天使というのは本名じゃない。


でもこの家では普通に通じる。


理由は簡単で、母親が人や動物にミドルネームをつける人だからだ。


天使にも、

なぽりたん、

あかちゃこりたん、

まちゃこり、

こりこりこーりたん、

ここ子、

くくく…いろんな名前があったらしい。


正直、意味がわからない


そして

今は天使。


たぶん一番しっくりきてる。

ほんまか!?


天使は通信制高校に通う17歳。


きょうだいは5人いて、

末っ子で、いちばん自由。

これはもう家族公認だ。


見た目はパツキンで優しくて感受性が豊か。

そのぶん、たまに動かなくなる。


天使はもともと京都にいた。


長女と二人暮らしをしていて、

高校2年の時に沖縄のキャンパスに移ることになった。


ボクと出会った頃は、まだ「遊びに来てただけ」。


ちなみにボクの名前は最初、瑠璃丸。

天使がつけた。

でもなぜか流れでチョスになった。

理由はよくわからない。


この家では、そういうことがよく起こる。


天使に「沖縄の何が好き?」って聞いたら、「風と、人と、海」って言ってた。


その時点で、もう決まってた気がする


ボクと、母親と、一緒に暮らすって。

京都に戻ったのはただの流れ。


決心はもう決まってた。


天使が移住してきたのは6月の終わり。

これから天使にとってもボクにとっても、初めての沖縄の夏が始まる。


最初に住んだ家は住み込みだったから、ボクは室内に入れなかった。


だから天使が作ったダンボールの家で暮らしてた。


正直、あれはあれで悪くなかった。


ただ、天使はダンボールの横でよく座り込んでた。


たぶん、猫より暑さに弱かった。その話は、また次。


次回

第2話「ダンボールハウスと沖縄の夏」


お楽しみにねオカメインコ