『今よりもっと、幸せになってね。
もっとかわいくなって、
いっぱい幸せな週末を過ごして、
もっともっと、幸せになってね。』

『お前はいい子だから、
変なやつにひっかかるなよ。
ずっとお前の幸せを、願ってるから。』


私は、あなたといられるだけで、
繋がっていられるだけで、
充分幸せだったのに。

他の幸せなんて、いらない。

あなたと、幸せになりたかった。

きっと彼女は涙をこらえて
僕のことなど思うだろう

いつかはじめて出会った
いちょう並木の下から

長い時間を僕らは過ごして
夜中に甘いキッスをして

今は忘れてしまった
たくさんの話をした


もし君がそばにいた
眠れない日々がまた来るのなら?

弾ける心のブルース
一人ずっと考えてる

シー・セッド
“ア・ア・ア アイム レディー・フォー・ザ・ブルー”


晴海埠頭を船が出てゆくと
君はずっと眺めていたよ

そして過ぎて行く日々を
ふみしめて僕らはゆく

やがて僕らが過ごした時間や
呼びかわしあった名前など

いつか遠くへ飛び去る
星屑の中のランデブー


もし君がそばにいた
眠れない日々がまた来るのなら?

弾ける心のブルース
一人ずっと考えてる

シー・セッド
“ア・ア・ア アイム レディー・フォー・ザ・ブルー”
シー・セッド
“ア・ア・ア アイム レディー・フォー・ザ・ブルー”
シー・セッド
“ア・ア・ア アイム レディー・フォー・ザ・ブルー”




小沢健二
いちょう並木のセレナーデ
そして今日…

彼からの着信音が鳴った。

少し元気のない声…。
仕事の話、野球の話を少しして、

元気ないね、どうしたの?

と聞くと

『辛い…』

『お前はいつも俺に優しいよね。
俺のどんなワガママも、
いつも受け入れてくれた。
俺はひどいことばかりしてきたのに…』

『お前が俺のことを、
嫌いになってくれたらいいのに…そう思ってたよ
俺は嫌いになれないから』

『もぅ、ダメだよ。
やめよう。
これ以上好きになったら…
ダメだよ。』

分かった、って、もぅ言うしかなかった。

『何かあったら、
メールも電話もしてきていいから。
仕事のことでもいい。
そうじゃないことでもいい。
俺が力になるよ。』

『今日は泣かないで…
長く話すと辛くなるから、
もぅやめよう。
お願い。今日はお前から電話切って。』

あぁ…
本当にこれで終わっちゃうんだ…

そう思ったら、
こらえていた涙が、
急に溢れてきて…

嗚咽しながら泣きじゃくってしまった。

泣かないでって言われたのに。
泣かないって決めたのに。

彼が優しい声で、
何度も何度も、私の名前を呼ぶ。

彼に名前を呼ばれるのが、
大好きだった。
無条件に安心する。

でも今は、それすら悲しい。

泣いている私をなだめるように、
『大丈夫だよ。
明日もちゃんと会社にも行くし。
どこにも行かないから。
俺はちゃんと生きてるから。
大丈夫だよ。』

泣きじゃくりながら、
なんとか気持ちを伝えようと、
私も必死に声を出した。

「今まで生きてきた中で、
一番好きだったよ。
辛いこともあったけど、
それより幸せの方が大きかった。
本当に幸せだったよ。」

お互い何度も、

ありがとう
ごめんね

を繰り返した。

何かあったら連絡してね。
と。

電話の向こうから、
彼が鼻をすする音が聞こえる…

彼が最後に私に聞いたこと。

『結婚してって言ったら、
してくれた?』

彼の口から初めて聞いた、
結婚という言葉…。

「もちろん、したよ」

そう応えた。