ネックを取り付けてブリッジの位置が決まったら、ボディー加工に入る前にピックガードを製作します。ピックガードには、ピックアップやコントロール類を取り付けるたくさんの穴が開いていますが、この穴の位置が、各種キャビティーの切削範囲を決定するのに重要なのです
この切り離した部分は、マイ・ワイフでは丸ごと欠損している部分です。
このフロントPUボリュームと隣のハイカットスイッチのツマミはくっつきそうなくらい接近していますが、これからすると、POTはミニサイズを使っているとしか考えられませんね
24㎜径のフルサイズPOTを使うと、スイッチのツマミは離れてしまいますから・・・
継接ぎ部分を含めて、ここまでもってくるのに丸一日かかります
フロントPUキャビティーとネックポケットは繋げてしまってもよかったのですが、一応分離しておきました。
EBマイクは高さもかなりあるので、キャビティーもその分深く切削してあります。
次にブリッジを後方に移動しました。
5本中3本が中折れしたと述べましたが、それゆえ3本の埋め跡は6㎜径のプラグで塞いであります。しかしブリッジはこの位置から5㎜ほど後方に移します。
マイ・ワイフを見ると、ブリッジカバーがボディーエンドぎりぎりまで後退していますが、これはブリッジを移動したためでしょう
プレべプレイヤーの愛機ではたまに見かけますが、こうすることで弦のボールエンドからサドルまでの角度が緩やかになり、テンションを軽減することができます。
ずっと前にも記事にしていますが、記事数も300をはるかに超えて新しい読者の方も多いので、また詳しく取り上げておきましょう。
新しくネジ穴を開ける際、ネジ穴の深さはきちんと管理してください。ネジ穴が深すぎると、先端に空気が入る余地を残してしまいます。空気が入るということは水分も入るということなのでサビの原因になります。
ブリッジネジ程度の深さであっても、ボール盤や垂直ドリルガイドを使って正確に垂直に開けます。黄色いテープの位置がネジの長さの位置です。
さらに、ネジ穴には微量のカーワックスを封入しておくと、10年後、20年後のメンテナンスでネジ折れという憂き目に遭わずに済みます
次に、厚さ3㎜のアガチス板を80×30㎜ほど切り出します。
これをブリッジのベースプレートの前半分から前方にかけて埋め込みます。
トリマーで精確に切削し、タイトボンドで接着します。
アース用の穴を塞がないように、この範囲に決定したのです
このプレートは、いったい何なのでしょうか?
だってマイ・ワイフはこうなってるでしょ
ビリーは、昔BADASS製のブリッジを取り付けていたと語っていますが、この痕跡を見ると、切削無しに取り付けられるBASSⅡではなく、半埋め込み式に取り付けるBASSⅠを愛用していたのでしょう。それを外してノーマルに戻し、穴を埋めたのではないでしょうか
こんな所まで再現する必要があるかどうかは別として、7年前に製作した物より、より進化させる必要はあろうかと思っています