れませんよね」
「わしを呼んだか?」 
(フェラーリ登場) 
「なんだ、今日はサムの来日だから、ご馳走してやろうと思ったんだが、ビール一杯だけか」
「え? マスター、もしかして、今日はタダだったの?」
「わしは太っ腹なんだ」
「じゃ、僕、もう一杯ビールください」
「もっと早く言ってもらいたかったでござるよ。拙者、来る前に飲み過ぎちゃって……うっぷ」