ユクイズの感想続きます。

 

後半のインタビュー。

アミなら知っている話もたくさん出てきたと思うけれど、本人たちの口から聞くとまた改めて実感しましたよね。

 

彼らの努力と苦悩の先に今があるってこと。

そしてこれだけスターになっても、なったなりの苦悩は続いていること。

 

わかっていたはずだったけど、生々しかったですね。

ちょっと辛くなってしまった。

 

彼らはあの状況をどうやって乗り越えてきたんでしょうね。

 

仕事で辛い時、私たちってどうやって乗り越えているか?

 

友達と飲み歩いて憂さ晴らしする?

恋人と全てを忘れて時間を過ごす?

お休みをとって旅行に行く?

1人で部屋にこもって好きなことをする?

 

多分、このどれも彼らは簡単に自由にすることができなかったし、今も現在進行形でできないことだろう。

そして何より、これを相談できる人が限られている。

メンバーで共有する以外、わかってくれる人がいるのだろうか。

トップスターになってしまった自分の苦悩を。

たぶん、メンバー同士でもこんな話はなかなかしないんじゃないだろうか。

じゃ、誰がわかってくれるんだろう?

 

BTSは当初からメンタルケアの担当をつけていたと聞く。

ジンもAbyssを発表した時、ケアを受けていたと告白している。

いい先生がついているといいな、と思う。

きっとついているよね。大丈夫だよね。

 

暗い話になってしまうけれど、SHINeeのジョンヒョンのことをいつも思ってしまう。

私には熱心なSHINeeのファンの友人がいて、この時のことを忘れられない。

何が理由なの?何が本当のことなの?見ていられなかった。

それでも何もなかったように時間は過ぎていく。

 

彼らが自分の辛かった過去をこうしてカメラの前で話せることは良いことだと思う。

まさにSpeak my selfだ。

 

でも、では、現在は?と聞きたい。

ついこういう話を聞くと、この辛い経験があったから今があるんだよね、ありがとうBTS!ってポジティブに解釈してしまうけれど、そうじゃないかもしれない。

現在は幸せですか?

それが気になる。

 

自分の予想を遥かに超える事態になった時、それが誰もが羨む立場だったとしたら、辛い、辞めたいと言えるのだろうか?

2018年に苦しかった時、ジミンが想像以上に自分たちの周りには繋がっている人たちがたくさんいることを知ったと言っていた。

もう自分だけの裁量で何かを決めることなんてできない。

ユクイズの中でナムジュンが言った。

アドバルーンに乗って宇宙まで来てしまったようだ、と。

こんなところまで来る予定じゃなかった。

ユンギは、本当にここは自分が望んでいたところだろうか?と自問したと言っていた。

 

私は彼らが本当に大好きで、ずっとずっと彼らを観ていたい。

たとえ2000人のホールになっても、デビュー当時のような広場の片隅になっても、彼らがそこにいる限り応援していたい。

 

でも、BTSの終わりが始まっていることに気が付いている。

どう上がるか、よりも、どう続け、どう終わるか、にシフトチェンジしていると思う。

もちろん終わりはすぐにではない。

でも変化するのはそう遠くはないと思ってる。

 

何者でもなかった彼らがBTSになり、ヒップホップグループからアイドルとして開花していき、真摯に作品を作りメッセージを送り続けたことで今やその枠を飛び越えて社会に影響力のあるアーティストへと成長した。

彼らはただただ無垢な気持ちで歌を歌いラップを奏でていただけかもしれないが、今や彼らの行動全てに意味づけされてしまう。

 

今、BTSは確変状態だと思う。

何をやってもアリになってしまった。

失敗をたくさん繰り返して今がある、失敗した自分も自分だとナムジュンは国連のスピーチで言った。

ユクイズで、ジョングクは、15歳の自分に、何も言うことはない。たくさん失敗してたくさん怒られ指摘されたことで今があるから。と言った。

 

でももう失敗は許されない。

いや、許されないんじゃない。

全部アリになってしまうのだ。

作品が良いか悪いかの判断じゃなく、【BTSだから良い】になってしまう。

これが怖い。

次の作品、絶対に売れるに決まってる。

でもこの確変はいつ終わるかわからない。

甘んじていたら、すっと人の気持ちは引いてしまう。

でも、もっと怖いのは売れても正当な評価をされていないかもしれないという不安だ。

売れたから売れる。この方式がまかり通る世の中だから。

ブレイクがいかに重要かはみなさん知っての通りだと思う。

その1度のブレイクがいかに難しいかも。

でも、ブレイクしたからって薔薇色の生活になるわけじゃない。

売れれば売れるほど苦悩も増える。

売れれば売れるほど、落ちた時の落差が大きい。

ユンギが、売れているうちに辞めようと思っていた。

惨めな姿をたくさん見てきたからそうはなりたくない、と。

その気持ちはなんとなくわかる。

だから、墜落せず着陸したいと言っていたのだろう。

 

BTSの着陸地点はどこなんだろう。

あぁ言っていたユンギが、ユクイズで、観客が2000人になっても、待ってくれる人がいる限り続けたい、と言っていた。

ジョングクは、声が枯れるまで歌い続けたい、と言った。

この言葉はとても嬉しかったが、今までと同じように、年間のほとんどを海外ツアーで周り、あの激しいパフォーマンスで公演を続けるのは難しいと思う。

BTSとしての方向性を少しずつ変えていかなければ続いていかない。

MTV Unpuggedのように、座った状態で生バンドをつけての演奏のパターンのような。かな。

 

変化をすること、終わりの始まりは悲しいことではきっとない。

今までもずっと変化し続けてきたのだから。

彼らがどんな判断をしても私たちはついていく。

彼らが手の届かないところに行ってしまっても見守っていくと思う。

 

私たちの想いが彼らを潰してしまわないように、私たちの善意の押し付けが彼らを追い込んでしまわないように。

大切にしたい、と改めて思った放送だった。