表題のオーダー品の作業もいよいよ佳境に入ってきましたが、この三連休で塗装をするつもりも金土は酷い雨でほとんど何もできませんでした
ボディーの延長作業の後は、移設するピックアップやアウトプットジャックのためのボディー加工を実施しました
まずは(スラップのために)指板エンドとフロントPUの間の間隔を広げる加工ですが、このベースは何分24フレットとフィンガーボードが長く、加えてツバ出し部分も長いため…
この端から間隔を開けてフロントPUを後退させるとなると、当然ながら2つのPUの間隔は極端に狭くなって見栄えが悪くなります
そこで依頼主に提案してリアPUもブリッジ側に10㎜ほど後退させることにしました。
リアPUはブリッジに寄せ過ぎると、音色がトレブリーになるととも低域のパワー感が減じるため、併せてピックアップの交換も実施します
オリジナルで付いていたESPのピックアップも充分なパワーがあってそのまま使用するつもりでしたが、自分のストック品の中には同じブレードハムタイプでさらにHOTな物があったので、これに変更します
オーダー内容の中に、「ピックアップにはGIBSON風に金属カバーを装着してほしい。」という内容があったので、ハム用カバーを購入(GOLDしかなかったのでコンパウンドでメッキを剥がし)しました。
これを樹脂で固めたカバードタイプのピックアップにそのまま装着すると、弦との間隔を詰められずに感度が低下するので、樹脂カバーを剥ぎ取った上で装着しています。
ジャックはストラト用の舟形ジャックをボディー底部側面に取りつけてありましたが、元と同じように設置します。
プラグは上向きに斜めに差し込み、コードはエンド側のストラップピンとストラップの間に挟むのに都合よく配置されています
ブリッジについては、GIBSONの3点スタッドは諦めてもらいましたが、重量バランスの観点からできるだけヘビーな物に換装します。
オリジナルよりもずっとヘビーな造りの物にします。
弦の代わりに紐を使ったセンター出しですが、そこではなく、リアPUの位置をブリッジ側に10㎜ほど後退させているところに注目ください
ボディーの延長と重たいブリッジでどの程度バランスを改善できるかまだ分かりません
このベースには、ストラップピンの位置をいろいろ変えて、何とかしようとした形跡がありますが…
【ネックジョイント部のすぐ隣とか】
【4弦側の肩の部分とか…】
どこに移そうがバランスの中心が18フレット付近にあるので、全て無駄な努力に終わったはずです
ハッキリ言って、初代サンダーバードのデザインは失敗作でしょう(カッコいいけどね…)
だからこそ、後期型では「ノンリバースタイプ」にモデルチェンジしたんです。
【4弦側にホーンが出来てバランスは多少改善されたはずですが、プレべやジャズべほどの長さではありません】
次に、オリジナルでは付いていなかったピックガードをワンオフ製作します。
これは送られてきた本機にマーカーで直接描かれていたイメージを具現化しただけです。
80年代GIBSONがラインナップしていたRDシリーズのイメージで、ピックアップを囲むようにピックガードをデザインしました。
元はエスカッションマウントでしたが、ピックガードマウントにアレンジしてみました
最後は、延長したボディーに合わせてバックパネルもワンオフ製作します。
不要になった前の方は埋めるという選択肢もありましたが、RDベースはGIBSONとしては珍しく、時代に合わせてアクティブサーキットを採用した意欲的なモデルでした
このベースが今後どのような進化を辿るか分かりませんが、ちょうどバッテリースペースになる大きさだったので、あえて埋めずに長いバックパネルを製作しておきました。
ここまでに約60時間ほど費やしましたが、あとは塗装とレリック加工、組み立て、セットアップと進めていきます