今回、長々と大統領特使と国連総会に絡んで、ずっと思っていたことを詳らかにしたのですが、それを書いている最中にとんでもなく胸ぐらを掴まれてガンガンに揺らされてしまったことで、もうひとつ整理がついたことがあるので、急いで書いています。
連続投稿になると思います。
ずっと書けずに放っておいたのが嘘みたいです。
Butterがリリースされた時から度々ここで「大袈裟な意味なんてない」とメンバーが言うことについて、もやもやすると書いてきました。
それなのにその後、「ただただ楽しい」Permission to Danceが来て、メンバーが「とてもいい曲」だって言うのに、それなのに素直に受け入れられない胸の内を明かしました。
ブログでは「いつかはちゃんと受け入れるから」なんてうまく文末をまとめたくせに、その後も全然受け入れていないままBillboardで10週連続で1位を飾り(これは本当にすごいこと!)、その間のメンバーのコメントにもまた引っ掛かり、「I'll Be Missing You」のカバーでまた混乱し、ブログが書けなくなって(正確には書いては消しを繰り返して)、えぇぇっい!!と胸の内をぶちまけてしまった(今ココ)のです。
前記事でも触れていますが、彼らが悩みに悩んで葛藤しているのがわかるし、自分たちだけではもうどうにもならない領域があることも確かだろうし、その中でたくさん話し合いをしたと言っていたし、みんなで泣いて、それで決断したであろうその結果が、大袈裟な意味なんてないButterであり、ただただ楽しいPermission to Danceだなんて、それを普通に言えちゃうのはなんで?って気持ちが先立ってしまって簡単に受け入れられなかったのです。
それはすなわちグラミーを最重要に置いた視点で選んだのだろうということが明らか過ぎて拒絶反応が出てしまったのだと。
グラミーなんてどっちだっていい、って思っている私は置いてけぼりをくらったような気持ちでいたのだと思います。
先日公開されたWeverse Magazineの中で、1つの曲制作するのに通常でもどれほど大変なのか、ましてやこのコロナ禍での大変さと、彼らのプロ意識と、このPermission to Danceに込められたメッセージついて印象的に綴られていました。
それでも。ダメでした。
自分でも不思議です。
なぜ私が、今回はこんなにも受け入れられないのか。
同じようにアメリカに迎合したと言われた「Dynamite」の時はこんな風にならなかったんです。
それを自問自答していました。ずっと。
そんな中、「どうせ出る出るって煽っといて出ないパターンのやつでしょ」と適当に流しながら仕事をしていたSamsungのGalaxy×BTSの新商品発表のライブストリーミング。
途中ユンギがアレンジした「Over The Horizon」が流れてきて手が止まり、そして不覚にも泣いてしまったのです。
冒頭に書いたように、胸ぐらを掴まれてガンガンに振られたような衝撃でした。
何度も何度も聞き返しました。
そして何度も泣きました。なんで泣けるのか自分でもよくわかりません。
ずっとPermission to Danceを受け入れられない理由をごちゃごちゃと探していたけれど、結局はユンギがこの曲を受け入れたことを、私が受け入れられないってことに尽きるんだと分かってしまったんです。
私にとってユンギがこんなにもウエイトを占めていたなんて自分でも驚きました。
そして私が勝手にユンギに幻想や理想を被せていたのかもしれない、と思いました。
でもこのたった1分のインストでそんなのはぶっ飛んでいった。
ユンギの才能を怖いくらい見せつけられて、逆にすっきりと自分の中で答えが見つかったんです。
大統領特使として、韓国の顔として国連総会でのスピーチをする彼ら。
これがどれくらい前から決まっていたかはわかりません。
でも、国が動くことですから昨日今日決まったこととは思えません。
年単位で予定が組まれ予算が組まれるのですから。
これはHYBEにとって大きな仕事です。失敗は許されない。
その前にリリースする曲は同時に大切な曲です。
あまりにメッセージ性が強すぎる曲は危険です。
こちらには良くても、あちらではダメってことが多い世の中だから。
歴史的なこと、宗教的なこと、思想的なこと、全方位で敵を作れない状況だからです。
だから、大人から子供まで、世界中の誰が聞いても当たり障りのない、耳障りのいい、ただただ楽しい曲にした。
Weverse Magazineでは彼らのメッセージが取り込まれたと書いてありましたが、でもクレジットには誰の名前もない。その意味は?
製作陣の意向が色濃くでた曲なのは間違いないと思う。
でもこれは韓国国民としても大きな仕事だし、グラミーに影響があるかもしれないこともまた然りです。
だから必要なことだった。
それにしても与えられた楽曲をきっちり表現出来て、しっかり売れたのはBTSだからに他ならないし、彼らの素晴らしさ。
本当にすごいよ、あの人たちは。
もうひとつ思うことがあります。
もしかしたらこれが1番大きいのかもしれない。
それは、兵役にも繋がってくるということ。
そして、個人的に兵役には確実に行くだろうと思うのです。
免除は求めていないように思う。
むしろ良い機会と捉えているのではないかとさえ思ってしまう。
それはユンギの言う「着陸すれば次また飛べるってこと」に集約されていて、この言葉を聞いたときに、「着陸」は「兵役」だなぁって感じたんです。
安全に着陸するための大統領特使とグラミー賞とPermission to Dance。
安全に兵役へ行くための準備。
「Over The Horizon(prod.Suga of BTS)」を聞いて泣いてしまったのは、その圧倒的な才能に揺さぶられたのと同時に、安心感に包まれたからなのかもしれない。
ユンギはユンギのままだった。
いや、むしろバージョンアップしていた。
こんなアレンジが出来る今のユンギならPermission to Danceも受け入れられるよね、って思った。
Permission to Danceはユンギの、BTSの、ほんの少しの側面でしかない。
もっともっと見せられるものがたくさんある。
それに気がついたんだなぁ、って。
コロナ禍の中、肩の手術、リハビリを経て、1番自分の時間が多かったのがユンギだったと思う。
BTSのSUGAから離れてみて、スケジュールをこなす画面の向こうの6人のBTSを見て、思いが変わったとしても不思議ではない。
ここ半年くらいのユンギから迷いのない清々しさを感じるのはユンギが音楽との、BTSとの向き合い方が変わったからではないかなぁ、と思う。
こだわりがなくなったように思う。
こだわりがあるとすれば、「BTSであること」だけな感じ。
思えば、メンバーの中で1人だけ大きな肩の荷が降りたような顔をしてる。
(これについてはまた他のメンバーのことも交えて書きたい)
あぁ、でもここまでPermission to Danceは必要だったんだ、って理解しても、あんな凄いの聞かされたら私みたいな欲の深い人間はやっぱり、ユンギの曲でメンバーの作詞でグラミーに挑んで欲しかったと思ってしまうし、そっちの方がいけたんじゃないか、ってゴリゴリの贔屓目が出てしまう。
ユンギのように達観したい。
いつになったら大人になれるんだ、私は。
「Over The Horizon」はGalaxyシリーズのテーマみたいで、歴代少しずつアレンジされて発表されています。
興味のある方は、YouTubeにまとめてくださっている方がいるので見つけてみてください。
ユンギの凄さが際立つと思います。おすすめです。