2013年5月10日ごろ

 

数日前に職場で知り合った方がゴールデンレトリーバーを飼っているという話を同僚から聞く。

わたしはゴールデンレトリーバーが大好きで、いつか必ず飼うというのが夢だった。

まだまだ飼うような余裕はないけど、いつか飼うときのために一度お話を聞きたいと思い、その方にゴールデンの話を振ってみた。

 

その方は現在すでに4代目のゴールデンを飼っているといい、

根っからのゴールデン好きであった。

その人の話を聞いているうちに本当に欲しくなってしまった。

植物をもろくに育てられないわたしが動物など飼っていいのか、

ごはんやお水をあげ忘れて死なせてしまわないか、

ちゃんとしつけができるのか、

様々な不安がよぎる。

 

それから数日間、理性と欲求の狭間を行き来することになる。

 

 

2013年5月12日ごろ

 

一度ペットショップに行ってみることにした。

そのころのわたしは本当に無知であった。

動物はペットショップでしか手に入らないと思っていた。

近年のペットブームでは、ゴールデンは大型犬のなかでは人気の部類に入るが、

それでも小型犬の人気が強く、ペットショップでお目にかかることは少ない。

 

当時は引っ越しをしたばかりで、近隣のこともあまりよく知らなかったが、

近くに1軒だけペットショップがあることを知っていたので、そちらにお邪魔する。

 

その日はかなり混んでいて、子犬を抱っこしているひとが結構いた。

その中にゴールデンを抱っこしているひとが2人いた。

めずらしくゴールデンがショップに出ていたのである。

 

しばらく待ったが、その人たちは結構長い間抱っこしている。

そのうち店の後ろのほうに2人して案内されていったように見えた。

どうやらその2人は夫婦と見える。

2匹両方買っていくのか。

 

落胆したわたしは別のペットショップに行こうと店を出た。

しかしほかにどこにペットショップがあるかも知らない。

ナビで検索し、ヒットしたところに行ってはみたが、お休みのようで開いていない。

がっかりしたまま、それでも何かしなければ気が済まなかったので、

とにかく本屋に行ってみた。

そしてレトリーバーの雑誌を探し、手に取る。

 

その雑誌にはこう書いてあった。

「レトと暮らすと家の中がぼろぼろになる」

 

それは困る。

 

家に帰って室内を見渡す。

室内の家具や壁紙が壊れるところを想像してみた。

 

やっぱり困る。

 

もやもやしたまま時は過ぎる。

 

 

2013年5月14日

 

夜勤明けで家に帰る。

まだどうしようか迷っていた。

迷いながらもとにかく寝ようと横になる。

 

しかし、どうしても眠れない。

からだは疲れているし、眠気もあるのに眠れないのだ。

 

そしてとうとう決心した。

やっぱり飼おう。

家がボロボロになったとしても構わない。

 

そう思った瞬間即座に行動に移す。

インターネットで検索すると、少し遠いペットショップにゴールデンがいることがわかった。

我が家はマンションで、飼っていいペットには大きさ制限がある。

ゴールデンではオスだと大きさ制限からはみ出てしまう可能性があるため、メス狙いだった。

ただ、それはネットで大体の成犬の大きさを調べてみてのことであって、実際のところどうなのか不安はあった。

 

目的のペットショップに到着し、さっそく抱っこさせてもらった。

カオはちょっとブサイク。

でもとてもおとなしい女の子。

そのまま持ち帰りたかったが、念のためペットショップの店員さんにゴールデンの大きさについて尋ねてみた。

すると店員さんは、メスでもだいぶ大きいからちょっと危ないかもしれません、と。

管理人さん等に確認してからもう一度来たほうがいいと思います、と言われてしまった。

 

今になって考えれば、本当にいい店員さんだ。

ちゃんと飼育できる環境が保証できない客には売れない、と

そういうことだ。

ペットショップの店員さんはそうでなければならないと思う。

 

しかしせっかく決心してここまで来たのに、簡単にはあきらめられなかった。

店を出て2、30分クルマの中で放心状態で固まっていた。

 

ほんとうに欲しかったのであろう、夜勤明けだったことも関連してか、そのときには自分の欲求がコントロールできなくなっていた。

思い立ったようにわたしは、数日前にゴールデンが2匹いたあのペットショップへと向かった。

19時ごろに到着したと記憶している。

夜も遅くなってガラガラの店内に、この間抱っこされていたゴールデンはまだ2匹ともショーケースに入っていた。

オスとメス。

顔立ちは少し違って、1匹はブサイク、1匹はちょっとかわいい。

かわいいほうがメスだといいな、と思いながら、店員さんにメスを抱っこさせてくださいとお願いする。

 

すると店員さんはかわいいほうの子を連れてきてくれた。

 

店員さんにいくつか質問している間にも、

抱っこしてる子がしっぽブンブン振りながらわたしにしがみついてきて、よじ登ってきて、

わたしの髪やら、あごやら、鼻やら

 

がぶりがぶりと噛みついてくる。

 

気がつくと肩に乗っている。

 

大丈夫かこの子…

と思いながらも、店員さんに大きさについて尋ねる。

 

店員さんは「心配なら奥に成犬がいるから、ちょっと大きさ測ってあげようか?」と言って、

ゴールデンのオスの成犬を奥から連れてきてくれた。

 

むちゃくちゃデカい!‼‼‼‼‼‼

 

そしてその子の大きさはマンション規定の上限ギリギリ。

「この子は少し小さめだし、オスの大き目の子でこの大きさだから、メスならよっぽど大丈夫だよ。」

と言われ、ようやく購入の決心がついた。

 

と言っても、ちゃんと面倒見れるかどうかとか、散歩はちゃんと連れてってあげれるだろうかとか、不安はまだまだたくさんあって、それからしばらくウダウダ悩んだ末、ようやく連れて帰ることに決めた。

 

その日はもう19時半を過ぎていて、手続きなどもあるためその日のうちには渡せないということで、翌日迎えに行くことに。

家に帰ってから、○○子ちゃん(←名前未定)を迎え入れるために家の中を一通り掃除した。

 

それにしても本当に大丈夫か、○○子…

きっと家はやっぱり壊れるだろう。