4回生
結局チームの中心選手になれずに終えた3回生。
もがき苦しんだが結果が出なかった。
今年こそは上回生としてチームの中心選手にならなければならない。
そう決意して、ラストシーズンを迎えた。
シーズンが始まる前、半ば立候補のような形で副将に就任した。
副将に就任した理由は二つある。
一つ目は『常に自分に厳しくある為』。
『副将』である以上試合に出続けてチームを支えなければならない。ピッチ内外でチームの支柱にならなければならない。
これまでの3シーズン、なかなか試合に絡めずにいた。
もちろん毎シーズン悔しい思いをした。しかし、心のどこかで『まだ来年がある』『まだ間に合う』のような甘い考えがあった。
ラストシーズン、もう後がない。そんな甘い考えを持っているようでは何も成し遂げずに終わってしまう。
そんな自分に『副将』であるというプレッシャーを与え続ける。チームの中心にならなければいけないと自分に何度も言い聞かす。
常に自分に厳しくあり続けなければならない。
これが一つ目の理由だ。
二つ目は『苦しい時、自分を変える為』。
ラストシーズン、そう簡単に上手くいくはずもない。
必ずどこかで上手くいかない期間がくる。もしかしたらほとんどの時間が苦しいかもしれない。
今まで、特に3回生の後期はサッカー人生史上最も苦しかった時期だった。しかし、自分は変われなかった。そんな自分のままでは駄目だ。
副将である以上、どんなに苦しい時期が来てもメンタルが最悪でもそれを表に出す訳にはいかない。
この逆境を何も言わず乗り越えなければならない。絶対に変わらなければならない。
これまでの自分では乗り越えられなかった逆境を乗り越えなければならない。
何が何でも自分を変えなければならない。
これが二つ目の理由だ。
そうしてラストシーズンを迎えた。
プレシーズン、練習試合や定期戦ではほとんどの試合に出場した。
自分では自信を持って学生リーグ開幕を迎えた。
怪我もあり、開幕から試合に出れたわけではないが第4節目にして今シーズン初スタメンで出場した。
開幕から勝利がない状態で迎えた、チームとしては絶対に勝利したい一戦。
前半7分。初ゴール。
心が震えた。
魂が揺れた。
全身で喜びを表現する。
チームメイトがまるで自分のことのように喜び駆け寄ってくる。
この瞬間だ。
この瞬間のためにサッカーをしている。
今までの苦しみも今までの挫折も全てこの瞬間のためにある。
サッカーをやめれない理由がこの瞬間に詰まっている。
そのまま複数得点しチームは今シーズン初勝利。
チームとしても個人としても求められていた結果が出せた。
しかし、その後勝利し続けることはできずチームとして苦しい状況になった。
個人としては試合には出続けているものの目立った活躍もできなかった。
そして前期の最終節、スタメンを外された。
自分の中でも薄々気づいていたが、いざ目の前にするととてつもなく悔しく苦しかった。
4回生であること、副将であること。今までとは背負っているものが違う。
副将として常にチームを支えなければならない。
そんな責任感や自分の中でのプライドがさらに自分を苦しくする。
落ち込んでいる暇はあるのか。
シーズンが始める前に副将に立候補した。
その時に決めた。自ら苦しみ、自ら自分を変えると。
やるしかない。ラストシーズン。頼れるのは自分だけだ。
これまで何度もチャンスを逃してきた。変われる時に変われなかった。
本当のラストチャンスだ。
ラスト2ヶ月しかないサッカー人生。
集大成となるこのシーズンを笑って終えることができるように、全てを捧げる。
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『負け』
この大学サッカーにおいて最も多いとされる要素。
1対1で負ける。試合で相手に負ける。あげだしたらキリがない。
毎日のように『負け』を突きつけられる。
そんな時『負け』に対してどのように向き合うか。
『負け』を受け入れて、自分の弱さと向き合う。そして『負け』を恐れずに挑戦し続ける。
時に逃げ出したくなる時もあるだろう。
それでもゴールを決めたあの瞬間、チームメイトと喜びあえる瞬間を想像するだけでまた挑戦しようとしている自分がいる。
『負け』に対してどう振る舞うかは自分次第。
『負け』を価値のあるものに、自分が成長するためのものにできるか。
それが重要だ。
『覚悟』
覚悟を決めろ。
目標を達成するために、相手に勝つために覚悟を決めろ。
中途半端な覚悟なんかはいらない。全てを捧げろ。
必要なものに時間を、お金を費やす。
シーズン初めに決めた覚悟。正直全てを捧げれたかと言われればそうではない。
今からでも遅くない、残り2ヶ月全てをサッカーに捧げる覚悟を決める。
まだまだここからだ。
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拙い文章ではありましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。