ユーリャ・バヴァルスキーの映画感想ブログ

ユーリャ・バヴァルスキーの映画感想ブログ

みた映画の内容を忘れないために、(そのとき何を思ったかを後で見返すと面白いので)映画の鑑賞記録・感想。
ネタバレ有り。

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マチェーテ

Machete


DVDにて鑑賞。


ミシェル・ロドリゲス見たさにレンタル。


18歳未満お断りの映倫表示にビビりつつ、ずっと見たかった作品なので、借りてしまった。

(暴力描写で18禁。グロ描写は好きではないのだが、大丈夫だろうか)


始めはさほどキツくないだろうと思い、マカロンを食しながら見ていたが、早速腕やら頭やら飛んでいるのにビビり、急いでマカロンを完食した。(食べられなくなっちゃうから)


最後まで見た。

確かに暴力描写部分は結構残酷だったが、これが18禁なら、キル・ビルも18禁にしなければいけない。(おそらく、暴力と裸体の露出の総合で18が付いたと思われる。レーティング・システムは定性評価ではなく、定量評価で決まるような部分もある、とは昔読んだ映画レーティングの本から得た感想。)


ミシェル・ロドリゲスが格好いい。常にメンチ切りの目線、少し広がった小鼻、かすれた声、健康的な肌色、黒髪。

ガムくちゃと機関銃がこんなにも似合う女優が他にいただろうか。

(ガムくちゃはエリカ様も似合いそうだが)


バイオ・ハザードやワイルド・スピード、アバターなど、色々な映画に出演しているが、常に男勝りな役どころが多い。(しかも、ほぼ戦闘中に死んでしまう)

この映画での役どころも、反メキシコ組織に対抗する、革命戦士だった。

ワイルドなイメージが十分付いて回っているので、逆にロマンティック・コメディに出演したらどうなるのかと思う。


本映画でも早速、「カフェオレは、ねぇよ」。

ミシェルはミルク入りのまろやかなカフェオレなど、販売してはいけないのだ。


映画の最後の方で、黒ブラ+黒パン+眼帯という、ゲームキャラのような格好で登場する彼女。

広告などでは、このビジュアルを目にすることが多かったので早々に変身するのかと思っていたが、最後の最後まで登場しなかった。


ジェシカ・アルバ、リンジー・ローハンなど、その他女優陣が豪華。

あえて豪華に作ったB級映画という印象。


ジェシカは移民取締の捜査官、リンジーは麻薬王の金髪バカ娘。

母親役が本当にリンジーの母親のようだった。(赤髪だったので、リンジーの元の髪色を思い起こさせる。)

ジェシカ・アルバのセミヌードにも驚いたが(昔からの男性ファンは、きっと嬉しかったはず)、リンジーが完全に上半身丸出しなのには驚愕。ボディ・ダブルでも使っているのかと思うほどの潔さだった。


エイプリルが上院議員への復讐を果たしたかに思えたが、その後、本当の意味での報いが訪れるのが深いと思った。(今まで自分が虐げていた人と、同じ目に合う)


マチェーテがワイルドで不死身。あまり美形ではない中年なのに、美女にモテまくる。

男性が好きそうな映画だと思った。

(機関銃にナタで立ち向かうワイルドぶり。アクションのあまりのダイナミックさに、感動というより、もう笑ってしまうのだ。キック・アスのラストのよう。カタルシスは感じるのに、あまりの非現実ぶりにおかしくなって来てしまう。カンフー映画も、人間ではできない動きをしているのに、こちらに関してはただ美しいと感じる。何が違うのだろうか?)


元々、グラインドハウスという映画の中で予告編として作成されたものを映画にしたのだという。

カリブの海賊がパイレーツ・オブ・カリビアンとして映画になるようなものか。

(予告(ライド)が先か、本編(パイレーツ・オブ~)が先か。予告を膨らませて本編を作ったのか、本編の構想ありきで予告にしたのか。タランティーノ監督が絡んでいるということは、元々細部まで設定していそうだが。)


復讐/仇討ちは、キル・ビル以来続いている、タランティーノ監督のテーマ。

(次回作のジャンゴも、ウェスタンで仇討ちのようだ。TOHOシネマズの映画紹介で、タランティーノ監督のマカロニ・ウェスタンとして紹介されていたが、マカロニ・ウェスタンはイタリア製西部劇なので、この紹介は違和感を感じた。タランティーノ監督はイタリア系のルーツを持っているとしても。)


タランティーノ監督の映画は、なぜ人気があるのだろうか?

映画の中にちりばめられた、過去作品のパロディ・オマージュなどの小ネタが映画ファンにはたまらないから?超大作なのに、B級映画のふりをするのが上手いから?パルプ・フィクションのように、時系列を組み合わせた手法が斬新だったから?


個人的にはすごく好きだというわけでもないが、作品はなるべく映画館で見たいと思う。

彼の何が気になるのだろうと考えた時に、作品の何かしっくり来ない感じ、が気になるのだと思った。


しっくり来ない感じというのは、非日常・暴力の間に突然、日常が挟まれている感じのこと。期待している展開を裏切られた感じがして、違和感を感じる。

セオリー通りの映画なら、マフィアはマフィアらしく、常に緊張しているものなので、ボスの奥さんとバニラシェイクを飲んだりしないし、ザ・ブライドはこれから復讐を果たす相手と、近況報告をしていないでさっさと殺し合いを始めるべきだし、フランス人映画館主は、敵対するドイツ軍の兵士に求愛されたりしない。


これはタランティーノ監督の自然なのか、狙ってやっているのか。

なかなか不思議な気持ちになる。


次回作も楽しみだ。