これまた前回記事①は5月5日と3週間以上前の作りかけです
未塗装新品ボディーで塗装を剥ぐ手間がかからないので短期間で完成できると踏んでいましたが…
【各種ゴールドパーツを揃えるところからスタートします】
使用するピックガードの切り欠き位置の関係で、コントロールキャビティぎりぎりの位置にプレートがくるので、塗装の前にキャビティ外側に3㎜の木材を追加して余裕をもたせます。
アッシュのように導管が大きく、塗膜の凹凸が起きやすい材の場合、プライマーをやや多めに吹いて400番で研磨し、表面をできるだけならしておきます。
塗装前には各種パーツを仮どめして位置を決定し、それから全体にクリーム色を吹きます
ブロンドはシースルーフィニッシュなので、木目を潰してしまうことがないように気を付けて薄く薄く吹きます。それから一段薄いアイボリーで周囲をグラデーション塗装します。
サンバーストと同じ要領です
前に1本作っていますが、最近の読者様のために再度解説しておきますと…
FENDER社の先行モデルであるテレキャスターは、50年代は「ブロンド」と呼ばれるシースルーのホワイトグラデーションフィニッシュをスタンダードカラーとしていました。
(※現在「バタースコッチブロンド」と呼ばれるテレキャスター特有の黄土色は、このブロンドのトップコートが経年焼けで黄変したもの)
テレキャスターに少し遅れて発表されたストラトキャスターは2トーンサンバーストがスタンダードフィニッシュとなり、「ブロンド」がカタログに追加されるのは3年後の1957年。まだ「カスタムカラー」という概念はなく、単なるオプション扱いだったみたいです。
このブロンドのストラトにゴールドハードウェアを組み合わせたのが有名なマリー・ケイモデル
見た目のゴージャスさと生産本数の少なさから、本物のヴィンテージのマリー・ケイモデルの値段は天井知らずです
そこで私が不思議に思ったのは、ストラトにはオプションカラーであるブロンドにゴールドハードウェア仕様があるのに、何故ブロンドをスタンダードカラーとするテレキャスターにはゴールドハードウェア仕様が存在しないのかと
これを「ありそうでないシリーズ」の1本として自分で製作してみたのがこの作品です
ゴールドパーツを一式揃えるのはコストがかさむので安くは作れませんが、なんとかサンバーストを自前で吹く技量が身についたら、ぜひともチャレンジしてほしいカスタムです
今日の東京は、晴れたと思ったら急に雲が湧いてきて雨が降り出すという不安定なお天気でした
午前中は例の中学生がやってきて、ビルローレンス風テレキャスターを仕上げました
【尾崎のものは、MADCATのようにフロントはストラト用PUになっているようです】
【これが本物】
共同作業とはいえ、まだまだ私の作業範囲が9割といった感じですが、慌てず少しずつ作業範囲を拡大していければいいと思います
「勉強はなかなか頭に入らないけれども、ギターの事はすぐ覚える」と言っていました
それが人間というものです