友人(アミではない)から昨日連絡が来ました。

 

「Artist of The Yearすごいな」と。

 

友人はこのブログでも度々登場する幼少期より洋楽に親しんだ所謂小うるさい人。(お久しぶりです)

その人が、この受賞の情報を見て連絡をくれたんです。(仕事が暇だったに違いない)

 

驚いていました。

 

このブログを前から読んでくださっている奇特な方(褒め言葉)は思い当たることがあるかもしれませんが、友人はBTSをアーティストとは認めていません。

 

 

なぜならメンバーが制作に携わっていないこと、ライブ構成やパフォーマンスについても自分たちではしていないからだそうです。

 

BTSはアイドルであってパフォーマーであって、アーティストではないんだそうです。

そして賞はアーティストが受け取るべきものだとの考えです。(ホント小うるさい)

 

彼らが制作している曲はたくさんあると反論しても、それは基本ファンしか買わないあくまでアルバムの中だけでしょ?タイトル曲でしてる?してたとしても末端にクレジットが申し訳程度に入っているだけでしょ?と言われておしまいです。

 

いや、レコーディングの裏話とか聞くと、ありえないくらい自分たちの意見を入れるみたいだし、制作の過程での要望の細かさややりとりの多さは有名らしいし!!と足掻いてみました。


が、「だから?」で終了。(くそーーっ!)

 

まぁ、歯に衣着せぬこんな友人と話すのは、BTSの立ち位置がわかってとても面白くて、これを読んで気を悪くする方がいるかもしれませんが、私にとっては大好きな友人の1人なんです。

 

そんな友人が今回は本当にすごいね、と言ってきたんです。

ちょっと嬉しいですよね。

 

なぜすごいか?

 

それは、AMAというファン投票ベースの賞だということを差っ引いても、アミという特殊なファンダムの「好き」という感情が、制作過程やその楽曲のメッセージ性など込みでのアーティストへのリスペクトという世界を凌駕したことだ、と友人は言いました。

巨大なパワーで黙らせた、と。

 

私も同じことを思っていました。

受賞式の会場の様子。

会場外での彼らへの歓声。

どれもすごいものがありました。

 

発表の瞬間まで「B T S!」の声が掛かっていたのは、私のようなザ・日本人としてはなかなか受け入れ難いことだったけれど、それくらいの雰囲気だったのだろうし熱気に包まれていたのだろうと。

 

そしてArtist of The Yearの受賞が決まった後のButterのパフォーマンスを見ながら思いました。

 

韓国人であり、友人の言うところのアイドルでありアーティストではなく、さらに言えば英語が母国語でもなく、そしてまだ満足に喋れない彼らが英語で歌った曲が、その年のTop Favorite Pop Songに選ばれていて、2021年のアメリカ市場での顔とも言えるArtist of The Yearに選ばれたことは、本当にすごいことだと。

 

これに不満を持つ人もたくさんいると思います。

会場に寄せていた他アーティストの中にも、彼らのパフォーマンス時になんとも言えない表情をしていたのも目に入りました(私の誤解かもしれないけれど)。

 

でもそれを物ともしないステージだったと思うし、会場の雰囲気とも合わせて、また他アーティストからの好意的な態度も合わせて、圧倒的な場の支配を見せつけたと思う。

 

それを叶えさせたのは、もちろん彼らのこれまでの努力と、謙虚な姿勢と礼儀正しさと、人柄の良さに加えパフォーマンスの素晴らしさがあるのは間違いないんだけど、それ以上にアミの圧倒的な献身的後ろ盾があったからだと思います。

 

 

ただ、私の友人はこの受賞をすごいね、と言ってくれたのと同時に

「アイドルのファンとアーティストのファンを同じ土俵で戦わせるのはねぇ・・・」とも言っていて、何気ない一言だけれど考えさせられる言葉でした。

 

私はアイドルとアーティストの違いをあんまり明確には持っていなくて、どちらも表現者で、見ている、聞いている人の心を掴むことに変わりはないと思ってしまうけれど、そこにあるファン心理については確かに違うかもしれないなぁ、とこれを聞いて思いました。

 

もちろんアーティストのファンにも献身的で過激な人もいると思うけれど、アイドルのそれとは数が違うような気がします。

 

なぜアイドルのファンは献身的なのか?

それは

 

アイドルのファン=本人が好き

アーティストのファン=その楽曲が好き

 

ってパターンが多いからではないのかなぁ、と思っていて、その心理の違いって結構大きいよなぁ、と思うんです。

 

ただ、今のBTSはその本人が好きのファンの総数があまりに大きくなって、そこに上手く選曲の良さが乗ったこと、さらに言えば、彼らの出してきたメッセージが世論に噛み合ってきたことで、友人の言葉を借りれば「今のBTS人気に敵うアーティストいないんじゃない?」っていう状態になっているんじゃないかと思うんです。

 

私はBTSを世論の代弁者にすることについてはずっと嫌だなぁと思っています。

でも、実際に今BTSを否定することは、差別に繋がりかねないし、怖くてそれもできません。

 

今回の受賞は素直に嬉しいけれど、反面それも相まっての受賞だとも受け止めています。

でもだからこそすごいんですよね。

少し前なら普通に「BTS?ないない!」って笑い飛ばされていたんですから。

 

でも友人は懸念しています。

楽曲そのものの良し悪しや好き嫌いとは別ベクトルで、盲目的に応援するファンダムの圧倒的な強さでさまざまな既存のものを飲み込んでしまうことを。

 

これが全てでまかり通ってしまっては、賞そのものの品位、ひいては音楽の価値がなくなってしまうのではないかという可能性を。

 

友人なんてなんの力もないし賞に関わる人でもないけれど、音楽ファンの1人としてそう思うんだそうです。

 

「これでグラミーがBTSに主要4部門を与えたら終わり」

 

と言って憚らない友人の気持ちも理解できます。

ファンでありながら私もそう感じているところもあります。

 

でも、去年までは「話にもならん」と言っていた友人がいよいよだと感じているのは間違いなくて、もしかしたら?ってこともあり得ます。

 

情報が正しいかわかりませんが、今回は「Butter」でレコード賞、楽曲賞、ポップデュオ賞、「BE」でアルバム賞、エンジニア賞、「PTD」でミュージックビデオ賞にエントリーしていると言われています。(「My Universe」ではエントリーなかったのかな?Coldplayはいくと思ってたんですけどね)

 

そのうちの主要4部門はレコード賞、楽曲賞、アルバム賞。

エントリー見るとそうそうたるメンバーですよ。

でも、どこかにノミネートされたらいいなぁ、って思います。

だってそれだけでもどれだけすごいことか。

 

そしてポップデュオにはノミネートされると思います。

そしてもしかしたらこれは獲れちゃうかもしれないともちょっと思ったりします。(根拠ゼロ)

 

前から明言していますが、私はアメリカでの賞レースに興味がありません。

獲ったから私にとって好きな曲になるわけじゃないし、獲らなくても好きなものは売れてなくても好きだからです。


それに私は友人とは違って、ルールも線引きもよくわからないし、なんならお金も絡んでるんじゃ?と思っているし、誰かの大きな意向で決まることだってあるんじゃない?と思っているからです。

 

でも、これほどまでに気にしているのは、彼らが目指している夢だから。

 

そして今がそれに一番近づいている時だから。

 

全力で祈っている。

 

いよいよ今夜ノミネーションですね。


彼らの夢に一歩近づきますように。