焦った蝉が、ラストスパートをかけて必死に鳴いとる。
いつもいつも切なくなる、この時期はさ。
窓を開けると、空高くに雲がぽつぽつ。
秋空ってやつや。
そういえば、小さいころ雲が綿飴だと思っていたよ。
でも、どっかの大人が教えてくれた。
違うよ。
近くに行くとびしょびしょになるだけ。
ふわふわしていないし、甘くもない。てね。
でもさ、どうせ近くに行けっこないなら、綿飴ってことにしとこうよ?
ほんと、大人くんはケチや。
先週、いろんなひとからパワーをもらったよ。
NO NAME MAGAZINって音楽雑誌の編集者でね。
年下なのにすごくアグレッシブで尊敬できた。
いろんな話ができたしね。
お互いの仕事についても前向きに協力していこう、という話になった。
どうなるのか、綱渡りでまだまだわかんないけど
僕の漫画を早くあちこちで目にできるように努力したいと思うよ。
雑誌は、タワレコやディスクユニオンに置いてる。
インディーバンドを中心に扱っててさ
見ごたえあるから、見つけたら手に取ってみてよ。
次の日、茨城へ。
新しくオープンしたレコ屋を拝見しに。
手作り独自の温かさを感じたよ。
友人や店長も面白い人たちで、ヒップホップやアートについてアツく話して楽しかった。
それで、正面の壁に絵を描かせてもらうことなった。
ヒップホップがテーマなんやけど、やっぱり難しい。
だってヒップホップをイメージさせるもののほとんどが
表面的に記号化されたものばかりなんやもん。
グラフだってさ、レコードやターンテーブルだってさ。
それを描いておけば、とりあえずいい、みたいなさ。
でもやっぱり、尊敬し学ぶべき部分ってのは
「逆境やコンプレックスをエネルギーに変える」
てとこやと思う。
今の僕らにとっては、すごく必要な精神だよね。
それを表現できるよう、魂込めて創るよ。
色んな画材を使って、深みのある色合いを出したい。
今日も強く生きよう。
空高くある雲が、綿飴じゃなかったとしてもさ。