伊南川ウルトラマラソン 奮闘記 4 | 走りながら、食べて、聞いて、考えて!

伊南川ウルトラマラソン 奮闘記 4

下り坂は、まさに天国だった。
雨もかなり少なく、走りやすかった。
体重の重い自分は、ただ、ただ、脚を繰り出すだけで駆け下りることができた。

上り坂の時に飲んだ痛み止めも効果を出して痛みも感じなかった。
何よりも、隠岐の島の下り坂で痛めたような太腿や足裏の痛みはほとんど出なかった。これは、間違いなく、HOKAのおかげだった。
途中、雨水が山から溢れ出しコース上を交錯して川のようになっていた場所もあったが、厚底の強みで水に浸かることはなかった。

ようやく民家が見え、77kmあたりのエイドであまりにも眠いので、眠気覚ましを飲んだ。そのとき、エイドのスタッフが、
『まだ、10番くらいだよ』と、教えてくれた。
まさか…、どんなに頑張っても12時間くらいかかりそうだと思っていたので、自分でも驚いた。

そうか、やはり、あのトレイルで相当ダメージもでたり、時間もかかっていたのか…。それを考慮すれば、ほぼ富士五湖ペースで走れていること自体が悪くないことだかのだ。

ならば、ちょっとは頑張ってやるぜ!と、俄然走る気が出た。

京都のラン仲間の奈佐さんが、いつも言っているように、
『強い心で!』と、自分の胸を叩いた!

しかし、85kmが過ぎ、90kmあたりでは、急に走るのが辛くなった。
エイドで、コーラをお願いしたが、なかった。
とにかく、スッキリしない。
すでに、平坦な道なので自分のカラダも重たい。
とうとう、脚が止まり、屈伸運動をしたとき、後ろからランナーが追いかけてきていた。

坂道などで二人くらい抜いたのだが、その二人が追いかけてきていた。

くそ、と思い走り出すも脚が止まる。
とにかく走り続けられない…

そして、とうとう、

自販機発見!
持っていた小銭を入れてコーラを買い飲んだ。

このレースはノンサポートのハセツネじゃないから、ルール違反じゃない!

そして、そこから、見事に復活!

コーラを飲んでいる間に抜かれた二人を追った。

と、見たことのある場所…、あ、ゴールの伊南川支所!しかし、ここからまだ5kmまかないといけない。

ハセツネでは巻き道が好きだが、ゴール直前の巻き道は勘弁してくれ~と思いつつも、前の二人を追った!

あと5km。

最後のエイドで、一人に追いつきコーラを飲んで、すぐスタート。

なんとか、ここで一人を抜き返せた。

抜きたいとかそういうことより、自分の弱さに負けたくなかった。

そして、橋を渡る。

振り返ると、かなり離した。

前を走るもう一人を抜けるだけの根性はあるか?

追い続けた。

しかし、あと2km近くで、また砂利道に入り、ちょっとした坂道で、走りきれなかった。

あと、1km。

多分、10mか20mくらいしか離れてない。

でも、ここで、前を走るランナーも凄い頑張ってるんだな…と感じた。

最後の橋を渡る時に、すでにゴールしたランナーが応援してくれ、声を掛けてくれた!

『10位だよ!頑張って』

やっと大銀杏が見えた。

あと30m。

先を行くランナーとはもう50mくらい差がついたみたいだったので、ゴールテープも用意され、笑顔でゴールできた。

終わった。

もう、いいや…。がんばったよ、自分。

と、そこに、海宝さんが駆け寄り握手をしてくれた。

で、自分は、
『いや~、きつかったです。二度と走りたくないですよ!』と、言ってしまった。

海宝さんは、わらいながら、『そう言ってもらえると、やった甲斐があるよ』と。

やれやれ、さすが世界の海宝さんだ。
失礼しました。

その後、体育館で着替えをしている間に、日は暮れてしまった。

まだまだ、たくさんのランナーはゴールを目指していた。

(つづく)

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