所有楽器の8本目になります
メインギターをホワイト・アルダーからブロンド・アッシュに切り替えて3本目に購入したギターですが、ホワイト・アルダーの最後(5本目)に紹介したストラト同様、すでにバンド活動をやめた後になって購入したギターです。御茶ノ水にあるESP直営店の「BIG BOSS」で購入しました
【アッシュ材の木目がわりとハッキリ分かります】
この頃になると楽器の好みが大きく変わってきていて、まず家弾きがメインになって重量の軽すぎる物は避けるようになりました。
このストラトはこれまでの物より少し重く、3670gあります。アッシュとしては軽量ですが、これまで選んできた3.3㎏とか3.4㎏に比べると、持ってすぐに重いと分かります。
各ヴィンテージショップの在庫でアッシュ物を探すと、売れ残って安く出ている物は、オリジナル度が低いか重量が4キロを超える物ばかりで、やはりストラトは軽い物が好まれるようですね
それから、ネックも細いものより、太いというか、しっかりとしたグリップ感のあるものを好むようになりました。72年製には厚みのあるネックがかなりの割合で存在します。
実は、昔中野にあったギターハウスというお店で買った73年製を一時期所有していたのですが、すごくネックが太く感じ、自分で削ってリシェイプしていた事があったのです。当時はオールドも何も、使えないことには話にならないと思っていましたし、ネックは細く薄い方が弾き易いに違いないと思い込んでいました。
それが、歳をとってからそんな単純なものではないと気付きました
今も別の73年製が手元にありますが、ネックはずっと細いです。
あのネックの太い73年製は、きっと72年の仕様を引き継いだ初期の物だったのでしょう。削ったり手放してしまったことを後悔しています
この72年のストラトも標準のBネックではありますが、これまでに紹介したものよりずっと厚みがあります。にもかかわらず、不思議と弾きにくいと感じることはありません。
技巧的な事を追求しなくなり、もっぱら音源に合わせてブルースなんぞ弾くようになったせいだと思います。
要するに…じじいになったということです
20~30代の頃には想像もできなかった事態です。
それどころか、近年はストラトをほとんど手にしなくなりました
さて、あらためて手入れしつつ細部をチェックしてみましょう
これは、文句なしにオリジナルの1ストリングガイドになります。
ストリングガイドの位置が、5弦ポストよりナット側に打たれているのがオリジナル1ストリングガイド仕様の特徴です。
ネックエンドのスタンプは明瞭「22 APR 72 B」で、72年4月加工のネックです。
私の所有ストラトのうち、73年出荷と思われるストラトに組み込まれていた「72年1月」や「72年2月」のスタンプが打たれたネックは、いずれも2ストリングガイド仕様でしたが、このギターはPUデイトやポットデイトも72年です(※VOLポットのみハンダがのっていて未確認)。
【この時期は4桁デートで、末尾2が72年を表しています】
この事から、加工を終えたネックに金属パーツが取り付けられるのは、ギター本体に組み込みをする時点だと分かります(当たり前ですが…)。
【VOLポットは半田がのっていて年式確認できず】
1ストリングガイド仕様の現在の相場を調べようと、ヴィンテージギターショップのサイトをいくつか調べてみたのですが、とにかく物が少なくて、あっても「¥ASK」表示がほとんどです
やっと見つけた物は、新大久保のハイパーギターズさんの在庫の中にある72年サンバースト・ローズが750000円。ストラトクレイジーさんには2本出ていて785000円と698000円(どちらもサンバースト・ローズ)。ギタートレーダーズさんのブラックは797500円。渋谷ナンシーさんに同じブロンド・アッシュがあったのですが、残念ながら価格は「¥ASK」
石橋楽器さんの御茶ノ水店に格安598000円(やはりサンバースト・ローズ)がありますがパーツ交換が多く、トレモロユニットも丸ごと交換されています。
こういった状況から、ほぼオリジナルであれば70万円前後が相場といったところでしょうか
値段の掲載されていた物が全てサンバースト・ローズで、ナンシーさんのブロンド・アッシュ(メイプルネック)が「¥ASK」だったことを考えると、人気の高いホワイト・アルダーやブロンド・アッシュのメイプルネックはもう少し高いかもしれません
このギターを買った当時でさえ、1ストリングガイド仕様は2ストリングガイドの物よりも10万円くらい高かったですが、現在はその差が20万円まで拡大しているようです
ストリングガイド1個の有無が、こんなに値段に影響するのかと思うと不思議で仕方ありませんが、とにかくこの時代は仕様変更が頻繁で、1970年に10年以上ぶりにメイプルワンピースネックが復活したかと思うと、71年末に3点留めブレットヘッドに変更。そして72年後半には3・4弦にストリングガイドが追加されるので、ブレットヘッドの1ストリングガイド仕様は実質半年強のみの生産でした。
今の私はもう安ギターにしか興味はありませんし、弾くより弄る方に関心が移り、似たようなギターもいっぱいあって「青春の思い出の品」でしかありません。楽器のためにも、そろそろ手放すことも考えないといけませんね。興味のある方は、たまにヤフオクをチェックしてみてください
私の所有楽器のうち、FENDERの70年代ストラトは以上で全てです。すでに手放したものも5~6本ありますが、中にはヤフオクに出品した際の画像が残されている物もあるので、それも後日紹介して行きます。ローズ指板の物も1本くらいは買ってみてもよかったんじゃないの?と今になって思いますが、当時はまったく考慮の外でしたね~
【別にこういうことがやりたかった訳じゃないんですけどね…】
※追記:よく見るとローズ1本あるじゃん