過去記事にも挙げていますが、私の製作品やカスタム品は、

基本的に送料だけ負担していただければ無期限・無償修理対応しておりますパー

原型が分からないほど大規模に弄ったものや、凝った配線を施した物も多く、普通の楽器屋さんに持ち込んでも眉をひそめられるようなブツが多いと思われるからですニヤニヤ

 

自分自身の製作品に責任を持つ…といえばカッコイイですが、現実には未熟ゆえにお粗末な物を提供していた事も後に判明することもあります滝汗

今回は、まさにそういったお恥ずかしい一件でしたあせる

 

ブログを始める以前の2016年に製作したこのギターひらめき電球

【過去の製作品】カテゴリーにも製作記事がありますが、

ジェフ・ベックの「テレギブ」「エスクワイア」を合体させたヴィジュアルを持ち

電装系はセレクタースイッチに4回路5接点のスーパースイッチを使ってフロントハム・フロントタップ・両タップのハーフトーン・リアタップ・リアハムの順に切り替わるように配線してあります。

現オーナーはこのギターを6年ほど前に落札して愛用してくださっているのですが、先日「フロントPUポジションで出るハムノイズが気になるので診てほしい」という依頼を受け、こちらに送ってもらいましたダッシュ

 

到着してすぐに試奏してみると、確かにフロントポジションでノイズがあります。

タップポジションやミックスポジションはシングルコイルに切り替わっているので多少のノイズは当然としても、フロントのハムポジションでシングルと同等のノイズがありますあせる

最初は「アース不良でも起こしたかなはてなマーク」と思いましたが、

パネルを開けて目視してみただけでは、その個所を特定できません。

まじまじと配線をチェックしていくと、ある事に気づきましたひらめき電球

フロントPUから出たワイヤーのHOTとCOLDが逆に取り付けられています目 これですぐに分かりましたクラッカー

 

これは間違って逆に配線したのではなく、意図的に反対にしていたのです。なぜそんな事をしたのかというと、たとえば国産ギターのピックアップを片方だけ海外製品に替えた時などに起こる、フェイズの反転を補正したのです。

たまにですが、ブランドの異なるピックアップをミックスした際、正常に配線したとしてもフェイズアウトすることがあります。その場合、一方のPUの位相を逆に配線すれば問題は解決するのですが、これがPUの構造によっては別の問題を誘発することがあるのですあせる

 

ストラトのPUのようにコイルの両端からHOTとCOLDの2線しか出ていないピックアップであれば問題ないのですが、ハムバッカーのようにシャシーからアース線が出ていて、それがCOLD線と共有になっていたり、テレキャスターのリアPUのようにボトムプレートから出たアース線がCOLD線と共有になっていたり…テレのフロントPUは金属製のカバーからアースを取っている例もあります。

これらはフロントとリアをシリーズ接続する時などには共有を分離しないと信号がアースに流れて音が出ないという症状が起きますが、今回私はシリーズ接続させる訳ではないので、HOTとCOLDを入れ換えるという作業しかしていなかったのですゲッソリ
そのせいでフロントPUのシャシーに繋がったアース線をHOTとして使うことになり、結果せっかくのハムバッカーがシングルコイル並みのノイズを拾うことになってしまっていたのです叫び

 

そこで…

フロントPUを一度分解してシャシーにハンダづけされているアース線を外し、独立したアース線(黒)をシャシーに接続

再度組み立てて問題は解決しました。

2芯のハムバッカーからわざわざタップ線を取り出す作業をしているのだから、その際に気づくべきでしたが、6年前の私は未熟でそこまでは思い至らなかったということですチーン

むしろオーナーが6年間もノイズを我慢して使っていてくれたことに申し訳なさでいっぱいです汗

 

ついでにガリノイズの出ていたトーンPOTを取り外して分解クリーニングしました。

 

昨日作業完了して即返送し、今日到着したということでオーナーに確認してもらいましたベル

オーナーは本機のタップサウンドをいたく気に入ってくださっており、今後もステージで愛用してくださるそうです音譜

 

ブログでカスタムのウンチクを語っている私ですが、昔の作業とはいえ、このように素人丸出しの失敗も多々ある訳で、これからも日々精進して参ります爆  笑あせる