葬儀予定の3/8は季節外れの雪予報となっていた。

さすがに遅れては困るので私たち姉妹は前日から実家に泊まることに。

葬儀を終えたら参加者全員で実家に戻り軽く会食をする予定だったので、その準備のため買い物に行こうとしている最中、妹の夫から電話が入る。

なんでも朝、自宅のカギを持って出るのを忘れてしまって家に入れないという。

妹が帰る帰らないで揉めていたが、なんとか大家さんがカギを持ってきてくれるということで収まったようだ。

 

ひと安心して夕飯をとっていると今度は私の夫から電話がかかってくる。

なんと私の夫も自宅のカギを持って出るのを忘れてしまったという・・・

こんな偶然あるか!?

夫は携帯電話を忘れて会社に行ってしまったことは何度かあるが、カギを忘れるなんて結婚以来初めてのことだ。

こちらは大家さんに開けてもらうということができないため、食事を途中でやめ私が急いで帰宅することに。

 

なんとなく母がいたずらしているような気がする。

 

そして翌日、本当なら実家から行くはずだった葬祭場に夫と共に朝一番の電車で向かう。

実家に近づくにつれ予報通り雪が強くなっていく。

電車が徐行運転などで遅れはじめたため、途中駅で降りてタクシーに乗りなんとか時間に間に合った。

 

到着すると外は3月とは思えない雪景色となっていた。

母は3月3日に亡くなり、葬儀の日は季節外れの雪。

毎年ひなまつりになれば命日を思い出し、雪が降れば葬儀を思い出すことになるだろう。

母が「忘れないでよ!」と言っている気がする。

 

 

 

母が好きだったミモザの花を棺に入れた。

ちなみに葬儀の日だった3/8はミモザの日らしい。

 

火葬を終えた母は小さな遺骨になって帰ってきた。