ひとつ前の限定記事の中で
「彼らを潰してしまうのは、大きな権力でも事務所でもなく、アミなんじゃないか」
と、最近感じている、と書きました。
そう思う理由はいくつかあるけれど、My Universeのドキュメンタリーの中のたった一言が大きく波紋を広げている件について取り上げたいと思います。
(まだ13分のドキュメンタリーで引っ張る?ねぇ、本当にね💦)
その一言とは、レコーディング中にPdogg がジンに言った
「練習してきたんだね、お前」
です。
日本語訳では、「ジンさん」となっていましたが、韓国語では「お前」的なニュアンス。
これをジンのファンたちが、Pdoggに猛烈に反発しているそうです。
PdoggのSNSアカウントにコメントで攻撃したり、もちろん事務所への抗議もそうです。
どんな内容かといえば、この発言に対して「馬鹿にしている」というもの。
言われたジンが苦笑いしているということも含めて、ジンに対してPdoggが茶化したのは許せない、っていう。
前記事から、編集のことについて書いてきました。
数時間のものを数分に編集するのだから、残ったところはそれなりに意味があるだろうし、なんらかの意図を含めることだってできちゃうよね、っていうことなんですけど、この件については、編集することでどうしても出てきちゃう問題なような気がしています。
それは、どうしても前後の経緯を端折らなければならない、ってことです。
あの一場面だけで、全てを判断されてしまいかねないってことなんです。
あの場面だけを見たら。
私は全然そう受け取りませんでしたが、ジンのファンたちが言いたいこと、そう言われてみればわからないでもない。
でも、もしあの前に、ジンがPdoggに歌い方の相談をしていたらどうですか?
前の日から緊張して、うまく出来なくてずっと練習していたジンをPdoggが知っていたとしたら。
それと大前提としてPdoggはデビュー前からずっと一緒にやってきたPDです。
「お前」っていうニュアンスが、ジンとPdoggのフランクな関係性を表すものだとしたら。
馬鹿にしているように聞こえた
「練習してきたんだね、お前」
は、
「頑張ったんだね、ジン」になりませんか。
もっといえば、その発した言葉のニュアンスさえ、受け取り方が変わるはずです。
これは編集することで起きてしまう仕方のないこと、なのかもしれませんが、私が思うもうひとつのことは、昨日の記事でも書いたように、
受け取る側の問題
が大きいのだろうということ。
Pdoggとの関係性を知っていれば。
「こうに違いない」という思い込みを一旦外すことができれば。
カーッとなっても一呼吸置くことができたらなら。
自分がアクションを起こすことでどんなことが起こるのか、と想像することができれば。
こんなことは起きないはずなのに。
誰でも発信できる今の現状は、リアルタイムで世界中の人と繋がれて共有できるっていう素晴らしいことでもあるけれど、それはすなわち一才の精査なく、考えることなく発信できてしまうという危険もはらんでいるっていうことで。
自分が大切にしているもの、信じているものを否定されたとなると、冷静でいられなくなるのはわからないでもないけれど、真偽や経緯を確かめる時間すらなく、発信できてしまう。
そして、みんながそうしているのだから自分もしていい。
みんながそうしているのだからそれが正義だ。
だって、推しのためなんだから。
あなたのためなんだから。
1人1人は小さくても集まれば大きなうねりとなる。
そのうねりが、された側の人生を終わらせてしまうかもしれない。
誰かを傷つけてしまうかもしれないという自覚さえなく、むしろ「良いことをしている」のだと思っていて、その正義を振りかざしてSNSで発信する。
それを否定されると悲しんだりさらに怒ったりする。
私が「知ることの大切さ」や自分とは違う立場や意見の人の話を聞くことの大切さをここで繰り返し書いているのは、こういうことをずっと見てきたから。
何も知らないから、知ろうとしないから、わからなくなってしまう。
