大ホテルへ行くと、紫色の着物を着て、水商売が身にしみた、
みるからに「まかない婦のプロ」というコテコテおばさんがいる。
そういう人は、「夫と別れ、宿から宿へ流れ歩いて三十年。
番頭と夜逃げしてまた別れ、いまはこの旅館の板前と不倫中」なんてことになっている。それはそれで聞くも涙の人生なのだが、客はそんな話は聞きたくない。
主人は、登別温泉観光協会で、自然再発見委員をやっている。
登別温泉は、享楽型の施設が多いけれども、
むしろ、登別が持つ自然を再発見していこうという考えである。