「ゴールデンウィークで完成させる」などと言っていましたが、予想通りまだ作業中です
ただし…依頼主とは綿密に連絡を取り、細部を詰めながら後悔の無い物に仕上げるために「納期優先」でないことは了承済みです
遅れには色々と理由がありますが、一番焦ったのは、たった1つのパーツが手に入らなかったことです
ピックアップセレクターとコントロールパネルを小型化するために私から提案した仕様変更ですが、画像一番左のノーマルスイッチを、右(3つ)の小型の物に変更するという提案でした。
ただ、ピックアップ3基のON-OFFとバイパススイッチに計4個必要なのですが、私の手元には在庫が3個しかなく、いつどこで買った物だったか記憶にもありませんでした。
パネルは先に出来上がっていて、スイッチは秋葉原に行けば簡単に見つかると思っていたのですが、なかなか見つからず、50年以上やっているというお店で聞くと、「会社が倒産してもう入らない」という返事
それでも店頭に残っている物があるはず、と半日廻りましたが同じ返事が返ってくるばかりで発見できませんでした
レトロなデザインのスライドスイッチなので、今後別の会社が作ってくれるか不安です
秋葉原の様子も様変わりしていて、小さな電子パーツ屋さんの多くは店じまいし、代わりにフィギュアやアニメグッズのお店が並んでいます。時代の移り変わりとはいえ、少し寂しい気持ちになりました
それで依頼主に報告してバイパススイッチだけピンスイッチにすることにしました
四角に開けた穴の中央を丸く整形してはめ込みました。
実際、この1個だけは他の3個とは機能も異なるわけで、
これはこれでカスタム感が増してかえって良かったかも
それから、最初のオーダーリストには無かったのですが、私の方からマッチングヘッド仕様にすることを提案しました。
このモデルは元々フィエスタレッドみたいな色のマッチングヘッドだったのですが、その印象が残っているせいか、下塗りを終えたネックをジョイントしてみると、ヘッドが木目のままでは違和感があったのです。
【依頼主に判断を仰ぐために送った「仮置き」画像】
これにレリック加工を加えれば、さらにカッコよくなると思います。
さらに、依頼主からの新たな指示で、ポジションマークの視認性を良くするために大型化することにしました
市販品のポジションマークはほぼ全て2㎜径で製作されています。なので3㎜径のポンチでガード材を打ち抜き、独自規格のポジションマークを作ります。
3.1㎜径のドリルでネックサイドに穴を開けていきます。その際のコツは、少し深めに穴を開け、塗装がしっかり乗るようにしておくことです。
古い楽器の中には、ネックの塗装が擦り減ったことが原因でポジションマークが脱落した物を見かけます。
これは確かに見やすい
50代以上の人にはお奨めのカスタマイズと言えます
ネックの仕様が決まったところで、トップコートを吹いて水研ぎ、研磨工程へと進みます
フィンガーボードの塗装と水研ぎ&バフがけは、ローズネックにはまったく無い工程で、1フレットずつやるのでとても手間がかかります。
次回はいよいよ電装系の作業と組み立てになります