ベースの持ち込みオーダーが続きます
50年代末や60年代のストラトやレスポールが、70年代にはすでに「オールド」と呼ばれていたことを考えれば、2022年現在、90年代の製品を「比較的新しいモデル」とは言えないかもしれません
しかし、我々にとっては「イバニーズ」と呼んでいた時代の物と、「アイバニーズ」と呼ばれる物の間には明確なイメージの違いがあります
今回は90年代の製品と思われるアイバニーズ製のベースを、「イバニーズ」の名器「MC924」風に模様替えして欲しいという依頼です
シェイプもPUレイアウトも全然違うので、かなりムリのあるオーダーですが、なんとか雰囲気だけでも味わっていただけるように頑張りたいと思います
ピックアップの換装なども実施しないので、リフィニッシュがメインメニューとなりますが、とりあえず丸二日かけてボディーの塗装を剥しました。
近年のポリ塗装は、シーラー層になんだか柔らかい塗料が使われていて、サンドペーパーがものの1~2分で目詰まりを起こします
湯水のように使っていると費用もバカにならないため、何度も洗って乾かして再利用します。
元のサーキットは、バランサーボリューム+3バンドイコライザーで4ノブ仕様です。通常のトーン回路はありません。
画像は左側にあったバッテリーを外した状態ですが、このスペースにフロントPUとリアPUのシリーズ・パラレルの切り替えスイッチを装備してほしいとのことです。
私はバランサーボリュームの付いた回路にシリパラスイッチを追加した経験がないので、ボリュームの前段にスイッチを入れるとして、音量を同時にゼロにできるのかちょっとやってみないと分かりません。なんかダメなような気がします
依頼主は、このバッテリーのあったスペースにスイッチを追加し、バッテリースペースは別途設置してほしいとのことです。それが一番手っ取り早いとは思いますが、プレーヤー目線から言うと、やはりマスターボリュームは一番手元に近い部分にあるのが理想でしょう。
事実、3枚目に載せたMC924のコントロール部を見てもそのように配置されており、プリアンプのON-OFF用と見られるスイッチは、エンドピン側の端っこに置いてあります。
あとは見た目も大事で、同じように依頼内容を具現化するにしても、実際の仕上がりには製作者のセンスが問われると思っています。
4つのコントロールの上段右に新しい穴を開けることになりますが、たとえ裏側キャビティーの範囲という制約があったとしても、等間隔の位置にノブを持ってきたいというのが人情というものです
この赤丸の位置に穴を開けると、キャビティーの範囲を少し出ますが…
丸ノミでエグって無理やりPOTの入るスペースを確保します
次にバッテリーBOXを設置しますが、手元には2種類ありました。
横向きに立てて入れるタイプと、平に入れるタイプです。
このモデルはボディー厚が薄いので、右を選択します。
ルーター加工は凄まじい粉塵が舞うので、作業時間より掃除時間の方が大変ですが、フリースクールに作ったウッドデッキで作業するようになって、超ラクになりました
これにコードを通す穴をキャビティー方向に向けて開けます
これでバッテリースペースの作業は完了です
読者の「ぱぴゅ~こ」さんのところに、小さい黒ネコの「おもち」ちゃんがやって来ました
もう大きくなってしまいましたが、私の実家にいるマルちゃんも、同じように薄いキジ模様の浮き出た黒ネコです。
冬の間はふつうの黒ネコですが、換毛期で毛が薄くなると、キジ模様が浮き出てきます
自分の毛布をモミモミしてベッドメイキング中です