悩んだ末に迎え入れたあたらしい命。
この子もまだ生後2か月手前の、カエルっぽい腹をしたネコっぽいカオの生物。
初めてラスティと顔合わせをしたときには、
ラスティがちゃんと受け入れてくれるかすごく不安だったし、緊張した。
ウシ柄のなんだかよくわからない生物は、
家までの1時間半、助手席に置いたダンボールの中で、
すごくいい子にスヤスヤと眠っていた。
家に入り、ラスティを見るなり逃げ惑う。
無理もない。ラスティこそ、この子からしてみれば、
いままで一度も見たことのない、なんだかよくわからない巨大生物だっただろう。
ソファーの下に潜り込んで出てこない。
ラスティは興味津々でウシ柄を追い掛け回す。
きっと怖かっただろうなぁ。
でも、心配したほどトラブルもなく、
ラスティもこのウシ柄をすんなりと受け入れてくれたようだった。
安全のため、ウシ柄はわたしのいるとき以外はケージの中で生活してもらうことにした。
名前は、1週間くらい決まらなかった。
あれこれ考えた。
それまでは何と呼んでいたか、今となっては覚えていない。
候補は5つくらいあって、
桜の咲くころに我が家にきたので、「チェリーブロッサム」から取って「チェリー」とか、
エイリアンみたいなので、「エイリー」とか、
ウシみたいなので、「ミルク」とか、
単純なのをいくつか出したけど、
最終的にはラスティの世話を時々してくれる母親に決めてもらった。
候補の中にひとつだけ、日本語の名前があった。
それが
「くるみ」
くるみちゃんになった。
母には、「くるみ」の由来は伝えていない。
だから、わかりやすさと、カオがくるみみたいな形をしているからとか、
そんな程度の認識かもしれない。
ラスティに意味がなかったので、
ウシ柄にはちゃんと意味をかんがえてつけてあげたいという気持ちは少なからずあった。
わたしは日本人なので、
英語で名前をつけようと思ったら、由来は取ってつけたように浅いものになっていた。
でも、日本語には意味を持たせることができる。
そういう意味でも、日本語の名前を選んでくれた母親には感謝をしている。
ウシ柄が我が家に来るとき、
ラスティとの関係ももちろん心配だったけれど、
わたしが一番心配していたのは、
「途中で飼えなくなってしまわないか」ということだった。
飼ってみて「やっぱり無理でした」というわけにはいかない。
だって、命だから。
この子の命はわたしに懸かっている。
生き続けるにはわたしが必要で、
わたしがもし「飼えない」とおもってしまったら、
この子に未来はない。
だから、名前に決意を込めることにした。
「未来は来る」
だから、「くるみ」。