Tさんとお付き合いするようになって間もない頃、私は休会届を出していました。

この休会届を出すとそれまでの扱いとは何かが変わるため、利用したのは確かだと思うのですが具体的にどのようになるのかは忘れてしまいました。

確か、他の人との申し込みの行き来がなくなるというようなことだったかな。

私はTさんとうまくいき、このままゴールインできると信じていたので、もう活動はしなくていいと思ったんです。

もしかしたらもっと他にいい人が見つかるかもしれないから、もう少し他の人も探すことも続けようということも考えられませんでした。

休会してから数ヵ月が経ち、彼と破局。

振り出しに戻りました。

そして、休会のタイムリミットが迫っていました。

そのタイムリミットが迫るまでに退会するか、休会を解除して活動を再開するか。

その選択を迫られるということだったのです。

そのタイムリミットまでに意思表示をしなければ、自動的に退会措置を取られます。

もう一度活動を続けたいと思ったら、再入会という扱いになり当初と同様に、最初から費用を取られてしまうのです。

休会解除という手を取れば、費用はこれまでと同じ継続という形で引き続き、活動を続けることができます。

費用負担で大きな差が出るんです。

けれど、振り出しに戻った私はどことなくぼうっとしていたように思います。

これからのことを考える気力がなかったというか。

何かどうでもいいやという、諦めの気持ちになっていたかもしれません。

とにかく、休会という扱いになったまま新たな申し込みが来るはずもなく、ただ単調な毎日が戻ってきました。

そうしているうちにも、タイムリミットは迫ってくる。

もうこのまま退会かな。

そんな思いが心をよぎったかもしれません。

そんなある日、家の自室でいつものように過ごしていた時のことでした。

その時、母がやってきて、私の部屋からつながっているベランダへと出て洗濯物を干そうとしていました。

母が私の部屋を出入りするのはしょっちゅうなので、その時も母が話しかけてきました。

「あれ(婚活)、どうなったん?」

母も、私の破局のことは知っていましたがその時も、特に何も言っていませんでした。

元々、無関心かなと思っていたのですが。

私は「もうどうでもいいし」とかいうような、投げやりな返事を返したかもしれません。

よく覚えていないのですが、もう諦めたというような気持ちを出したと思います。

すると母はさらっと答えたのです。

「また頑張ったらいいやん」

ベランダに上がるために、よいせっと足をかけながら本当にさらーっと返してくれた言葉。

しかし、その簡潔な言葉は瞬時に、私の魂に息吹を吹き込んでくれたのです。

私は雷に打たれたように顔を上げました。

その言葉は、私を目覚めさせてくれた。

あきらめてはいけない。

そのことを瞬時に思い出したのです。

A社に入会する時に希望を持っていたこと、あきらめないで頑張るんだということ、必ず幸せを掴もうという気持ちでいたこと。

いつの間にか忘れてしまっていたそれらの思いが甦ったのです。

いつの間にか私は忘れてしまっていたんだ。

本当にこのまま、すべてをあきらめてしまうところだった。

そしたら、もう本当に以前のままでもうそこから変われない。

でも、やっぱりそれは嫌なんだ。

あきらめられない、あきらめたくない。

幸せを掴みたい!

ここですべてを投げ出してしまうわけにはいかない。

力を取り戻した私は、急いでA社に連絡し、休会解除を依頼しました。

本当に、タイムリミット寸前のことでした。

今でも、母のその一言には本当に感謝しています。

その一言がなかったら、本当に全てを諦めた私が別次元で存在していたことでしょう。

今のこの人生も、もちろんあり得なかった。

母は、別に無関心でも何でもなかった。

母は、母なりに応援してくれていたのだと思います。

さて、休会が解除された私は再入会という形で、費用負担はこれまで通りに活動を再開できることになりました。

しかし、入会した頃と大きく違うことがありました。

それは、他人からの申込がぱたりと途絶えたように、ほとんど来なくなり手応えを感じられなくなったのです。

私から申込を出したい人も、かなり見つからなくなりました。

入会した時と再入会した時とでどうしてこんなにも手応えが違うのかはよくわからないし、私の場合だけだったかもしれません。

しかし、あまりにも手応えのなさに不安が募りました。

再入会になったとはいえ、本当にやってくる活動期限の日までそんなに余裕があるわけではなかったからです。

再び最初から始めることの厳しさを痛感してしまいました。

 

