ようやく猛暑が終わり、都内はキンモクセイの香りが漂い始めました
個人的には、8月6日以降全ての土日を、朝から晩までボロ屋のリノベーションに費やしているため、ギター弄りに割ける時間は限定的になってます
自宅から18㎞、車で1時間ほどの所で一応東京都内ですが、山の中にある一軒家で、周囲は森、竹林に囲まれています。
少なくとも15年ほどは放置されていたと見られ、建物のすぐ脇にまで多くの木が生え、屋根の上に積もった落ち葉が土となって、さらに木が生えているという状況でした
周囲の草や木を除去するのに2週間ほどかかり、現在は建物の内部を改装しています。
床や天井まで全て剥ぎ取り、壁も全てぶち抜いて部屋をつなげ、広いスペースを確保します。
新しい壁板や床板を張って明るい水色に塗ったところです。
必要のない押し入れなども撤去したので、あちこちに変な柱が出現することになりますが、そんなことは構いません。
ここには工房機能も一部移転する予定ですが、全てが完成するには数年かかる見込みです。
表題のオーダー品も地道に作業を進めていますが…
これにも悪戦苦闘しています
まずは下の画像を見てください
デジタル計測で3260g
軽めのストラトやテレ1本分の重さですが、これは今回の馬場育三モデルベースの(全てのパーツを外した状態での)ボディー単体の重量です。本体重量は当然5㎏を越えています。
まずは定石通りアイロン加熱でトップコートを剥がしにかかったのですが、これが極めて手ごわい
第一段階で剥がすのはクリアのトップコートとシースルーブルーの層まで。その下にラメの保護層があります。
このアルミパウダーとクリアの境界が強固で簡単には剥がれません
あまり力任せにやると木部にもダメージを与えかねないので、普通よりもかなり長時間加熱して少しずつ剥がしていきます。
部屋中にキラキラとしたラメが飛び散り、ありとあらゆる物に付着します。
一番下はシルバーのアンダーコートですが、さらにシーラー層もあるので、とてつもなく厚い塗膜になっています
さらにはマッチングヘッドときていますし…
この意味不明な穴の中もスパークルフィニッシュされています
この中はアイロン加熱もできないし、ドライヤー程度の熱では塗膜が軟化しないので、さらに苦戦しそうです
世の中には自分でリフィニッシュしようと塗装剥がしに挑戦したものの、あまりの大変さに途中で放棄してしまったという経験を持った人も多く、過去記事にあるように、私はそういった物を「挫折ボディー」と呼んで格安で仕入れ、次々と完成させてきました
そんな私でも、今回のスパークルフィニッシュには正直泣きが入りました
9月14日現在、表裏のラメ層まで剥がし終えましたが、曲面やカーブでアイロンを当てにくいサイド部分はまだ手付かずですし、穴の部分も残っています
なんとか9月中にボディーだけでも木地に戻せるよう努力します