PdoggがどれだけBTSとともに歩んできたか、BTSの成功を喜んでいるか、そういうバックボーンを少しでも知っていたら、そしてあれがHYBEが編集したコンテンツであることをわかっていたら、あの一言がジンを馬鹿にしたものではないことはわかるはず。
そして仮に「馬鹿にしている」と受け取ってしまったとしても、一旦考えてみたら、Pdoggに猛烈に抗議するなんてこと、ジンが望んでいるかどうかなんてすぐにわかるのに。
百歩譲って、あの発言が意図してジンを馬鹿にしていたとして、それが嫌なら自分で言えるはずなんです。
ファンが言ってあげなくても、ジンも大人なんだから。
影響力のある人がやっているから正解なわけじゃない。
たくさんの人がそれに乗っかっているから正義なわけじゃない。
わかっています。今回のことだけじゃない、って。
今までの事務所のジンへの扱いについて、ずっと燻っていたものがあることを。
自分の推しがグループの中でフィーチャーされていない悔しさがあることを。
でも私たちファンが「ジンのために」することは、ジンを幸せにするためのことであって、誰かを傷つけることじゃない。誰かに怒りをぶつけることじゃない。
「あなたのために」も同じ。
「あなたのために」言ってあげた結果、相手が嫌な想いをするのなら、それは「あなた」のためじゃない、「自分」のためだから。
自分が持ってしまったモヤモヤや怒りを誰かにぶつけただけのことだから。
自分が言いたかっただけだから。
「あなたのために」っていう感情は複雑で、難しいのだ。
昨日のTMAの受賞スピーチ、聞きましたよね。
ジンがなんと言ったか。
感謝の言葉を述べた後、
「僕はこの会社と良い出会いをした」
だからこれからも
「ウリアミたちと一緒に一生懸命走っていきましょう」
ジンは元々ああいう公の場所で、会社のことについて多く発言してきました。
だからもしかしたら単純に何も考えず言ったのかもしれない。
でも、私は、2018年MAMAでのあの解散危機発言もわかって言ったと思っているし、だから今回もきっとジンの周りで起こった色々なことをわかって発言したのだと思う。
「ウリアミたちと一緒に」とあえて入れたことの意味。
ジンのマスターや大手ファンアカが次々とクローズかレストになっていますよね。
理由ははっきりしていないけれど、何かが起きている。
それはきっとジンにも伝わっていると思うから。
それにジンが「韓国語でスピーチできることがとても幸せだ」と言ったことも、オフラインコンサートがアメリカだったことへの抗議に対するジンなりの誠意だったんじゃないか、って思う。
だって、英語のスピーチができないことなんてずっと前からのこと。
しかも韓国語でありがとう、なんて前から言えているわけでね。
あえて、だよなぁ。って感じる。でも直接的じゃないところがジンらしいと思う。
ファンのみんなはジンにあんなこと言わせたいのかなぁ。
「受け取る側の問題」
について、たまたまジンのことを引き合いに出しましたが、これは全てのファンに言えることだと思っています。
受け取る側の思慮のなさから、メンバーにはずっと前から今回のようなことがたびたび起きている。
ジョングクのアパレルの件もそうですよね。
(これについてはまぁ色々問題もあると思うけれども)
韓国はそうやってファンの声を事務所に上げて、アイドルを育ててきた文化は確かにあります。
でも日本でも増えてきていますよね。それが良いか悪いか、人それぞれかもしれませんが、私は嫌です。
これって一部のヤバいファンだけのことだと思いますか?
自分は違う、と。
ただ、リツイートしただけ、コメントしただけ。
そうでしょうか。今一度考えたいなぁ、と思います。
TMAのスピーチで、ナムジュンが言った
「僕たちが言うこと、すること、全てのことはアミの皆さんのためのもの。アミによるもの。」
の言葉の意味は。
これは、彼らのすることは、私たちの写鏡であるってこと。
私たちはその鏡に何を写すことができているのかなぁ、と思う。
美しいものだけ見て欲しい。
そう思うなら、自分たちが美しくあらねば。