所有楽器の4本目ですが、相変わらずですみません爆  笑あせる

 

 

 

ネックプレートシリアル「331720」で、ネックデイトは後述するように72年2月の日付、ピックアップデイトは3つとも72年、ポットは2つが72年ながら、センターPUトーンだけが73年の物になっています。

 

1つだけ古いパーツがついているというのであれば、旧パーツの在庫の残りが組み込まれたと判断できますが、1つだけ新しいパーツになっているというのは、トラブルか何かが原因で後年交換された物と考えられますひらめき電球

 

この頃のネックには、73年以降の6桁のコードナンバーではなく、68年から72年前後まで用いられたバージョンで、ネック加工を終えた月がアルファベットで略記されています。3月ならばMAR、8月ならばAUGといった感じです。

このネックの場合、スタンプの下半分が消えかかっていて読み取りづらいですが、最初の2桁は「22」(このバージョンでのストラトのコードナンバー)

次はFの上の棒が消えていますが「FEB」で2月を表し、次の2桁「72」は言うまでもなく72年製、最後も消えかかっていますが「B」で、これはナット幅の種類を表す記号で「B」は標準幅の「Bネック」を表しています。

 

ストラトに詳しい方は、「72年の2月であれば1ストリングガイドではないのか?」と思われるでしょう。詳しくは次回の「5本目紹介」で記述しようと思っていますが、FENDER社においてはボディー、ネックが別々に製造されるため、それが最終的に組み込まれて完成する日時との間にはどうしても時間的ギャップが生じます。

私は特に、木加工を終えたボディーやネックの保管方法が、このギャップを時として大きなものにしてしまう原因になっていたのではないかと考えています。

詳しくは次回に回すとして、このギターの2つのストリングガイドは、工場で装備されたオリジナルと考えますパー

 

72年後半にストリングガイドが2つ装備されるようになって以降、それ以前にストラトを購入した71~72年製オーナーの少なくない人が、FENDER社の仕様変更に倣って3・4弦にもストリングガイドを追加したと思います。

現在であれば、同じ72年製でも1ストリングガイド仕様と2ストリングガイド仕様とでは10万円近い値段の差が生じるようですが、当時は旧仕様に価値が見出されるなどとは思いもしなかった時代です。多くの人がより新しいモデルに見えるようにしました。それはメーカーの方でも同じだったようで、ジョージ・フーラトンも、「修理に戻ってきたネックは、新しいタイプのロゴに貼り替えて返却した」と証言しています。

ストリングガイドは手作業で取り付けられたパーツなので、若干の個体差はあるとはいえ、最初から1ストリングガイドの物の取り付け位置と、2ストリングガイドになってからの1・2弦用ガイドの位置は微妙に違うので、大抵の場合は後付けかどうか判断可能です。その意味で、このギターは72年2月のネックながら、最初から2ストリングガイド仕様で完成した物に間違いないと思います。

 

私はこのギターを「ダック」と呼んでいます爆  笑

くどいようですが、私がイングウェイの熱烈なファンという訳ではなく、ヘッドにドナルドダックのシールが貼ってある訳でもありません。

 理由はコレ・・・

 

ボディーの裏にフェラーリのステッカーを貼ってあった痕跡があります。入手時にはもっと薄かったと記憶しますが、だんだん目立つようになってきましたポーン

 

私は自分の楽器に1つ1つ名前をつけるような感性は持ち合わせていませんが、さずがに似たような楽器が増えてくると、音楽活動の様々な場面で個体を識別する必要に迫られるものです。

べつに「フェラーリ」でもよかったのですが、バンド仲間が勝手にダックと呼び始めました(わざわざドナルドのシールを買ってきてヘッドに貼りつけようとした奴までいるむかっ)

 

このギターは、自分で気に入って購入したものではなく、訳あって友人から買い取ったものです。

同郷の後輩が私より数年遅れて上京し、90年代に私と同じようにフリーターをしながらバンド活動をしていました。

彼は当時、近年物のアメリカンスタンダードストラトを弾いていたと思いますひらめき電球

 

しかし、私の家に遊びに来るうちに黄色く変色した古いストラトを見て、すっかり気に入って欲しくなり、24回ローンでコレを購入しました。

品定めには私も同行し、計4~5日は楽器屋巡りに付き合いました。

それで選んだのがこのギターです。この時点ですでにフェラーリのステッカー跡はありました。

 

それが何故今は私の手に?

 

その後(ローンは終えていたので)2年以上たってからだと思いますが、彼は同棲していた彼女が妊娠したということで、故郷に戻って結婚することになりました(彼女も同郷)。

それで、申し訳ないけれどもこのギターを買い取ってくれないかと相談を受けたんです。

彼は具体的な額は申し出ませんでしたが、楽器屋に買い取ってもらうとしても、購入額の半分も回収できないことは明白です。

両家のサポートもあるとはいえ、これから引っ越しや出産、新居探しや家財の購入など、東京でフリーター生活だった彼が充分な貯金をしているとも思えませんでした。

同郷の彼女もよく知った仲ですし、元をただせば、彼がこのギターの購入に至った経緯も、私のイエローストラトが原因です

試奏に付き合ったので物が確かなことも分かっていますし・・・

 

それで結局、彼がこのギターを購入した時の金額に加え、出産祝いというには少し早かったですが、お祝いの気持ちを込めた10万円を上乗せして買い取りました。

これまでには売却したストラトも多くありますが、こういったエピソードを思い起こすと、なかなか手放せない楽器もあるものです。

 

現在では彼の娘も高校生くらいだと思いますが、もし父親の影響でエレキを始めるようなことがあれば、このギターを贈ってあげてもいいと思っています(父親には返したくはありませんがてへぺろ)