当社の加盟している業界団体での話である。

定例の委員会等会議の他に、年に一度の総会や夏の暑気払い、忘年会等の懇親会がある。

その際に各企業での現役時代に加盟団体で活躍なさって定年退職等により引退なさったOBの方たちもご招待し旧交を温める時がある。

 ある懇親会の時、大手電動工具メーカーM社のTさんと隣合わせになり色々なお話をさせて頂く機会に恵まれた。

 日本の製品はあらゆる分野で世界的に評価が高いのは周知の通りで、電動工具も人気がありホームセンター等で販売されている国内需要より海外での需要の方が多く、輸出による売上がかなり会社の業績を占めているとの事である。

 従って、世界各国に拠点としての支店なり合弁会社なりを設け事業展開をしている訳で、当然英語等の外国語の得意な社員は駐在員として海外に派遣され現地で営業業務を行う、まさに「企業戦士」として会社のため、しいては日本経済のために活躍している邦人は多数いる。

 Tさんも現役時代、英語が得意なので「中東」に駐在員として数年勤務なさったとのお話を伺いその時のお話を色々お聞きし楽しいひと時を過ごしました。

 お話をしてるとTさんは銃器についてとても詳しく私の息子も大学時代射撃部に所属していた事もあり話が盛り上がりましたが、Tさん自身の趣味で銃器に興味を持っておられるのかと思っておりましたが、実態はそんな甘いものでない事が判りました。

 Tさんが赴任早々現地のスタッフから一番最初にレクチャーを受けたのが、突撃銃で有名なAK47(カラシニコフ)を始め各種の銃器を渡され、先ずこれらの銃器の取り扱いに馴れて下さいとの事。

仕方がないので連日射撃場で各種銃器の射撃訓練を行った結果必念的に銃器に詳しくなったとの事である。

 「中東」といった絶えず紛争を抱えている地域への赴任という特殊事情があったとは云え、まさかこの様な経験をせざるとは思ってもいなかったとのお話でした。

 Tさんはある日現地人のスタッフに何故絶えず銃器を身近に置き仕事をしなくてはならないのか尋ねたところ彼曰く「貴国は自衛隊と云った立派な軍隊を保持していながら、いざ貴方の身に危険が及んでも変な法律で国民の安全保護どころか救出にも来れないと云った普通の国ではありえない状況でありますね。従って自分の身は自分で守って頂いて、有事の際は自身で脱出して下さい」との説明との事。

 まさに「企業戦士」どころか個別的自衛権ならぬ個人的自衛権により「戦士」として、仕事をしなくてはならない自分の置かれている立場に国家への信頼に疑問を持たざるを得なかったとの経験談をお聞きしました。

 外務省統計による平成22年の海外在留邦人は1,143,357名との事、年々増加しており平成25年の現在では更に増えているいると思われる。

 その中に、やはり仕事で海外に赴任している私の娘夫婦と可愛い孫二人も含まれている。

まさに他人事では無いことを思うと早急に憲法改正を行い日本が普通の国として国民の生命、財産を守れる国の形を作って欲しいと切に願う次第である。

私は池波正太郎氏の作品が好きで、特に代表的な作品「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛け人藤枝梅安」シリーズは全て購入し所蔵しており、たまに再読をするがその都度、氏の描く「人間と云った生き物」を味わい深く違った角度から感じさせられ何度読んでも興味が尽きない。

 氏は趣味も多彩で絵も描くし、映画への造詣も深くその道を語らしただけでも何冊の本が出来る程である。

 何といってもオシャレである。つまりダンデイズムの塊の様な方で、お酒も好きで料理に関してはここで述べるまでも無く、氏の作品の中で随所表現されており、作品のひとつの大きな魅力となっている。

 小説は元より氏の生き方、考え方を述べている「エッセイ集」も多数出版されており私も何冊か所蔵している。

 エッセイの中の一冊に「男の作法」と云う作品がある。

男の生き方について、日々の生活の有り様、家の造り方、人との付き合い方、子供の教育等について氏の造詣の深い考え方が伝わってくる逸品であり非常に参考となるエッセイのひとつである。

 その中で人間は生まれた時から矛盾を抱えて生まれた生き物であると述べておられる。

つまり、人間の運命の中で只ひとつ決まっていることは「必ず死ぬ事」であり、死に向かって日々勉強し、働き、遊び、苦や悲しみを味わい、恋をし、酒を飲み、旨い物を食い等、生きる為に必死になっている様は実は死に向かって一生懸命生きて行かねばならないと云った「矛盾」を抱えた生き物であると述べてます。

 従って、「矛盾」を抱えて生まれた為に、人間は兎角物事を白か黒かで判断したがる傾向に有るが、世の中、真ん中で判断する事も大切である様な事を書いておられます。

 さて、ここで最近騒がれている「安保法制」の論議についてマスコミを始め、野党、学者、自称進歩的有識者等の諸兄が「憲法違反」だ戦争を国にするのか、はたまた徴兵制の復活に繋がると言った印象操作的な煽りを日々マスコミを通じ反対のための反対論議を盛んに垂れ流している為(それが彼等にとって飯のタネですので)、世論調査で報道各社によって違いがあるが、法案反対が40数%、賛成が20数%と、圧倒的に反対しているかの様な結果が報道されています。

 しかし、ここで注目したいのはどちらとも云えないと回答している人が30数%いる事です。

私見ですが、反対の人達の中にも連日の偏向報道で取り合えず反対と答えた人が20数%はいるのではないかと思います。

すると、50数%の人たちはどちらとも云えないか良く判らないと云ったところが現実ではないかと思います。

 その為に安倍総理自ら云ってる通り未だ国民の理解が十分と云えないとの通り更なる理解を深める説明が必要と思われるが、外務省の思惑よる助言なのか具体的な国名を出すことをせず、今ある現実の存続危機である中国の軍備拡張と尖閣諸島への侵犯、南沙諸島の無法で乱暴な拡張政策、北朝鮮の核問題、ミサイル、拉致問題の未解決、同盟国でありながら現実的な敵対行動を繰り返す韓国の現状を例に上げながら個々の具体的事象についてどうあるべきかをきちんと国会でも論議し答弁するとそれなりに国民の理解が得られていくのではないでしょうか。

 それにしても、反対派の論調を聞けば聞くほど都合の良い時には民主主義を持ち出し乍ら、たかだか数千のデモの声が国民の総意かの様な事を云う野党、特に民主党、共産党の議員たち(矛盾の中で生きている動物的な思考停止状態)、自らの持論で学説を唱えてきた憲法学者が今更持論を覆す事が出来ない保身を優先として国益えを考えない身勝手なな主張、ポピュリズムが収益に繋がるとしか考えない偏向マスコミ等を見ているとまさに人間の動物的「性」である「矛盾」の中で生きており、多角的に物を考える事を停止してしてしまっている事が残念でならない。

 前述の如く世の中は白か黒で決められない事が多々あり、真ん中で見る考えもあることを改めて見つめ直して欲しいものである。

 池波氏が存命ならば現状のこの国の形の有りかたになんと云われるかお聞きしてみたいもである。