去る9月9日(日)、島根県雲南市が平和顕彰事業として行っている『永井隆平和賞』の第22回発表式典に、同市から招待を受け、私は入賞者としてオーストラリアから参加させていただいた。
 雲南市は、この地で育ち、医者として人の命を救い続け、作家として全世界に強い平和のメッセージを送り続け、最後には自らも被爆者として死んでいった永井隆博士の志を継ぎ、この平和顕彰事業を行っている。
 同市は、全市の小学校の6年生全員をこの平和式典に毎年招待して、平和について考えてもらう機会としているということを現地で聞かされ、胸が熱くなった。
 会場にきた小学、中学、高校の生徒たちと話してみると、さすがにこのことを22年間継続してきただけあって、両親を含む家庭内にまで浸透しているらしく、こんな心の乾いた時代にあって、『平和』と『愛』に対する、しっかりとした自分なりの考えが備わっている子供たちばかりで、私は圧倒された。日本人として、頼もしいばかりだ。
 この場をかりて、お世話になった市長様、教育委員会の皆様、特にこの平和賞ご担当の方、また永井隆記念館館長、永井博士の少年時代の隣人・元女性校長に深く感謝を申し上げたい。
 これを機会に、国境を越え、雲南市と末永くおつきあいをしていきたいと私は希望する。


中國新聞ウエブサイト: 


雲南市ウエブサイト: