毎朝、新聞の連載小説を読むのを楽しみにしています。
1月31日、文化文芸欄の連載小説を読んでから、
紙面上の方を見ると、石牟礼さんの月一回連載の
「魂の秘境から」が載っていて、うれしかった♡
先月は休載のお知らせが載っていて
体調が良くないのでは・・・と心配していました。
今回の副題は「明け方の夢」
石牟礼さんの生家では、猫が日常に住んでいて、
その様子を
「水俣川の川口近くに住んだ家は、近代化の波がそこだけ遠慮して通り過ぎたような百姓家であった。
猫たちは飼うともなく、床や壁の破れ目から、するりと入り込んでくるのである。
父や母と追い出し役を押し付け合ううち、十数匹も居着いてしまって、しまいには
猫一家に人間一家が同居させてもらってる風にもなってくるのだった。」
と書かれていて、石牟礼さんのユーモアにクスッとしました。
漁師さんたちに猫の子をネズミ除けのために譲ったりしていたそうです。
「海辺の猫たちが昭和30年代初めごろから『狂い死にする』という噂が聞こえてきた。
死期を悟った猫が人に知られず姿を消すことを、土地では『猫嶽(ねこだけ)に登る』と言い習わしてきた。
そんな恥じらいを知る生きものにとって、『狂い死に』とはあまりにむごい最期である。
さし上げた仔猫たちが気がかりで、漁村を訪ね歩くようになった。
のちに水俣病と呼ばれる事件の水端(みずはな)に立ち会っていたのだった。」
以前、熊本の地震に遭われた時のことを、書かれていて、
病院のベッドの上で、もうだめだと思って、枕を顔に当ててじっとしていたそうです。
「死にたくない」というのではなく、下敷きになった瓦礫の中から発見されたとき
顔だけでもきれいでいたかった・・・と
そのエピソードが、石牟礼さんらしくて、
とても大変な経験をされたのに、
いつもユーモアを交えて話してくだって、
ほほえましく思いました。
今も、夢とうつつを行ったり来たりしている感じなのだそうですが
それを文章にされるのが、さすがです。
紹介してくださった「虹」という詩も、
明け方の夢を書きとめられたものだそうです。
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追記
このブログを書いてから、8日後
2月10日
石牟礼さんの訃報に驚きました。
「魂の秘境から」の連載を受け持っていた記者さんの
追悼文が載っていました。
聞き取りしながら文章に起こしていくが
一日30分も続かない日が多くなり、
もう充分なので、この辺で終わりにしましょうと言っても
まだまだ続けるつもりだったそうです。
心よりご冥福をお祈りします。