誰が彼を愛しているのか…
私?
魂?
過去生?
わからなくなってしまう。

「愛している」
を何度も何度も繰り返すのは
誰なんだろう…
私はどこか遠くでその声をぼんやり
聞きながら「なぜそこまで彼がいいの?」と
考えている。条件が悪すぎる。


忙しい彼を理解しているからこそ
邪魔しないようにさっと帰ろうとする。
駐車場に辿り着く前に
誰かが抵抗しはじめる。
「このまま離れるのはイヤ」
「彼に触れたい」
抗えないのは今までの経験でわかってる。
気分最悪、号泣しはじめるから。

戻れば
「やっぱりね、戻ると思った」と
彼が言う。
「忙しいのわかってたから…帰ろうって
思ったのに、嫌だって」
そうしてハグして少し会話。
彼はすぐに仕事へと意識を戻す。

「もっとそばにいたい」
「彼の中に入りたい」
「1つになりたい」

そんな声が聞こえる私は
頭がおかしいのだろうか。
「苦しい」とつぶやいて泣いてしまった。

「中の人があなたを愛しすぎていて
苦しいの、離れたくなるの」
と言ってしまった…

「わかる気がするよ…」と彼が言った。
「でも、ありがとう」と。

戻れない
進めない

不倫する気はない 
ただ愛している
そんな関係をなんと呼ぶのだろう…