だからこそ、結婚情報サービス会社で婚活を始めるのならば、最初の時期こそを頑張ってほしいのです(^_^;)

 

そんなある日、一人の男性Bさんから申込が届いたことがきっかけで、一度会ってみることにしました。

事前プロフィールでわかっていたことですが、彼は私より3つ年下。

身長が低い私と同じか、もしくは私よりも若干低いくらいかの人でした。

チビ同士だな、なんて思ってしまいましたが(笑)

しかし、これまでに会った男性の中で一番年収がとても高く、高級外車も持っているような人でした。

 

とりあえず会ってみないとわからないしなと初めてお会いし、食事などお決まりコースを踏んでその日を過ごしましたが。

その後の感想では、私は「うーん」でした。

何も感じられないというか、異性として特に意識するようなこともなかった。

これまでにもあったことなのですが、自分が色々と頑張って話題を振っているのに相手はそうですねとか簡単な相槌を打つばかりで、すぐに話が途切れてしまうというようなパターンだったのです。

実は私、それが苦手でした。

自分としても話題豊富なつもりはないし、間を持ったり何か接点があるかなと自分なりに頑張って話しかけているつもりでした。

それを短い相槌で済まされ、全然間も持たないということは、この時間がどうでもいいように扱われているのかと憤慨してもおかしくない気持ちでした。

だから、Bさんもそのように感じ、進展はなさそうかなと思っていました。

しかし、メールでの彼の態度は会っている時のそれと違うのです。

また会ってほしいというような、私とまだつながりを持ちたがるような内容だったのです。

私は何だか奇妙な戸惑いを感じましたが、まだ1回しか会っていないし、わからんこともあるのかなと。

他に申込も全然進展しない焦りもあって、彼とはその後も2、3回は会ってみました。

お決まりのデートコースをいくつか出かけてみたのですが、やはりその時の彼の態度は変わりませんでした。

いつも私の返事に対して、一歩下がったような感じで「そうですね」とか頷くようなことばかり。

 

丁寧ではあるだろうけど、他人行儀というようなところが大いに感じられました。

 

もちろん、スキンシップなんてあるはずもありません。

姉と弟で歩いているような気分なのでしょうか。

 

私、お姉さんになるつもりはないし!(笑)

 

何のために一緒にいるのかさっぱりわからないし、本当にこれ以上の進展はなさそうだと思って。

いつもデートが終わった後のメールで「会うのを終わりにしよう」というようなことをほのめかすと、決まっていつも彼は引き留めようとするのです。

また会ってくださいよ、まだ始まったばかりなのにわからないでしょ、みたいな。

何でそんなに引き留めたがってんの、あんた?

今の私だったらそう言えたでしょうね爆  笑

普段の態度とメールでと、本当に矛盾しているように見えました。

さっぱりわからん・・・・・。

やがて、それは私にイライラさせるような気持ちをもたらしてきました。

もうスパッとお断りすればいいのに、どう言葉を作ればいいいのか。

何だかああ言えばこう、こう言えばこうというように、どのように伝え方を変えても彼は引き下がらなかったのです。

それって執着だったのでしょうか?

会っている時は何にもないような素振りで、本当に物静かでおとなしいという印象がとにかく強いBさんだったのですが。

 

このメールでのやり取りで感じられる、頑固といってもいいくらいのしぶとさを持つ姿が彼の本当の姿だったのでしょうか?

 

何だかどうしても離れようとしてくれない。

 

そんな感じでした。

 

 




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