所有楽器の7本目です
メインギターをホワイト・アルダーからブロンド・アッシュに切り替えて2本目に購入したギターです
自分の中に「サブ」といういい訳を用意しつつ、10年を越えるバンド活動の中でサブの世話になったことはたったの1回しかありません
購入した年は忘れましたが場所はハッキリ覚えています。
唯一、地元福岡の楽器店で購入したからです。学生時代に大阪で買った1本目とコレを除いては全て東京都内での購入です。
地方都市のヴィンテージギターショップは、東京都と相場が異なるのかずっと気になっていて、帰省した際に楽器屋巡りをしてみました。結果、コレは完全に衝動買いです
なぜか
…とにかく安かった
① 正確な年式不明(73~74年)
② ネックデイト不明
③ フロントとセンターのピックアップ交換あり(ブランド不明)
④ ブロンドなのに木目が透けて見えず
⑤ ケース非オリジナル(FENDER製)
以上5点のため、298000円+税5%=312900円という大特価でした 今では倍近いかもしれません
とりあえず弾かせてもらう
・まず持ってみると、非常に軽い
・弾き心地は大変良好
・サウンドは、交換されたというフロント・センター共に全く違和感なし
見た目…「アッシュの木目がほとんど見えない」とのことですが、元々ホワイト・アルダーを弾いてきた私にはどうでもいいことです
ケース…入れ物などどうでもよい
とにかく当時は実用第一だったので、オリジナル度すら重視していなかった訳ですが、現在であれば手を出さなかったかもしれません
というか、今はこんな高いギター買いません
今現在の私の基準は
①中国製であれば5000円以下
②国産オールドであれば10000円以下
③アメリカ製ギター(購入対象外)
というのが絶対的基準です
さて…
むしろギターを弾かなくなってから知識を積み重ねてきた私ですが、今回この訳ありギターを分解&分析してみたいと思います。
まず、ネックを外してスタンプを確認すると…
どこに押しとんねん
失敗したんならもう一回押し直さんかい
想像するに、このスタンプは機械じゃなくて学校の先生が提出物のチェックに使うような、ダイヤルで数字を変えられるゴムスタンプを手作業で押しているのだと思いますが…
【こーゆーやつ】
ポットデイトは73年ですが、リアPUデイトは74年です。
こういった場合、74年に73年の在庫パーツが使われることはあっても、その逆はないので74年製と判断します。
そしてフロントPUとセンターPUはブラックボビンでスタンプはありません。これが交換された物と判断されたようですね
表から見ると、古びた感じやスタッガードポールピースの高さに一切の違いは見られませんでしたし、裏側から見てもボビンが黒い以外はリード線やハトメ部分のハンダの様子もオリジナルと同じです。
そして何より、リアのグレーボビン同様、何かのチェックに使われる緑色のマジックのラインがポールピース上に確認できます
実はこの2個のブラックボビンもFENDERのオリジナルで間違いありません
数多くのストラト本で、各年代の仕様や鑑定方法を記事にしていらっしゃる今井康雅さんの文章「Guitar Graphic vol.6」(1996年リットーミュージックP63)の中に、74年製の一時期にのみ見られるこのブラックボビンPUについての言及があります。
当時、こんなマニアックな事は知りませんでしたが、安くても買っておいてよかったです
今の私であれば、74年のいつ頃かというのも察しがつきます
ピックアップ搭載用のネジが73年の仕様を引き継ぐ皿ネジです。
ポットに73年の在庫パーツが使われていることと併せて考えると74年初期型と判断できます。
最後にケースですが、ケース表のブランドロゴは75年以降のアンダーライン無し〇付きRのタイプで、内張がアズキ色なので1979年以降のケースだと分かります。
後年のケースですが、このビロード地のアズキ色の内張は、下側にも蓋側にも厚いクッションが敷かれ、以前のものより圧倒的に高級感があるので私は好きです。
オリジナルにこだわる人は嫌でしょうけど…
本体重量は3560gで、いつもと同じ感じです
このギター、練習スタジオくらいには持ち込んだかもしれませんが、ほとんど実践では使いませんでした
ピックアップセレクターも3ポジションのままなのでそうだと分かります。
今回、久し振りに引っ張り出したのを機に、またしまい込んだりせず、リビングに置いて少し弾いてあげようと思います