私は5歳上の姉の影響で小学生の頃から洋楽ばかり聴いていました
実際にギターを始めたのは6年生の時。そして初めてバンドに参加したのが中学2年生。現在でも仲の良い友人がやっていたバンドのベースが抜けたということで、その穴埋めとして呼ばれました。ベースは未経験でしたが、断る理由もありませんでした。
当時演っていたのはDEEP PURPLEのコピーが中心。すでに解散してレインボーやホワイトスネイク、ギランバンド等に分散していましたが、なぜか皆パープルに入れ込んでましたね
東京に出て来て、バンドやってる人たちがほぼ例外なくツェッペリンの方が好きだというのが理解できませんでした
私はグレン・ヒューズのいるパープル3期が一番好きですが、2期のロジャー・グローバーも好きです。
とにかく中学生の私は、まずは弾く練習が何より優先されるべき時期でしたが、ある時たまたま見た1枚の写真に衝撃を受けることになります
ロジャー・グローバーの黒いリッケンバッカーですが、フロントにジャズベース用のピックアップが2基、斜めに取り付けてありました
おわ~っ
こんな勝手なことをしていいのか~
これ以降、私は自分のギターやベースに、様々な改造を施すようになっていきました。ろくな工具はありません。「技術」の授業のために一式購入した道具や彫刻刀といった教材教具が全てでした。
それから40年近い時が流れ、ここ数年ハマっている現在の趣味は、その続きです
この写真に出会って40年、今回ジャンク品の黒いリッケンが私の元にやってきたので、原点に戻って取り組んでみたいと思います
「JOODEE」とは70年代のダイオンのブランドですが、さすがにYAMAKI製造なだけあって、当時いろいろなブランドから出ていたリッケンコピーの中でも優れている方だと思います。
当時スルーネックのリッケンコピーはまだ珍しく高価で、デタッチャブルやセットネックの物も多かったですが、このJOODEEは本家同様のスルーネック構造で、アウトプットもちゃんとステレオアウトになっています
2基のジャズべ用ピックアップがどのように配線されていたのかは不明です。わざわざ2個並べているということは、マイワイフのようにEB用PUをスーパーウーファー的に使うのと同様に、2基を直列にハムバッキング接続させている可能性がありますが、2基はジャズべのフロント用とリア用を2つ並べたものではなく、同じ長さのフロント用を2個使っているようなので、逆磁極にするには製造時期の異なるジャズべから持ってくる必要があります(時期によって磁極の向きが違うため)。
ポールピースを抜いて逆さまに入れ直すこともできますが、FENDERのシングルコイルはポールピースに直接コイルを巻いているため、まずは過熱してポッティングのワックスを柔らかくした状態で作業する必要がありますが、この加熱段階でも、またポールピースを出し入れする際にも、断線のリスクを覚悟する必要があります。私もこれまでに何個もダメにした経験があります
今回はリスクを避け、フェライト仕様のピックアップの片側のマグネットを裏返して再接着して対応します。
まずはノーマルのピックガードを型紙にして新しいピックガードを製作します。
ピックガードのワンオフ製作はミスが一切許されない上に、スラント配置された2基のJタイプの形状は複雑なので、かなり神経を擦り減らす作業でした
ただ、これさえ済めば8割方完成したに等しいので、先日製作したマイワイフ等に比べると、半分以下の手間で作ることができます
このモデル製作の一番の難関は、黒いリッケンベースを安く入手することでしょうね
ロジャー・グローバー本人はこの「マシン・ヘッド」時代の黒リッケンを今も大切に所有しているようですが、残念ながらフロントピックアップはリッケンバッカーの工場にてノーマルに戻されているようです ガッカリ