若い頃は外国文化にあこがれ自国の文化には何の関心ももたなかったのに。。
最近は伝統芸能にも興味をひかれます。
以前、薪能に連れて行ってもらったことがあり、その時に能の動きがとても美しくていいなぁと思ったのでした。横を見ると、友人はこっくりこっくりと心地よい眠りに襲われたようで‥
薪の炎だけのほの暗い野外の能舞台。「幽玄」という言葉がほんとにぴったりでした。
で、今回は「見たいなぁ」と思って申し込んでみたら当たっちゃった
能 菊慈童:観世清和
狂言 鳴子遣子:善竹忠一郎 他
能 熊野: 佐伯紀久子
能のことはよくわかりませんが、宗家の舞はとても素晴らしかったと思いました。
足の運びが独特で丹田に気を集めて、そこを中心にして身体の状態をぶれさせないで動くというか。
身体に一本の芯が通っているかのようですが、しなやか。
日本の芸能の動きは下に沈めるような力の集め方ですね。
西洋の踊りや音楽はすべて上に向かって動くのです。
最小限の動作なのに、動く範囲もそう広くないのに表現が多くの想像力をかき立てるよう。緊張感が漂います。
よりドラマティックなのは能では面をつけて舞われるので、個の個性が表に出ないで今の世界と隔てられているように感じるのです。
今回は子供の役だったので、それにあったお面をつけられたのでしょうね。
お面だから表情はかわらないはずなのに、ふとした動作で違って見えるような錯覚を起こさせます。
さすがだなぁ。。
さらに引き立てるような重厚な能衣装。
来年は能・歌舞伎にも足を運ぶぞと思ったのでした。